ジキトリ,ヒダルガミ,ガキボトケ 1985年 愛媛県 高い山に登ったときに、空腹で動けなくなることがある。これをジキトリ、ガキボトケ、ヒダルガミに憑かれたという。その時は弁当箱のすみに残っている米粒を食べれば治る。ないときは掌に米という字を書いてなめるとよい。
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ダリ 1981年 和歌山県 腹が減っているときに峠や山を通るとダリに憑かれて動けなくなる。手のひらに米と書いて飲むふりをすれば助かる。
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ジキトリ 1958年 愛媛県 ジキトリといって、山道に亡霊が出る。出るところは決まっており、これに遭うとひどい空腹で動けなくなる。防止のため、弁当は必ず少し残しておく。万一、すべて食べてしまったときは、わずかで良いから人の弁当をもらって入れておく。
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ダリ,トオリマ 1933年 奈良県 山歩きをしていると身がすくんで倒れてしまうことがあるが、これはダリに逢ったためであり、山に詳しい人々は必ず握り飯を用意して山に登る。実際、慣れない人が山で卒倒した時、握り飯を与えると元気付いてすぐに回復した。
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ワタボトケ 1927年 愛知県 峠にワタ仏というたくさんの石仏が祀ってあり、あらかじめ麓の村で十分に食物を取らないと、峠に差し掛かったとき、空腹で動けなくなると言う。
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ダル 1957年 和歌山県 スエクニは昔旅人が餓死したところで、その霊を山のウネに祀っているがそこを通ると急に腹が減り動けなくなることがあった。そんな時は米を一粒でも拾って食べればよい。
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ダリ 1981年 和歌山県 山で腹が減って動けなくなるのはダリに憑かれたから。手のひらに食と書いて舐めると助かる。
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ダル 1977年 和歌山県 三川から富里へ越えてくる峠で、空腹を我慢していた人が死んだ。その人の霊がダルになったのだという。峠を越す前には、必ず物を食べた。
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ダル 1977年 和歌山県 地蔵峠や水呑峠でダルに憑かれることがある。ダルに憑かれると、急激に腹が減って動けなくなる。飯を食べると治る。飯がないときは、手のひらや紙などに米と3回書いてなめるといい。弁当を持っていったら、全部食べないで米を3粒残しておくという。ダルに憑かれると、「こっちに来い」と招かれている感じがしたという。
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ダル 1974年 奈良県 腹が減ったらダルに取りつかれるという。西中から三浦峠を子どもを背負うて越した時、ダルにつかれた人にあって、おにぎりの食べかけをあげたことがあった。
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ジキトリ 1926年 愛媛県 山で疲れて動けなくなることをジキトリに取られるという。
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ダリ 1981年 和歌山県 ダリに憑かれると苦しくなる。遠くや山野に行くときは充分に食べて、一口食べるものを持って行けと言われた。
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イザリガミ 1924年 奈良県 道中空腹で一歩も歩けなくなるのはイザリガミにつかれたからである。このようなときは指で掌に米の字をかいてなめると良い。宇多と吉野の郡界にイザリガミの石像がある。地方の人は空腹の時にはこの前を通らないようにしているという。
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ジキトリ 1943年 愛媛県 明治村目黒では、猟に出た1人がジキトリに憑かれた。肉を食べたが治らず、やはり穀物を食べなければならないという。
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ダリ 1922年 三重県 山歩きをする時はダリに会うと行けないので何か食べ物を持っていかなければいけないという。ダリに憑かれると急に息が弾み、手足が痺れ、身体が縮んで硬化してしまう。ダリに憑かれたと思うと食べ物を一片でも良いので投げ与えるとよい。食べ物を持っていなかったら近くの木の実をもぎって投げても良く、自分で食べても良い。そうすると動けるようになり山を越えることができる。宇治から磯部へ一人旅をすると必ずダリに憑かれると信じられ、また実際多くの人が憑かれた箇所がある。
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タリ 1940年 岐阜県 空腹のとき、タリに憑かれる。疲れると弱ってより空腹になる。足も動かなくなる。山道でも村中でも憑かれるが、とりあえず空腹を満たせば逃れることができる。
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ダラシ 1934年 長崎県 ある人が、急用のため、十分にご飯を食べずに峠のところで、急に体がだるくなり、どうにも動けなくなった。連れの者に肩を借りて歩いていると、高野豆腐が一つ落ちていた。それを拾って食べると、けろりと元に戻った。だらしにつけられたのである。
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(キツネ) 1990年 長野県 旅をしていて、夕方になると腹が減ったので、馬糞を食べたという。
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ダリ(ゾクシン) 1923年 和歌山県 ダリが憑くと、道の途中で空腹のために動けなくなる。その時は、手のひらに米と書いて舐める。
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ヒダリガミ,クワン,〔シバオリサマ〕 1942年 高知県 山路で急に空腹を感じて、冷や汗が出て歩けなくなるのがヒダリガミと呼ばれるものである。土佐郡土佐山村ではクワンと呼び、憑かれた時は何か一粒でも口に入れるとよい。柴折様に柴を供えて通ると憑かれないと言う。
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