マンキチコロバシ 1956年 宮城県 明治の初め頃,烏頭ヶ浜部落に万吉という酒好きの若者がいて,七曲りを通るたびに狐に騙されて谷や沢をひきまわされ,土産の魚を攫われたりしていた。口惜しがった万吉は復讐を決心する。お薬師様の宵祭りの晩に酒に酔ったふりをして七曲りを通ると果たして男の姿をした狐が出てきたので,万吉は男を縁日の掛茶屋の奥に誘って酒や肴をたらふく馳走した。二人でグウグウ寝ていたが,万吉は相手が寝込んだ頃そっと起きだして茶屋の主人に「代金はあの男から貰うように」といって立ち去った。翌朝狐の正体が見顕されて大騒ぎとなり,棒で散々叩かれて命からがら逃げ出してきた。万吉は大得意であったが,二,三日後七曲りの崖下で万吉の墜落死体が発見された。以後そこを「万吉ころばし」と呼んでいる。
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キツネ 1938年 青森県 化け方を教えてあると人にだまされ、狐が叩き殺される。逃げた子狐が古狐から屋根の上で橇乗りすると人間が死ぬと教えられて実行するが、三年味噌をつけた金火箸で返り討ちにされる。
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キツネ 1960年 福島県 ある男が、狐がきれいな娘に化け、小鳥を赤ん坊に見せかけて爺さん婆さんをだましているのを見つけ、訴えたが受け入れられず、通りすがりの和尚の計らいで頭を剃ることで許してもらったが、実際には狐に毛を抜かれ、辺りの景色も一変していた。
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キツネ 1913年 和歌山県 昔、金剛院という山伏がいた。金剛院に驚かされた狐が仕返しに池の藻をかぶって金剛院に化けるようになった。ある時、他の山伏たちが金剛院に化けた狐を懲らしめるために袋叩きにした。けれども、化けの皮がはがれず、実は本当の金剛院だった。
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キツネ 1955年 山形県 嶽谷沢に狐がいて人を化かした。ある男が退治しに行き、化け方を教えてやると言って10匹ほどを袋にさそい入れて、殺してしまった。
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キツネ 1986年 石川県 「俺は騙されないぞ」という気持ちの青年に、狐が「嫁さんに化けて里帰りを演じて、馬の糞を牡丹餅だと言って食わせるから見とれよ」と言った。男が見ていると、帰りが遅いのを心配して探しにきた弟に声をかけられた。胡瓜畑で化かされていた。
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オトウカ,ボウズオトウカ 1982年 群馬県 化かした相手を坊主にする、坊主オトウカと呼ばれるオトウカがいた。三夜沢にお客に行こうとした人が、オトウカが泥で人形をこしらえておんぶして、行こうとしていた家に上がりこんだので、子供を取り上げて土間に叩きつけたら、死んでしまった。子供を殺したと言う事で、坊主になって勘弁してもらうことになり、頭をそられた。坊主オトウカに化かされていた。
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キツネ 1989年 鳥取県 法勝寺川のシオカラ土手の狐が化かして人の髪を取るので賞金をかけた。賀祥村の若者が行くと、狐が綺麗な娘に化けて蕪を赤ちゃんにして家に入った。若者が「化かされるな」と言って赤ん坊を囲炉裏に投げ込ませ、赤ん坊は焼け死んだ。家の人に追われた若者はお寺に逃げ込み、頭を丸めて詫び、木魚を叩いていた。気がつくと山中で木の根を叩いており、髪も切られていた。狐に化かされていた。
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キツネ 1933年 鳥取県 おこん狐という狐がよく人を化かした。ある男が川の中で網泥を一生懸命かぶっている狐をみつけたが、その狐が立派な女に化けて馬に乗せてくれという。馬に乗せて連れて帰り、火であぶったので、狐は正体を現した。人を化かさず、ここにすまないことを約束して許してやった。数年後、伊賀の山辺で娘に化けたおこん狐に会った人があるという。
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キツネ 1970年 福島県 麹屋のおとっつあまが山で狐にあい、おれは白河の石地蔵だといって、袋をかぶって狐からは石地蔵に見えるように化けた。麹屋は狐をおいらんに化けさせて吉原へ入れた。狐は飲んだり食ったりしたため、お客様の所で狐になって寝ていた。狐は殺されそうになって逃げて来た。そして、白河の石地蔵のところへ来て、おれをばかにしてといってゆすぐったが、あまりゆすぐったから石地蔵様の下になって死んでしまった。そして、人をばかにする狐がいなくなった。
