ムヂナ 1938年 岐阜県 雨の降る晩傘をさして坂を登っていると傘が急に重くなった。登りきるとまた軽くなった。また、背中の荷物が重くなることもあった。狢の仕業だという。
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キツネ 1977年 神奈川県 拝みをあげていると、急に背や肩や膝が重くなることがあるが、これは、キツネが飛び乗ったからなのだという。キツネはこうして行者をいじめるが、行者に神通力があると、キツネは憑いていた者から離れる。
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キツネ 1987年 山形県 話者が本家から帰る最中に狐に会い、深い霧のようなおならをかけられた。するとなにもわからなくなり、足にひどい怪我をしていた。狐の仕業。
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キツネ 1982年 三重県 昔山を買いに来た人がいて、夜遅くなってしまった。川の向こう岸へ行くのに浅く見えたので、川を渡ろうとした。少し行くと水が胸のところまで来てどうしても渡りきれないので、川の中をあっちこっち引っ張りまわされてとうとう一夜明かした。きっとキツネにだまされたのだということである。
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アシマガリ 1956年 夜道を行く人の足に綿のようなものがからみついて人を苦しめることがある。狸の仕業とも。
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キツネ 1977年 秋田県 年をとり頭のぼけた人が山菜取りに行き、歩いているうちに川が逆流する感じがしたり、寒気を感じたり、木を伐り倒す音を聞いたりして、自分がどちらに歩いていくのかわからなくなり、山の中を夜通し歩いた。キツネが朝になったら離れて、帰ってこられた。
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カッパ 1980年 豊前国に河幅が広く徒歩で渡る川があり、夜に渡ろうとすれば必ずかっぱが出て相撲を取ろうとする。小笠原信濃守の家臣・大つか庄右衛門の家中に力の強い者がおり、相撲を取ったところ、かっぱは動きが早く、また捉えてもウナギのようにすりぬける。そして全身針のように尖っていたので傷だらけとなり、その者は病気になってしまった。
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キツネ 1985年 山梨県 向こうに知っている人がいたので、ついて行ったら、山の方へ行ってしまった。その後一生懸命ついていったら、夜が明けてしまった。そして山から降りたら服がボロボロになってぼけた顔をしていた。
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キツネ 1990年 長野県 仕事で山へ行った帰りに暗くなってしまい、いくら歩いても山から出られず同じ道を歩いていたことがあった。きつねに化かされたのだろうという。
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カマイタチ 1998年 新潟県 夜遅くに玄関先で車を降りようとすると、足首に痛みが走った。見てみると出血はしていなかったが、肉が切れていた。かまいたちであろう。
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キツネ 1973年 岩手県 橋を渡ろうとしてもどうしてもだめで考え込んでいた。通りがかりの知人に声をかけられて、やっと気がついた。狐の仕業。
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オンネン 1938年 福島県 ある年の旧2月18日の晩、山小屋で夕飯を食べて寝ていると、死者の怨念が来て、胸を押さえつけられた。苦しくて足を伸ばすと、ちょうど囲炉裏の蹴った。すると、たちまちなおった。山で死んだ人の怨念の仕業であろうという。
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タマシイ 1982年 新潟県 野良や山へ行って死んだ場合、遺体は家に運んでも魂はそこに残るといい、3日から1週間は身内のものが、「おぶさって家へあべ(行こう)」といって、帯で背負う所作をして家へ戻った。魂がおぶさったときは重く感ずるという。
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ヒダルガミ 1931年 奈良県 執筆者の弟が友人と3人で生駒山から信貴山へ遠足の途中、生駒山中で急に眼がくらんで歩けなくなった。友人に運んでもらい、その地を離れると急に元気になった。
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(リンシタイケン) 1982年 群馬県 川を渡ろうとしたら、何者かに足を引っ張られた。
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ナニカ 1986年 石川県 夕方、発電所の辺りで何かがのしかかるように頭が重くなる。石がボタボタ落ちる音がしたり、提灯の灯が消えたりもする。
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ダニ 1926年 和歌山県 山道を歩いていて、人間の餓死した亡魂が憑くことをダニツクと言い、憑かれると疲労を感じ、足が立たなくなる。
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テング 1943年 山形県 ある夏の非常に月の良い晩、1時半頃に大勢の人が声高に喋りながら登ってくる声が聞えたが、翌日尋ねてみるとそんな者はいなかったといわれた。天狗の道中というものだろうと気味悪くなり、それからしばらくは夕方になると妙に淋しい気分になって困ったという。
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オオカミ 1974年 愛知県 夜遅く山仕事から帰ってきた人が、狼に送られた。こんな時はどうすればいいかを聞いていたのを思い出し、しょいこの長いほうのひもを切るといなくなった。
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ロウジン,ムジナ 1964年 福島県 夜、さびいしいところを通りかかると、行く手に白いひげの老人が白い着物に麻裏をはいて立っていた。それからは、たった1町の距離をなぜか2時間半もかかったが、おおまがりを通るときその老人がついてきて、痛い痛いと腰をのばしたら、急にその人よりも3尺も身長が高くなった。むじなだろうということである。
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