アイヌジンタチノレイ,アズキヲアラウオト 1970年 山梨県 古宿のある家の前にアズキ洗い地蔵がある。これは昔、アイヌ人の墓があって、明治40年の大水害で埋まった後に畑となってアイヌ人達の霊を誰もとむらう者が誰もいなくなった。そのため、アイヌ人達の霊が供養してもらいたくて霊魂となって、夜にアズキを洗う音を出したので、その音がする地に立てたものである。以後、アズキを洗うような音は止んだという。
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ミズコノタタリ 1984年 新潟県 観光客が水子地蔵を持ち帰り、テレビの上に飾ったが、その人は一週間ほどで急死した。未亡人がテレビを見ていると水子地蔵が大きな白い笠をふわっとかぶった形に見えたので気味悪く思い、地蔵を持って佐渡へ渡り、「八海山」を訪ねると、「主人の死は水子の祟り」と告げられたので、地蔵を元の場所へ戻し、供養して帰った。
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ジゾウ 1922年 静岡県 昔、何代か前の住職が江戸で開帳したが人気が無く、大損して地蔵を質屋に持ち込んで路銀にした。その後、入江町のある人の夢にこの御地蔵様が出て、自分を引きとってくれるように頼んだ。すると、その地蔵を乗せた船の船足が急に速くなった。
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ジゾウサマ,コウミョウ 1981年 広島県 昔、薬師の所にあった地蔵を漁師が持って帰ろうと思い、シノベの海まで背負って行ったが、重くなって船に乗れず仕方がないので海に捨てた。ある日人が海辺を通っていると海中が光っているので近付くと地蔵があった。それを薬師に返しに行った。
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ジゾウ 1986年 滋賀県 琵琶湖で漁の邪魔になる石をどかした漁師が、夢にも現れた地蔵の告げに従ってお堂を作り、その石を祀る。その後、ふたたび夢に地蔵が現れて琵琶湖の水をせがむので、お供えしたところ、願い(病気平癒など)が叶ったという。
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セリザワノサラヤシキ 1956年 宮城県 昔,芹沢という者が武芸の腕によって禄とこの土地を賜った。それから三代後の当主の時の話。ある正月,同家の女中が主人秘蔵の錦手の皿十枚を箱に納める際,一枚を落とし毀してしまった。しばらく隠していたが遂に露見し,一刀のもとに斬り殺された。その後毎夜のように同家の水屋に女中が現れ,「一枚,二枚,三枚・・・九枚・・・おお・・・」と恨めしげに訴える。主人は自らの仕打を悔い,女中の霊を慰めるために石地蔵を刻み,自分の山の頂に建てた。また不吉の刀を地中に埋め,小祠を建てて祀ってやった。以後女中の声も聞こえなくなったという。今でもこの山を地蔵山と呼ぶ。なお旧芹沢家には別人が住んでいるが,その後は何の変事も起こらないという。
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ボウレイ 1975年 新潟県 友蔵が、旅の商人を松明をたいて磯に上がるサザエを採る夜なれにさそった。そこで商人を殺害し、胴巻きの金を奪って死体を海に沈めた。以後、亡霊が舟につき、「友蔵おるかあ!」と呼ぶようになった。
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ナンパモノノハカ,スイシニン 1933年 佐賀県 小川島では、難破者の墓は磯などに建っているが、祭を怠って墓にとがめられたりするので、墓を自分の家の墓地に移す場合が多いという。難破船の死体はよく行方不明になるという。五島の奈良尾や岩瀬浦では、ゴロージ(水死人)を戎様として祭るという。奈良尾で祭られたある水難者が、故郷の人の前に枕神として現れ、引き取ってくれと頼んだという。
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オカンノンサン 1996年 神奈川県 時化の時に海岸にあがったお観音さんを拾ってきて供養して祀ると、その海を通る船が進まなくなった。何かお観音さんが気に入らないことがあるのだろうということで、江之浦の石のお地蔵さんと交換した。
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(ジゾウノネスガタノイシ) 1990年 長野県 尾張の人が魚釣りをしていたところ、乗っていた石が動いた。不思議に思って見ると、その石が地蔵の寝姿になっていた。持ち帰って祀った。6月ごろになると湿気て地蔵様の姿は浮かび上がる。
