クビノセジゾウ 1931年 大阪府 昔高野山通いの道の途中に休憩所として辻堂があったが、そこでは夜な夜な奇怪なことがあった。ある夜、通行人は化生の者を討ち取ったが、夜が明けてみるとそれは石地蔵であった。以来、その地蔵は首截地蔵と名づけられ、諸祈願に験があるそうだが、截られたときの太刀疵が現にあるという。
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アワモチジゾウ 1948年 静岡県 南北朝時代、毎夜火を灯して奥山城の前に立っている者がいて、不思議に思った家来が見に行ったが、待っているうちに眠ってしまった。ふと目を覚ますと目の前に立っていて、家来は忍び寄り、切り下げて逃げ帰った。翌日その場所に行くと、地蔵が肩から切り下げられ、二つになっていた。この地蔵は猪を防ぐために建てられたものだが、家来が切って以来、火を灯して辻に立つことはなかった。地蔵尊を新しく作ったが、また同じように二つになってしまった。それ以来、何回作り変えても同じようになるという。
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ジゾウ 2001年 東京都 地蔵が毎夜化けて通行人をおどかすので武士に切られて、首がない。
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クビナシ・クビキリジゾウ 1986年 埼玉県 地蔵が化けて出て首を切られた。
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ジゾウ 2001年 徳島県 峠の地蔵堂の地蔵が化けて旅人をおどし、棒で殴られて首を落とされた。
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ケサキリジゾウ 1956年 宮城県 昔,竜雲寺山門前に石の地蔵が立っていたが,この地蔵は真夜中になると大入道になって通行人を脅かすので,人通りが稀になってしまった。ある夜梁川庄八という浪人侍が通りかかるとやはり大入道が現れたので,庄八が切りつけるとカチンと音がして化物は消え失せてしまった。翌日行ってみると,右肩を切られた地蔵が立っていた。以後柳川庄八袈裟切りの地蔵と呼ぶようになり,今でも祀られている。大入道は狸が化けたのだろうという。
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バケジゾウ 1918年 栃木県 旧足利藩戸田家の小林某の仲間が、夜三重村大字五十部を通りかかると、怪しい変化が現れたので真っ二つに切りすてた。翌朝調べたら首のない石地蔵であった。それ以来化け地蔵と称して今も御本尊になっている。
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クビナシウマ 1974年 愛媛県 がき塚に昔、首なし馬が出た。今は手がいくつもあるお地蔵さんがあるが、馬が転んでお地蔵さんができたともいう。実川にも首なし馬が出るというところがあり、そこは昔死んだ馬を埋めた馬捨場だったという。
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ウシイシ 1943年 岐阜県 昔、小泉村大原の明神様へ牛を挽いてきたところ、牛が動かなくなったため、牛挽きがそれを怒って斬ってしまった。その牛は石になり、切られた首も前に落ちたまま石になったのだという。
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イウナリジゾウ,(ユメノオツゲ),(タタリ) 1990年 長野県 言成地蔵という地蔵堂の前は、馬で通る人も必ず降りて通る習わしになっていた。ある時、侍が馬で通りかかったので馬子が下馬するように言ったが、侍はそのまま通り過ぎようとし、地蔵の前で落馬した。怒った侍は地蔵を袈裟懸けに切った。切られた地蔵は新福寺の和尚の夢枕に立って傷口を布で巻いてくれと頼んだ。今でも地蔵は袈裟でしっかりと巻かれているが、これを見たものは目が潰れるという。斬りつけた侍は、病死した。
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クビオレジゾウ 1940年 新潟県 石地蔵の首が取れてしまった。首を落としてしまった若者は退散してしまったが、村の婆さんが丁寧に繋いで堂の中に入れておいた。一年後その首は取れた後がない程、元通りになっていた。
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オユジゾウ 1960年 青森県 湯の沢にある「お湯地蔵」は、以前誰かの悪戯で首がもげてしまった。通りかかった人がもげた首を胴の上に載せておいたら、いつのまにかひとりでにくっついてしまった。
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キラレジゾウ 1937年 愛知県 よく旅人が切られるので、そのあたりの人が地蔵をたてた。ある日、この地蔵のあたりを旅人が通りかかると、後から切りかかるものがいて懸命に逃げた。翌朝その場所へ行ってみると、切ろうとしたものが倒れていて、地蔵が真二つに切られていた。
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ジゾウ 1931年 大阪府 地蔵堂の陰に隠れていた盗賊が、通りかかった地蔵信仰者の首を一刀両断した。しかし、切れていたのは地蔵の首で、これを見た盗賊は心打たれて倒れ伏した。
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キツネ 1970年 福島県 麹屋のおとっつあまが山で狐にあい、おれは白河の石地蔵だといって、袋をかぶって狐からは石地蔵に見えるように化けた。麹屋は狐をおいらんに化けさせて吉原へ入れた。狐は飲んだり食ったりしたため、お客様の所で狐になって寝ていた。狐は殺されそうになって逃げて来た。そして、白河の石地蔵のところへ来て、おれをばかにしてといってゆすぐったが、あまりゆすぐったから石地蔵様の下になって死んでしまった。そして、人をばかにする狐がいなくなった。
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バケジゾウ 1969年 茨城県 地蔵が目を輝かせて夜歩きをするという噂が立ち、その近くにはさそりが出た。名主から刀を借りて、若者が地蔵を切り捨てた。そのとき使用した刀ではなく、名主の持つ名刀の方に刃こぼれがあった。以後、地蔵の徘徊もなくなった。
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ヨウカイ,バケガイシ 1967年 福島県 座頭の形に似ていたといわれる化けが石が長坂のがけ側にある。昔毎夜のように長坂に妖怪が現れるので道行く人もなくなってしまった。ある夜、内藤家家臣が通りかかり、これを斬った。翌朝見たところ、この石に刀傷がついており、以後妖怪は出なくなったという。
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キツネ 1981年 東京都 ある時、ハルさんという人が狐塚を通ったら狐が昼寝をしていたので、棒で殴りつけると、狐は逃げていってしまった。その時、ハルさんは化かされ、どの道へ行っても向かいから葬式の行列や荷車が来て帰れなかった。それで葬式の行列のわきを無理に通ろうとしたら、狼谷というところに足を滑らせて落ちてしまった。見つかった時には、衣類と骨だけになっていた。
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クビナシウマホカ 1978年 愛媛県 長塚の石地蔵は、南北朝のころの戦死者を祀ったところである。この付近はよく首なし馬が出たり、地鳴りがしたり、石地蔵の首が落ちていたりしたという。
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トクマノジゾウ,ユメマクラ 1987年 長野県 昔,村のある百姓の夢まくらに地蔵が現れた。教えられた畑を掘ってみると,首のない地蔵と,すぐ近くで地蔵の首が見つかった。現在は胴体と首を合わせて安置してあり,霊験あらたかで多くの参詣者を集めている。
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