イシブロ 1930年 山口県 島に海賊が多くいた頃、城主の娘が悪い病気に罹り、何年も治らなかった。あるとき、部下のひとりが石風呂の話をし、これに入るとたいていの病気が治ると言ったので、早速城山の西麓の日当たりの良い場所に石風呂を作った。数十日の療養の後、姫の病気は治り、城主は一般人にもこの石風呂の使用を許可した。その後、非道な男が金ほしさからこの石風呂で尼を蒸し殺してしまった後は、さっぱり高価がなくなったという。
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ヤクシサマ 1990年 長野県 信濃の国司・源重之という人が眼が悪くて困っていた。そこで白糸温泉に入って眼を治そうとし、庵を建ててお薬師様にお参りしながら眼の治療のために毎日お湯へ通っていた。すると、眼が治ったので、お礼に五反歩ほどの広い土地を下金井に寄進したという。
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センニンヅカ,(センシシャノタタリ) 1989年 長野県 織田信長が攻めてきたとき、城主・上沼左近は千人塚で戦死した。戦で出た死者や武器などを埋め、千人塚にした。ここに草刈りに行って刀・鍔や鏃を拾うと瘧になるという。
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ノギツネ 1973年 群馬県 上野国に幸菴と号する白頭の翁がいた。彼は128歳といい、常に仏説で人々を教諭し、また人の吉凶禍福や将来の事を的確に答えたという。しかしある時、入浴しようとした湯が熱かったため、彼が飛び上がったのを見ると、全身に毛が生え、尾がある老いた野狐だった。
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セイシノセトギワ,ユウカイ 1949年 新潟県 大病を患って、生死の境をさまよっているときに、裸になって寺に行こうとした自分の夢を見た。その姿をとがめられると、自分もやっと裸であることに気づき、寺はなく裏の道をとおると、そのまま生き返ったという。
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オノノコマチ 1960年 京都府 下豊富村に「小野わき」というところがある。昔はここに霊湯が湧き、小野小町が冷え症の治療に来ていたという。そのとき小町が小便をしたので、他では見られない花が、今でもこのあたりに生えると言う。
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マツモリジョウ 1956年 宮城県 一名を鴻ノ館という。伊達政宗が国分盛重をこの城に攻めたとき、入沢乙から水を運んでいるのを村の一老人から聞き、水の手を絶ったが、城方で水を流して馬を洗うのが見え、不審に思っていると鳥が(水にみせかけた米に)群がり集まったため計略がばれた。その日は正月三日で、政宗方の門松が折れたので、家老が不吉の前兆であるから城攻めを見合わせて欲しいというと、政宗は松が折れたのは松森が落ちる吉兆だとして一気に攻めおとす。水の手を教えた老人は祟りをうけて死んだ。
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カイチョウ,テング 1920年 兵庫県 鉄砲名人の藤太郎は、領主に賜った金銀の弾丸で怪鳥をうった後、謎の病にかかり有馬温泉へ入湯した。隣の部屋の足の悪い客人と四方山話の最中、藤太郎が鳥のことを話すと、客人は怪鳥へ変わった後大天狗になって睨みつけた。数日を経ず藤太郎は死んでしまった。
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ヤマグモ 1933年 京都府 夏の頃、頼光が瘧病を患った。ある日の夜更け頃、燭の影から長さ7尺ばかりの法師が歩み寄り、縄で頼光を捕まえようとするので頼光が刀で斬りつけた。血の跡をたどると、北野の裏の大塚の中で4尺ばかりの山蜘蛛がうなっていた。頼光はこれに取り憑かれたために病になっていた。
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キツネ 1938年 長野県 狐退治を頼まれた武士が狐に「仲人をすることになったが嫁を連れて行った先で風呂へ入れといわれると困るので、そのときだけ入れ替わってもらえないか」と頼まれた。継ぎの砒素の通り入れ替わって湯に入り、気が付くと野溜の中だった。
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ボウレイ 1933年 鳥取県 昔々、秀吉の時代にあった大富豪があった。家の主人が金銀大判小判を埋めに行ったとき、それを負っていった下男を口封じに殺し、供養のために墓を建てた。その墓から下男の亡霊が現われることがあり、幽霊墓と呼ばれた。
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オノノコマチ 1976年 秋田県 小野小町が疥癬にかかり、桑崎の寺田の薬師堂に篭って清水で洗ったところ、たちまち治ったと伝えられている。
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キツネツキ 1954年 岡山県 宇喜多秀家の妻に狐がついたという。宇喜多秀家の妻は秀吉の養女であったこともあり、秀吉は朱印状をもって伏見稲荷に秀家の妻の狐を早く退去させよ、さもなければ当社を破却するだけではなく狐を皆殺しにする、と命令を下したという。
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ゼンキ,ゴキ 1940年 奈良県 柿阪秀元死の家では節分の夜には玄関にすすぎ水をとり、奥座敷に床を敷いて鬼の来て宿る用意をする。この家では鰯の頭を柊にさすことはせず、豆まきは「福は内鬼は内」という。この家は前鬼、後鬼の子孫といわれている。
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セキノカミサマ 2000年 神奈川県 風邪で死んだ旅人の塚があり、咳の神様とされていた。風邪を引いた時はご飯が炊き上がるまでのあいだに拝みに行けば治ると言われていた。
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スイジン,オニ 1974年 宮崎県 肥前国で誤って銃で水神を撃った後、何事もなかったが、そのことを話したら病になって死んだ。
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イドニカンスルゾクシン 1940年 神奈川県 井戸を屋内に設けると、病人が出るという。また、便所の側には南天を植える。卒倒した時に、南天に指先や着物の端がふれると命が助かるためだという。
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イチョウ 1989年 長野県 ささ竹の中に石地蔵があり、そこには大きないちょうの木があった。この木にいたずらすると瘧にかかって熱が出るといわれていた。実際、村松家の老人が掘り出すと大熱が出て、村人は大変驚いたという。
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キツネ,タヌキ 1983年 東京都 下総国印旛郡佐倉の城主・堀田備中守正篤の渋谷の下屋敷に来ていた医師三輪玄春が、夜中に浮かれ出て行方がしれなくなり、数日後に下屋敷の中山深く草むらの中で死体が見つかった。これは狐狸に騙されて精気を吸われたものとされたので、城主が怒り、狐狩りを行ったという。
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ウジガミ 1998年 富山県 重体になったとき、氏神が白衣を着た高貴な女性の姿をして夢枕に出た。その後回復したので、深く信仰していた。神戸まで参詣に行ったが、効験ありすぎて戦災死した。
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