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キツネ 1938年 長野県 狐に化かされた話を聞いた男が狐を取りにその山へ行った。きれいな女の人が来て、その頭に雉がとまったので狐だと思い、その女の家へ行ってみるとその父が怒って男を煮立った湯の中へ入れた。男は熱いと叫んで駆け回ったが、それは農家の豆畑を駆け回っていたのだった。
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オトンキツネ 1935年 鳥取県 昔因幡国立見峠の古狐は里人を騙して頭をつるつる坊主にするというので恐れられていた。村の若い者がある日退治することとなり、2人で立見峠に出かけると黄金色の古狐がぶらぶら歩いていたが、やがて若い女に化けた。そして道端の石地蔵を抱き上げ川の水草をつけると赤子となった。それをおんぶして歩き出したので、後をつけると女は一軒の老夫婦を起こし、その子を抱かせた。老夫婦は孫だといって喜んでいたので、見てきた話を聞かせたが信じないので湯に赤子を投げ込んだが、赤子は死んでしまった。年寄り夫婦が怒っているところへ和尚が通りかかり、2人を剃髪して弟子とした。2人は一心に礼拝して木魚を鳴らした。夜が明けて村の人達が立見峠にくると、2人の若者が草野原に座り、竹櫛に馬糞を貫いたものを打ち振って騒いでいた。おとん狐のしわざである。
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キツネ,シゲダ,ヒヤシバ 1976年 山形県 肴屋の平吉が商売を終え、「しげだ」と呼ばれる場所に差し掛かると、女房が子供を背負って迎えに来た。平吉が売れ残った蒲鉾を子供に与えると、次々とかなりの量を食べた。女房は左脚が跛(びっこ)だったが、目の前を歩く女房は右足を引きずっていた。狐に化かされたと思った平吉が天秤棒で薙ぎ払うと、狐は正体を現して逃げていったという。
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キツネ 1987年 岐阜県 狐があまり悪さをするので、切立にいた猟師の人がつかまえてからマタタビとハサミでこらしめてからというもの、狐に化かされたという話はきかなくなった。
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キツネ 1985年 山形県 法事の帰りに土産を持って帰っている人が狐に化かされた。その人は山の真中の薪が積んであるその上で寝ていて、目を覚まして下りてあばら骨を折ったという。
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キツネ 2005年 愛知県 黒山には沢山の狐がいて人を化かした。ある日村人が三人で薪を取って帰ろうとすると,この坂に娘がいた。道に迷ったと言うので荷車の上に乗せてやると,振動に耐えかねて狐の正体を現した。村人達が許してやると,その後は狐に化かされる事がなくなった。
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タロベエキツネ,キツネ 1929年 島根県 悪戯をする太郎兵衛狐がいた。あるとき和尚が林の中にある太郎兵衛の家に行き、和尚の持つ寶頭巾と、太郎兵衛の変化自在の「玉」を交換しないかと持ちかけた。寶頭巾で何にでも化けられると思った太郎兵衛は、その話に乗った。しかし、「玉」を奪われ頭巾も効力がないと知り、無念の日々を送るようになった。
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キツネ 1938年 青森県 人間に化けた狐が物持の娘を嫁にもらおうとするが、正体が露見して皆殺しにされた。逃げた狐が仇討ちのために屋根の上で橇乗りしようとするが、杵に油を塗って焼いたもので尻を疲れて殺された。
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キツネ 1979年 長野県 小さい頃に狐に化かされたという話を聞いた。ある人がニシンを買って帰っていると、大きなジャンボンをやっているので見て、それから帰ろうとすると狐にだまされ家に行かずに山の方へ行ってしまった。背負っていたニシンは全部食べられ、着物もぼろぼろになって発見された。夜中中歩き明け方になると正気になったという。
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キツネ 1999年 宮崎県 船引の男が、坂本という所で、狐がサルカクの葉を松葉で繋いで被ってきれいな娘や坊主に化けるのを見た。ついて行ったら化かされた。
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