ニュウドウボウズ 1933年 長野県 峠を登っていたら、今までよい天気だったのに俄かに真っ暗闇になった。すると入道坊主が現れ、怖くなって逃げ出した。これを聞いた村人は、狸か狢の仕業だろうと噂した。
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ヘビ,タツ 1980年 いたこの里にいる庄兵衛という男の庭に、桃の木がある。その木に1匹の小さな蛇がするりと上り、尾を枝につけて竿のごとく立ち上がった。そして突然煙を吐いたところ、風が吹き、消えてどこに行ったか分からなくなった。これはたつ(龍か)の化けたものであろう。
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キツネ,タヌキ 1981年 和歌山県 昔、雨の夜中に白と青の浴衣を着て蛇の目傘を差した女の人が目の前を通ってぱっと消えた。狐か狸の仕業。
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タカボウズ 1983年 愛媛県 飛梅天神社の北にある竹薮の中の小道に白い着物を着た小坊主が出た。見ていると大きくなり、そのまま消えてしまった。
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ミコシニュウドウ 1939年 神奈川県 ある男が夜、ドヤ(山の入合)で大入道に出会った。緋の衣を着て背は1丈もある。出たな、とばかりに男はどっかりあぐらをかき、草履を交差させて頭上に載せ、キセルに火をつけた。そうして煙草を吸っていたら大入道は消えてしまった。
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ダイジャ 1982年 滋賀県 松の丸太のようなところに腰掛けて煙草を吸っていたが、お尻がむずむずする。見ると大蛇の上に座っていたのだった。大蛇を見に行く人がいたが見られなかった。
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ヘビ 1985年 山形県 目の良く見えない坊主が山の中で道に迷い、山中の洞の中で泊った。退屈なので持っていた三味か琵琶かを弾いていると、若い娘がやってきた。聞かせてくれと言う。一通り語り終わり、娘に正体を尋ねると蛇だという。子分の蛇もいて、食べ物がないので洪水を起こして村を全滅させて村人を食うつもりという。村に下りてから村人にそれを告げ、村人は対策を講じて蛇は死んだという。坊主は告げ終わると死んでしまったので、それを祀った。
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ノッペラボウ 1991年 香川県 ある日の夕暮れどき、男が首切峠を心細く歩いていると、先方に一人の墨染めの衣を着たお坊さんが歩いていたので近づいたところ、坊さんは目も口もノッペラ坊であったという。
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タカボウズ,タヌキ 1998年 奈良県 日が暮れた帰り道、何気なく川の方を見たら、真っ黒な高坊主が2人立っていた。狸が高坊主に化けて立っていたのである。
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ミコシノニュウドウ 1989年 長野県 村外れには大きな森があり、そこを通らないと隣の集落へは行けなかった。そこを夜に通ると古坊主が出てくる。はじめは小坊主だが、だんだん大きくなり、いろいろ物を巻き上げるという。だから、小坊主が出てきたら「みこしの入道」とか、「お前より先に見越したぞ」というようなことを言う。すると大きくなれないので消えるという。道を通る人があるたびにそう言われるので稼ぎがなくなり、余所へ引っ越したという。
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ノッペラボウ 1985年 香川県 日も暮れかかる頃、男が首切り峠まで帰ってきた。気味が悪いのでつれがいないものかと思っていると、前にお坊さんが歩いていた。呼び止めて、振り返ったお坊さんの顔は、ノッペラ坊だった。男はもと来た道を走って逃げた。
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ムシャ,ヨウカイヘンゲ 1923年 愛知県 雨のふる夜、帰る途中で提灯の火が消えた。何気なく一本杉の方を見ると、騎馬武者一人と百人ばかりの控えの者が手に手に松明を持って妙感寺のほうへ行くのが見えた。すべて妖怪変化の相貌であった。あわてて隣家の人と共に見るとその方に火があがってすぐ消えた。
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タヌキ 1970年 高知県 浜に下りたところに坊さんの姿をした男がいた。見ていると波が来たらあとすざりをしていた者がそれをやめて、川に沿って上って行った。後をつけたがどこかに消えうせてしまった。おそらく狸の仕業だろう。
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キツネ 1998年 千葉県 中学生が夏休みに故郷まで歩いて返る途中、峠で日が暮れ、風景はいつも通りなのに道が無くなっていた。砂をかけられる感じがして、狐にやられたと直感し、用意していた煙草を吸うと怪しい雰囲気は消え無事に帰れたという。
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ニュウドウボウズ 1937年 愛知県 ある雨の夜、猟から帰ってくる途中で、安倍助佐衛門が玉坂でお寺の和尚さんらしい者にあったが、近づくとそれが大坊主になった。入道坊主だと判断して、助佐衛門は鉄砲をうったら消えたという。入道坊主に逢う時は、初めは3尺ほどの小坊主だが、近づくにつれて大きくなり、1丈くらいになる。先に入道から「見ていたぞ」と声をかけられると、こちらが死ぬという。狸の仕業であるともいう。
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オオニュウドウ,キツネ 2002年 愛知県 ある人が日暮れ時に長谷の池のそばを通りかかると急に自転車が重くなった。変だと思い後ろを見ると小坊主がすわっていて、みるみるうちに大坊主となった。これは大入道に違いないと思い石を拾って下の方に投げつけると変な声を出して消え、犬のようなものがぱーっと走っていったという。
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ミアゲニュウドウ 1937年 新潟県 夜中に小さな坂道を登っているときに多く出現する。初めは小坊主の様な形で行く手をさえぎり、見上げると高くなり、ついには後ろへ仰向けに倒れるという。これに気づいたら、「見上げ入道見こした」と唱えて前方へ打ち伏すと、消え去るといわれている。
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ノッペラボウ 1958年 香川県 日暮れに峠道を歩いていると、前方に坊さんが歩いている。声をかけると、目も鼻も唇もないノッペラボウであった。
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テング 1976年 中国・秦州 秦州で、ある夜人に呼ばれて歩いていると煙に包まれ、突然山の頂に出た。そこでは数人が会食しており音楽が流れていた。盗賊かと思い人を集めて戻ると、それは消えていた。神仙の仕業だろうか。日本の天狗のようだ。
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ヘビトカエル 1956年 宮城県 薬売りがある晩、田んぼ道を急いでいると、1匹の大蛇がビッキ(蛙)を今にも呑もうとしていたので、「そのビッキを逃がしてやったら俺のオガダ(嫁)にしてやる」というと蛇はビッキを放した。3日ほどあと、17,8の美しい娘が薬売りの寝所に来て「あなたのオガダになるから側に寝させてくれ」と裸になって床に入ってきた。次の晩から毎晩同じ時間にやってきて、だんだん薬売りはやせていった。ご祈祷しても治らず困っていたところ、ある夜少し年取った女がきて、「わたしは助けてもらったビッキだが、今夜あの娘がきたら、今自分は病気で苦しい、それを治すために辰巳の方角の山にある大きな木のワシの卵をとってきてくれ、と言え」と話して去る。薬売りがそのとおりに言うと、娘は蛇となり木に登り卵をとろうとしたが、枝が折れて下に落ちていくところを大ワシが飛んできて蛇の目をついて殺した。それで薬売りの病気は治ったが、蛇は執念深いものだということだ。
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