カミ,タキツボ,クモノバケモノ 1955年 秋田県 三人兄弟の乳が病気になり、ならのカラナシが食べたいと言った。太郎が滝壷にたくさんなっていたのを取ろうとすると、「だんだ、とんのは」と叫ばれて滝壷に飲まれた。次郎が滝に行くが、水を飲もうとして吸い込まれた。三郎が行くと今度は蜘蛛の化物が出てきたが、これを退治した。すると左の鼻穴から太郎が、右からは次郎が出てきた。
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オニ 1941年 朝鮮 ある兄弟の乞食がいた。兄は心がよくなく、弟は良い心の持ち主だった。弟が物を沢山貰うのを妬み、兄が弟の目を棒で突き刺し、弟は盲目になった。ある日弟は固い栗を拾い、ある空き家の二階で休んでいると、鬼が目の癒し方を話している。弟が栗を囓ると音が大きく、それに驚いた鬼たちは逃げた。弟は言うとおり木の葉で目を洗うと目が見えるようになり、鬼たちの置いていった宝で大金持ちになった。兄も同じように目を潰し弟のようにしたが、逆に鬼に殺されてしまった。
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サンボンツジ 1956年 宮城県 昔、兄弟三人がいた。一郎治は長男で少しこったんなかった(馬鹿だった)。二郎治はおとなしくて心持がよく、三郎治は一番気が強かった。一郎治が20、二郎治が18、三郎治が16のとき、父が「3年暇をやるからそれぞれ出世して帰って来い」といった。一郎治は人語を話すぶっ欠けお椀と組んで泥棒の名人に、二郎治は拾ったへらこ(これも人語を話す)でお姫様の病気を治してその婿となり、三郎治は偶然に大蛇を退治して殿様に喜ばれ、さむらいとなって悪者を退治する役につけられた。3年め、明日は故郷へ戻るという日、長者の家に泥棒が入り、三郎治が探索して汚い泥棒を捕まえるとそれは一郎治であり、訴人であった長者の婿は二郎治だった。早速故郷から早やかごで呼び寄せられた父は大いに驚いた。
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ハチロウガタノヌシ 1983年 岩手県 兄弟3人で釣りに行き3匹の魚を釣った。それを末の弟が1人で食べてしまったら、無性に喉が渇いて池の水まで飲み干してしまい、山が崩れて海になった。それが八郎潟で、末の弟はその主になった。
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ヤマネコ,ニタンボージ 1966年 鹿児島県 ある所に3人兄弟が暮らしていた。長男が北向きのニタ(猪が水浴びする水溜り)にユマチ(夜待ちの猪射ち)にいった。北向きのニタにはニタンボージという妖怪がいるのでユマチはタブーになっていた。長男は帰らず、次男は敵討ちに行ったがまた帰らなかった。三男は鉄砲に7発の弾を込めて頭には釜をかぶって例のニタに出かけた。すると月のように大きく光るものが2つ襲ってきた。釜のおかげで三男は助かり、相手を倒した。夜が明けて見るとそれは大きな山猫だった。それを煮るとその肉は全部シラミになった。
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カエルニョウボウ 1955年 新潟県 昔、山で蛇が蛙を呑んでいた。兄ちゃんが蛇を殺して蛙を助けると、蛙は姉さんになって兄ちゃんの嫁になった。
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コウガサブロウデンセツ 1987年 長野県 昔,蓼科のすえの村に甲賀太郎,二郎,三郎という三人の兄弟がいた。三郎の嫁が美しいのを嫉んだ兄達は,三郎を蓼科山の頂にある岩穴に連れ出し,竜宮まで繋がっているから入ってみようと言って三郎を先に入れ,騙して穴に落としてしまった。気がつくと三郎は竜宮の御殿に寝かされていた。そこには食べ物が沢山あり,庭には一年中花が咲いていた。三郎は竜宮に13年間滞在した。
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バケモノ 1955年 青森県 3人兄弟が山仕事をしていると奥のほうから歌声が聞こえてくる。長男と次男は逃げたが、3男は我慢していた。すると化け物が近よってきて負ぶさってきた。そのまま家に連れ帰り上がりかまちに下ろすと、それは大金であり3男は大金持ちになった。
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バカムスコトカゲボウシ 1956年 宮城県 老夫婦に息子が3人いて、兄はたいへん利口、中の兄は中くらい、末っ子は馬鹿だった。上の2人はよく稼ぐから婆もひいきで、羊を2匹買って1匹ずつ任せた。あるお天気の日に兄たちは羊に草を食わせに行き、末子は婆の作った団子を届けにいった。途中、末子の脇の方を痩せた病人のような奴がゆーらり、ゆーらり歩いているので、末子はわかいそうに思い、団子を食わせようとした。しかしさっぱり食おうとしないので、竹で土の中へ埋めて歩き出した。ところが今後は痩せた奴が後から歩いてくるので又団子を土に埋めた。どこまで歩いてもその痩せた奴がついてきて、その度に団子を食わせたので、兄たちのいる山に来た時は団子がなくなってしまった。その話を聞いて兄たちが言うには、「そいつは影法師といって、お天気のいいときにゃ、いっつも出るのさ」といって、家に帰ってお昼を食べたという。
