(シオガヒラク) 1977年 福岡県 豊前の国門司関の早鞆明神の前は海で石の階段がある。毎年12月大晦日の夜中に、社人が宝剣を胸にあてて石段を下り、海に入る。その時、潮が左右に開く。海底のワカメを1回だけ刈って帰る。もし2回刈ると潮に飲まれて溺れてしまう。すべての燈火と船の明かりは消す。この神事の時刻の前は、半時ばかり大波で海が荒れているのに、神事の時はしばらく波がしずまり、終わるとまた半時ばかり荒れる。
類似事例 |
|
(メカリ) 1975年 福岡県 早鞆明神の宮前は海であり、海中に続く石段がある。毎年12月晦日の子過ぎ丑の刻の間に社人が宮殿の宝剣を胸に当て石段を下り海中に入る。その時海は左右にさっと開くので、和布を一鎌刈ってくる。もし誤って二鎌刈れば海におぼれるという。
類似事例 |
|
ジゾウ 1923年 静岡県 ある年の6月23日、漁夫たちが漁に出ようとすると、鰹は1匹も獲れなかった。網には木造のお地蔵さんがひっかかっていて、海辺の松の木の下に安置して祀ったところ、大漁になったという。
類似事例 |
|
オオキナイシ,エビス 1984年 鹿児島県 明治以前のある時、地引網を引いていると網に大きな石が入っていた。沖に捨てても網を引くたびに入っているので不思議に思い、浜に砂を盛り石を立てたら大漁になった。これをエビス神として境界に祀った。
類似事例 |
|
ウミボウズ(ギョギョウニカンスルジュホウ) 1956年 宮城県 漁船は出港する際満潮のときに祈祷して海上安全・大漁万足を祈祷する、正月神官に船の旗を清めてもらい船霊様に安置する、虎猫を乗せていけば漁がある、海坊主が出て船を沈めるから、底なしの手柄杓を一つ持っていく、などといわれる。
類似事例 |
|
ナガレボトケ 1952年 佐賀県 若い女の「流れ仏」を拾ったが、自家近くに埋めて祀らず、浜の納屋近くに捨ててしまった。ところが病気になり、法印様に見てもらうと、「流れ仏が祀ってもらいたがっている」という。そこで石の恵比寿さんを自宅に祀ると病気も良くなり、漁もうまくいくようになった。
類似事例 |
|
ダイコクサマ 1973年 富山県 海岸でゴム製の大黒様が網にかかったのでそれを祀ると、それから大黒様のかかった場所では必ず大漁になる。
類似事例 |
|
イシガミジンジャノイシ 1977年 神奈川県 石神社の境内にある堅石は、もともと由比ガ浜の沖に沈んでいたものである。この浜では毎年溺死する者が跡をたたなかったが、寛政3年9月のある夜に海面が光り輝いたので、村人がこの石を引き上げ、石上神社に祭ったのだ。以来、ここで溺死する者がなくなったのだと言われている。
類似事例 |
|
リュウジャ 1950年 島根県 神在祭の「お忌みさん」期間中、「お忌み荒れ」と言って海が非常に荒れる時がある。翌朝、1尺から1丈ほどの竜蛇が海岸に打ち上げられる。見つけた者は神社に奉納などする。竜蛇は竜宮からの使令で背には神紋があり、上がると豊年・豊漁だとされる。
類似事例 |
|
オヒャクドマイリ,(ゾクシン) 1960年 愛媛県 浜辺からきれいな石100個を拾い上げてきて、社前の周囲を回りながら祭礼の時に社殿の床下に投げ入れる。人が行方不明になったときにも行う。
類似事例 |
|
フナダマサマ 1967年 福島県 船霊様は、船大工が他人に知られないように船にはめこむ。これはさいころ2つを天1・地6艏3合わせとも4合わせになるように入れ、これととおに女の髪の毛で男女の人形2体を結い、銭12文を塩でよくもんで共に納める。髪の毛は、拝み屋に船頭の年回りなどから方角を示してもらい選ぶ。妊婦がよいとされるが、気立てもみる。髪の毛は頭の真ん中から取るのがよいとされ、この人には初漁の魚を届ける。不漁が続くので船霊様をあけてみたら、さいころが盗まれていたり、ころんでいたりすることもある。このときは神官を呼んで入れなおしてもらう。
類似事例 |
|
カワテング 1933年 神奈川県 夜間出漁した漁師が川天狗に邪魔されることが往々にあったが、物慣れた漁師だと捕った魚を石の上に並べ「かけごをあげるから悪戯を止めてください」と唱えて祈ると利目がある。
類似事例 |
|
カミサマ 1979年 長崎県 琴崎様の祭日である3月3日だけ社前の磯に昔は入ることが許された。神が現れると波がさざめいたが、髪の命婦は怖れずにそれを掬い上げた。
類似事例 |
|
タコ,ヌシ 1930年 北海道 江差島の主の章魚があらわれて鐘を盗んだ。神官が尋ねると「帽子を隠しておくため」だといったという。
類似事例 |
|
エビスサマ 2001年 愛知県 須佐の港の西の山を恵比寿山といい、恵比寿様が祀ってある。以前恵比寿様を山の下へ移したところ、大変な不漁になったという。今は山の上に祀られている。
類似事例 |
|
エビスサマ 1984年 新潟県 恵比須様は商家は朝、農家は夕方に祝うという。恵比須様は正月20日の春恵比須には働きに出掛け、秋には帰ってくるという。
類似事例 |
|
フナダマサマ 1964年 福島県 船を新造して台降ろしの祝いのとき、大工がしらと船頭が、3月3日に買っておいた男女二体の紙の人形を船玉さまとして誰にも見られないようにまつる。これと一緒に16文銭と夫婦健在の妊婦(5ヶ月目)の髪の毛、さいころ2つ(天1地6四方2合わせ)をまつる。さいころの目がころんでいたりすると不漁になる。
類似事例 |
|
イシガミサン 1985年 香川県 志々島の阿部次郎左衛門という人が沖で網をうっていると、石がかかった。捨ててもまた網にかかることが二度三度続いたので、海に返さず筏石の上に置いた。その石が、夜になると、吉田へいこう、と夜泣きした。そこで吉田に運び、石神さんとして祀った。
類似事例 |
|
ヤマノカミ 1979年 福井県 昔、中西佐平の家の主が漁に出ると、度々石が網にかかった。その度に捨てていたが、ある夜、夢のお告げで「私は石は石でもただの石ではなく、山の神である。大水が出たときに流されてしまった。陸へ上がりたいので次にかかったら上げて山に祀ってくれ」と頼まれた。次に海に出ると案の定石がかかったので、山に祀った。
類似事例 |
|
(シオガヒラク) 1977年 福岡県 豊前国門司にある早鞆明神社の前は深い海で、社人が宝堂に納められた鋒剣を胸に当て、毎年元日の丑時に海底に入れば潮が開く。そして海底にある階段に社人が立ち、ワカメを一鎌切って階段を上って帰ると、たちまちに潮が満ちるという。もしも二鎌刈ると溺れて難にあう。
類似事例 |
|