オオニュウドウ,カワウソ 1955年 神奈川県 角田福三氏が、15、6歳の頃、船頭の金太さんを連れて網打ちに行った。しかし、金太はなにを話しかけても返事をせず、気分でも悪いのだろうと川原へ上がり、小屋で休んだが、やはり口は重く、ただ寒い寒いと震えているばかりだった。再び船に乗りこみ、金太に事情を尋ねると、舳に大入道が出たのだという。大入道は恐らくカワウソの化けたものだという。
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ヒ 1947年 山梨県 ヤナ場を組んで魚を採っていると、山から灯をつけて降りてくるものがある。灯は水に入るとますます大きくなりヤナ場に流れてきた。天狗かと思って怖くなって祈った。大入道がヤナ場に入ってきてびっくりしたが、天狗ではなかった。
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イタチ,ニュウドウ 1977年 福島県 イタチは入道に化けるという。何かが肩に上がってくるような気がすると、入道が目の前に見える。ずーっと見ていると、喉笛をかじられて血を吸われる。
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オオニュウドウ 1963年 青森県 アダノ沢というところには化け物がおり、いつも大入道に化けているという話であった。ある日、寺の和尚がアダノ沢近くを歩いていると、果たして大入道が出てきた。さては、と思い酢をかけると入道はたちまち縮こまって小さくなり、捕らえられてしまったという。
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オオニュウドウ,ムジナ 1937年 秋田県 秋の刈上げの節の夕方、みやげ物をもって歩いていると、闇にも恐ろしい大入道が現れた。「この野郎」と飛びつくと、逃げるばかりで、しまいには川へ落ちてしまった。すると大入道は消えうせ、みやげ物をとられてしまった。古狢のしわざという。
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アユ 1932年 奈良県 北条時頼入道が諸国行脚の途中、ある庄屋の家に止宿した時に病気になった。村人が心配して村近くの瀧に、入道が回復するなら生き返れと祈願して焼き鮎を投げ入れた。すると鮎は生き返り、それとともに入道も回復した。今もそこには背の半分焼けた鮎がいる。
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(ミツメノオオニュウドウ) 1980年 京都府 院の宿直所で人々が手柄話をしていたときに、北面の武士・信魚という人物が言うには、夜に鞍馬から帰る途中に、三つ目の大入道が襲ってきた。そこで大入道の鬠(もとゆい)をつかんで放り投げたという。人々は大入道に鬠があるのかと笑う。
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タヌキ 1979年 徳島県 ある魚屋が宍喰で捕れた魚を中山に売りに行った。地蔵堂が建っている峠を少し下りたところで道が3つに分かれており、通りなれた道なのにと思いながら、少し迷って中山にたどり着いた。すると、背負っていた魚の目玉がなくなっていた。分かれ道のところで狸に化かされたのだろうという。
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テンドウサマ 1983年 長崎県 仁田の内の人で土地を売る人がいて、カメジイと家内の親父(シュウトジイ)が買いに行った。夜になって帰る時に大雨となりシュウトジイは大水の中に足を滑らせて落ちこんだ。カメジイは川下の浅い所で流れてくるのを待った。シュウトジイは落ちた時に「天道様助けて下さい」といい、流れながら拝むと不思議と光が天道山に照りつけた。それと同時にシュウトジイサンのあしがひっかかって助かった。日頃信心していたから天道さんが助けてくださったのだ。
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キツネ,オトヒメ 1971年 福島県 きつねに化かされた話であるが、塙にAという医者という人がいて、浜に往診した。帰りに魚を買って腰につけて馬に乗った。峠にさしかかって「乙姫狐、取るなら取ってみろ」というと、知らぬ間に魚がなくなっていた。
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カタメノサカナ 1931年 東京都 医王寺の御堂の前にある池に魚を放すと必ず片目になると言われている。下流の小川にも稀に片目の魚がいて、御薬師様の鮒だということで、食べずに池に持っていき、ここに放したという。
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キツネ,オトヒメ 1971年 福島県 きつねに化かされた話であるが、チョウテイ様という医者が浜へ行って、魚を買って馬に乗っていたが、狐がよく出るところで「チョウテの魚とってみろ」といったらいつの間にか取られていた。
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カワウソ,ダイニュウドウ 1957年 神奈川県 真っ暗い夜に網打ちに大曲、タカラ瀬へと出かけたら、船の舳先に大入道が立った。かわうそが化けたのだろう。
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オオニュウドウ 1976年 大分県 ある人が子供にサザエを食べさせようとして、合図をして子供に投げ渡していたのだが、途中で大入道がサザエを取って食べていたという。
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ヒゴイ 1966年 香川県 山大寺池の主は大蓑大の緋鯉だと言う。神通自在を得て、高坊主となって通行人をおどかし、美しい女に化けていたずらをし、暴風雨のときには荒れ狂い、日照りのときには変身して上空に昇るという。
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オオニュウドウ 1991年 竹薮に来ると、目の前に大入道が立ちふさがった。顔はのっぺらぼうであった。驚いて寺の敷地に逃げ込んだ。大入道が出たところには、よく狸がいて大入道に化けて出て、人を驚かせていたという。
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ダイジャ 1990年 鳥取県 日光地区は昔、大港だった。出雲の国造が勅命で上京の折は大洪水で困ったが、供の三女が海に入り水神の妻となると、沖から大波が来て港が閉まり、白砂の道が出来て国造は無事上京した。以後は数町歩の大池となり、竜神、魔物のすみかとなった。千年後、鹿野城主亀井武蔵守が日光池の干拓を行うと、雷鳴が轟き滝の如く雨が降り、海岸に大魚が打ち上げられた。これは池の大蛇に違いないという話になった。以後、武蔵守は体調が悪くなり、寝ていると枕元に美しい女官が立つ。占い師によると池の大蛇のなすわざという。そこで日光大明神の社を建立した。
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オオニュウドウ,ゲタ 1941年 秋田県 ある山寺は化物寺といわれ、住職がいつかなかった。そこへある坊主がやってきて、現われた大入道を湯をかけて退治した。正体は床下に捨てられた、朴の木と栗の木の下駄だった。
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コイ 1940年 栃木県 角田将監という人が、長元元年に大風があったとき、庭の大榎が枯れたのでそこに井戸を掘った。一丈ほど掘り進んだところ、地中から清水と共に三尺あまりの大緋鯉が出た。奇瑞と言って、神主の持田某と京都に上ったところ、時の天皇に禁鯉宮の勅額を賜ったうえ井戸を掘ることと鯉の合火を禁じられた。後に生活に困難を来したために禁制は解かれたが、氏子は今でも鯉を神聖視している。
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タヌキ 1974年 和歌山県 魚屋が魚を買って山をかきわけて帰って来たら、体は傷だらけで、手には何もなかった。これも狸にだまされたのだという。
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