オマンタヌキ 2002年 香川県 二ノ坂の入り口の東側の山にはお万狸という狸が住んでいた。下から見ると狸がすんでいるところで火を炊いているように見えたが、灯が見えると必ず雨が降ったという。また、小蓑下所の猟師がよく狸を捕ったといって木のホタを吊って帰るのを見かけたという。お万狸は後に屋島に嫁に行ったという。
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タヌキ 1932年 兵庫県 物部川を2町程上ったところにある切石という所の不動さんの附近には、昔、狸がいたそうで、薪を取りに入った人が、帰りに夜遅くなると、不動の横の柳の木のところから町の入り口まで何かに化けてついて来たということもあった。
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キツネ,オサキ,ヤマイヌ 1954年 栃木県 喜連川町付近では、狐とオサキをあまり区別していない。日蓮宗の家はオサキを持っているといい、身延に行くと、男には雌、女には雄のオサキをつけてくれるという。また、山犬は三峯から借りるが、三峯の縁日の日にだけ姿を現す。ある人が山犬を馬鹿にすると、橋のところに現れたという。夜道で、山犬に姿を現してくれと頼むと、送ってくれたという。
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タヌキ 1990年 香川県 昔、夜中の3時頃ばくちを打っての帰り道で菅生橋にさしかかったとき、てぬぐいで姉さんかぶりをした娘さんに出会った。声をかけても返事がない。ふりむくと娘の姿はなく、青い目が光っていた。村の人に話すと狸の仕業だと言った。
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マメダヌキ 1966年 香川県 昔から豆狸が棲んでおり、いたずらをする。夜寝ていると人を起こしに来る。だまされて家の外に出た人は、あちこちを歩きまわり、気がついたときには思いがけない所で寝ていたり、人に声をかけられて気がついたりする。
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タヌキ 1975年 静岡県 「妻良の七坂・子浦の八坂。会いに来たもの帰さるか」といい、そこには狸のくぼがある。狸が人を化かし、女の人や地蔵に化けたりするが、大きい声を立てると消える。
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オオニュウドウ 1981年 京都府 六地蔵では奈良街道沿いによく狸が出た。林千賀さん(明治四十三年生まれ)は、子どものころ近所の青年が、夜になってからこの街道の町はずれで大入道に会った、と青い顔をして逃げ帰ってきたのを覚えているという。
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タヌキタイジ 1956年 宮城県 昔この地方では,夜更けに小川で小豆をとぐ音がしたり,藁を打つ音が聞こえたり,あるいは松明が灯ったり,どこからともなく花嫁の姿が現れたりした。殊によく三ツ目の怪物が出て行人を脅かしていた。ある夜,四郎八という豪胆な大力男が三ツ目入道と格闘し,取り押さえてみると劫を経た古狸だった。その後これらの妖異は絶えたという。
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タヌキ 1932年 兵庫県 300年前、洲本の三熊山頂上に岩と木で作られた穴に、柴衛門という大狸が棲んでいた。悪戯はするが人々に好かれていた。ところが土手を下った所に棲むこの狸の嫁のお増狸は嫌われていた。ある時2匹は連れ立って大坂に芝居見物へ行った。そこで雌狸は侍に殺され、雄狸は芝居小屋で正体がばれ殺された。これを知った洲本の人々は霊を慰め、島外へ出る時は三熊山山上で作っている狸の土人形で無事を祈る。
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テング 1980年 和歌山県 大きな松の木に天狗が出たという。天狗松と呼ばれる。星山橋の近くにも天狗がいたという所がある。
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シロギツネ 1941年 岐阜県 さる馬車引きの中年男から聞いた話し。丹生川村折敷地の方へ向かって峠を越えかかった時のこと。突然馬が動かなくなった。見ると、先ほどの山路の曲がり角に白狐が座ってこちらを見ていた。まもなく白狐は姿を消し、動けるようになった。この峠ではよく白狐がでるという。
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アズキトギ 1987年 長野県 昔,部落の真中を流れる川に「すくじの橋」という木の橋がかかっていた。秋の夕暮れの頃,ある村人が橋を渡ろうとすると橋の下から女のすすり泣くような声と,ショキショキと小豆をとぐような音が聞こえてくる。他にも聞いたという者があり,2,3人の若者が正体を見届けるため橋の傍の物陰に隠れることになった。夕暮れ時になると音がするので橋の下を捜したが何もいない。その後しばらく音はしなかったが,また耳にする者が増えだした。不思議なことに橋を渡ろうとすると泣声や音はやむのだが,通り抜けてしまうとまた始まる。振り返るとまた物音がやむ。いつの間にか「あずきとぎの女」と呼ぶようになった。
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タヌキ 2002年 香川県 太田のお宮の森に、お梅さんという名の狸がいた。裏宮の橋あたりを晩に通りかかると、頭にモバをかぶり松葉のかんざしをさして女に化けていたという。
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タヌキ 1976年 新潟県 1925年ごろのこと。材木を筏に組んで津川まで運んでいき、酒を飲んで帰る途中、夜道を行くと今まで無人だったところに、急にかすりの着物の女が現れた。これは化かしに来たんだと思い、少し行ったところの坂を下るときに、4mくらいある筏竿を道路にぶつけて脅した。すると狸がおどろいて田んぼに逃げ込んだので、それを捕まえたという。
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ウシオニ 1976年 島根県 雨が続き湿気が多い時、橋の辺に牛鬼が出る。ある人がそこへ行った時、白く光るものがひらひらたくさん飛んでいた。橋を渡るとそれがまとわりついた。近くの人家で聞けば牛鬼に会ったのだろうと言った。
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タヌキ 1922年 京都府 夜遅くいくと小川にかかっている土橋がない。狸が隠したなと思ってマッチをすると、橋ぎわにいた狸が驚いてやぶの中へ逃げ込んだ。すると橋がはっきりあらわれた。
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タヌキ 1940年 香川県 トーミの大石という所には、昔、狸がいて、人が通るといつも赤児を抱いた女に化けて出たという。
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スナマキタヌキ 1973年 香川県 すなまき狸は、昔、中節と黒崎の境の天神様の坂道で夜遅く空からばらばらと土を降りかけられたという。
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テング 1955年 岡山県 この村では天狗のいるところがあって、通りかかるとざわざわと木をゆするという。
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タヌキ 1933年 大阪府 明治の頃、深夜、車夫が客を乗せて走っている。ところが、橋もないのに渡ろうとして、そのまま川へ転落するということが多々あった。車夫は口を揃えて、橋があるように見えたと言うので、これはきっと狸がだましているのだということになった。
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