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ヘビ,カンノン 1989年 長野県 じんがの下に住んでいた医者が、村人の栄養不良を憂えてねずみなど捕って動物性たんぱく質をとるようにすすめた。するとその家の老爺の夢に蛇が現れ、自分たちの餌が無くなるから止めろと言った。しかし止めなかったところ、医者の息子が蛇に底なし沼に引きずられそうになった。助かったが、その日の夢に蛇が出て今度は「止めないと皆殺しにする」と言った。村人は蛇を退治することにして、護摩を焚き観音を頼むと、蛇が雲を引いて舞い上がったという。後に医者の老爺は亡くなったという。
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キツネ 1940年 滋賀県 男が山へ栗拾いに行った。ところが、狐の穴の周辺に落ちている栗を拾ったことで狐に憑かれてしまった。そこで、餅と鰊などを持っていって狐に詫びたところ、治ったとという。
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オニ 1939年 長崎県 ある3人兄弟のところへ母親に化けた鬼がやってきて、一番下の子を食べてしまった。上の2人は天から降りてきた鎖につかまって逃げた。同じように鎖につかまった鬼は、途中で鎖が切れて、落ちて死んだ。
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ホトトギス 1974年 長野県 兄が病気で寝ていると弟がホドイモを持ってきた。兄は弟の食べ物をうらやみ弟の腹を裂くが、中はホドイモの皮ばかりだった。自分は皮を食べて、よい部分を兄に食べさせていたのだった。悲しんだ兄はホトトギスになり、「ホッチョカケタカ、オトットキタカ」と鳴く。
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ダイジャ 1932年 長野県 智や姿が二人の兄に勝っていた甲賀三郎頼方が、魔神にかどかわされた妻を助けるため蓼科山の岩穴に潜ったが、兄たちの陰謀で出られなくなった。岩穴の中で神の栗餅を食べて人間でなくなった頼方は、大蛇の姿となって諏訪湖へ入った。
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リュウ 1934年 秋田県 昔、兄弟が淵の底から朱を取って暮らしていた。弟は朱を独り占めしようとして、一計を案じ、兄が淵にいけないようにした。その後、弟が朱を取りに行くと、弟が作って置いた竜が生きていて、弟を飲み込んでしまった。
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オニ 1985年 和歌山県 昔、八木尾の村に夜な夜な9匹の鬼が来て里人を悩ましていた。それで、郷士が鬼退治に行って8匹の鬼を退治した。大将鬼である残りの1匹は助けてやった。そのお礼に鬼は、雷を落とさないことと蛭が人に食いつかないようにすることを約束した。
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サルノヨメゴ 1956年 宮城県 昔、ある家に娘が3人いた。ある年の日照りに、どこの田にも水がなくて困っていると、1匹の猿が来て、「あんたの田に水をいれてやるから、娘を誰か1人くれ」というので父が承知すると、猿は忽ち水をためる。父が猿との約束を心配していると、末の娘が快諾して猿の嫁となる。2,3日後、猿と娘がお舅礼に来る途中、藤の木の前で、父にこの藤の花をとっていきたいと娘が言う。猿は木に登ってとろうとし、娘がもっと先というのにつられ、先まで行った。するとからまった藤のつるが木からはなれて猿は川の中に落ち、娘は無事家に帰ってきた。
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オセンガフチ,ダイジャ 1987年 長野県 昔,この村に何処からともなく三人の姉弟が移り住んできた。上からお仙,庄兵衛,金次郎といった。ところがその後,これまで平和だった村で毎晩のように家畜が盗まれるようになり,後には大蛇のものと思われるような蛇のうろこが落ちていた。三人兄弟が実は大蛇の化身で,盗みの犯人だとわかり,村人達は退治の相談をしたが,大蛇のたたりを恐れ,三人を神様として祀って封じ込めることにした。お仙はお仙ヶ淵,庄兵衛は築地原の菖蒲池,金次郎は金次郎池に祀られ,年に一回ずつお祭りを行った。するとその後,家畜が盗まれることはなくなったという。
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オニ 1991年 鹿児島県 姉弟二人のうち弟がいなくなった。集落の人が弟は鬼になって山にいると言うが、姉は信じようとしない。握り飯に針をさしたものを作り、それを食べるなら鬼だと教えられその通りにすると、全部おいしいといって食べた。姉は本当だと信じ、逃げると鬼が追いかけてきたが裏白のしげみにかくれて難を逃れた。また、ススキの根の赤いのは鬼の血だともいう。
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バケモノ,キン 1953年 青森県 化物が畑で大根をワリワリと食っていて、オボサリタイ、ダガサリタイと言っていた。兄2人は恐ろしがって逃げたが、末の弟がオボサリタガラァオボサルベシと返事をすると、のつっり負ぶさったので家に帰り、座敷に下ろしてみると三叺の金であった。兄弟3人は仲良くわけた。
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