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キツネ 1985年 滋賀県 狐が地蔵に化けて道をふさぐので、人々は狐の祟りだとして稲荷神社で地蔵盆をして供養する。その時作った地蔵を化け地蔵と呼ぶようになる。
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ジゾウ 1923年 静岡県 ある年の6月23日、漁夫たちが漁に出ようとすると、鰹は1匹も獲れなかった。網には木造のお地蔵さんがひっかかっていて、海辺の松の木の下に安置して祀ったところ、大漁になったという。
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ヘンドバカ 1975年 愛媛県 150年ほど前に、葛谷に妻を亡くして子と暮らしている男がいた。宿を貸した四国遍路と結婚の約束をしたが、女が数日留守にして戻ると親族の反対に合い、女は家を出た。その日は大雪で、女は雪で動けなくなり谷に落ちて死んだ。以来、その家には不幸が続いたので、死んだ場所に地蔵を建てて、霊を祀ったという。それを遍土墓と呼んでいる。
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ジゾウサマ 1980年 岐阜県 老婆(老人ともいう)が船津へ正月の米を買いに行った。家へ帰ってくる途中、道端の地蔵様に会うたびに米を供えていると、とうとう米がなくなってしまった。老婆は「地蔵様に供えたのでしょうがない。稗か粟で正月をしよう」と言って寝てしまった。すると夜、外で声がした。朝、米俵が玄関前に飾ってあった。お地蔵さんが持ってきてくれたのだろうと言い、良い正月を送った。
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トラマツノヒ 1984年 埼玉県 昔、白石に乞食の親子が居ついていたが、子どものトラマツが盗み食いをして、村人に殺されてしまった。村人はその死がいを峠の木の枝につるしておいたので、親の乞食は「この土地に祟れ」と言ってどこかへ行ってしました。その後、白石では何かよくないことが起る度に峠に青い火が見えた。その火をトラマツの火といった。後にムラの人たちはトラマツのために地蔵を峠に建てて祀り、それをトラマツ地蔵という。
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シンゾウジイサンノボウレイ 1961年 山梨県 富士川にもろこしの渡しというのがあった。昔、1人の旅ざむらいが急ぎで頼むと飛び込んできて、対岸へ渡った。その侍は自分が渡船したことを口外しないように口留めしたが、結局その渡し守を切り捨てる。その渡し守新蔵爺さんの以外は村人が鄭重に葬ったが、その後、この渡しでは思わぬ事故が繰り返された。それは新蔵爺さんの亡霊が浮かばれないとうことで、村人は、それを慰めるために、毎年新蔵天神として祀っている。この塚は、富士川河岸の小山にある。
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ジゾウ 1939年 神奈川県 中川堤防には、行き倒れた乞食を供養した地蔵がある。これのお祭りの日には付近の人がお供えのお下がりを飲食するが、このときに祠の前に敷いた蓆に座ると縁起がいいという。
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ジゾウ,バケモノ 1940年 大分県 船主が死亡した為に建てた地蔵がある。この地蔵が「私より向うに子供が行くと、守ってやれない」と言った。地蔵より向うには娘に化ける化者がいる。
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マルイイシ 1983年 山梨県 山岸のAさんの家の亡くなったおばあさんは、西方寺の中に屋敷神として祀られているお地蔵さんの所で、丸い石を2枚重ねた座布団の上にのせて拝み、石の重さ軽さで体のぐあいを占った。
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クビナシウマ,レイ 1978年 愛媛県 各地で「首なし馬」が出た。見ると熱病に罹ったという。ある年、老神主が夜道を歩いていたら、「シャンシャン」という音がして首なし馬に乗った武士団が通った。その後この人馬の霊を慰めるため、そこに石地蔵を作った。
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