オオカミ,タロウガハハ 1970年 滋賀県 六部が柳ヶ瀬の三昧の松の木の下に泊まっていると狼が出たので、木の上に逃げた。狼は梯子のように繋がって六部の元に登ってきたが、届かない。そのうち「太郎が母を呼んで来い」という声がして、大きな狼がやってきた。六部は手裏剣をぶつけて撃退した。翌日村を訪ね歩くと、頭に傷を負ったお婆さんがいた。その御婆さんは「シュンショウ寺に妹のショウリが母がいるから、こんなことはするな、太郎が母は死んだと伝えてくれ」と言って息を引き取った。お婆さんも子どもも妹も、人間に化けた狼だった。
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オオカミ,ネコ,カジヤババ 1961年 長野県 武士が東筑摩郡の狼ヶ番場を通ると狼が出たので、木の上に逃れた。狼はイヌツギをして登ってきたが、1匹分足りないので「カジヤババを呼んでこよう」と言っている。しばらくして大きな猫が登って来たので武士が刀で斬ったら、猫も狼も逃げ出した。大猫の血をたどって行くと村の鍛冶屋に入った。医者の振りをして鍛冶屋の婆を診ると、片腕がないので退治した。縁の下から本物のお婆さんの骨が出て来た。
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ネコマタ 1936年 石川県 ある侍が猫又を退治しようとした。猫又に矢を放つと腰に当たり、猫又は木から落ちてどこかへ逃げた。その頃、お菊というお婆さんが死にそうになっていた。侍が着物をはぐと、矢で打たれていた。お婆さんはまもなく死んだ。13年前、猫又がお婆さんを食い殺し、そのお婆さんに化けていたのだった。
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オオカミ 1970年 滋賀県 福井との境の木ノ目峠から太郎が母が嫁に来た。ところが狼がこの太郎が母を食べてしまい、なりすましていた。敦賀から五幡峠に降りるところの神庫に旅人が泊まったとき、狼が出た。旅人が松の木に登ると、狼は肩車で追ってきたが、一匹分足りない。狼は「太郎が母を呼んで来い」と言ったので、狼が太郎が母に化けていることがわかった。
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オオカミ 1974年 福井県 越前国大野郡菖蒲池あたりは狼の群れが出るので、日暮れには人が通らなかったが、ある僧が菖蒲池の孫右衛門の所へ行こうとして狼に遭遇した。僧は大きな木の上に登って逃れようとしたが、木の下にいる狼は孫右衛門の嬶を呼んでこようと言う。すると大きな狼がやって来て、肩車をして自分をあげろという。そしてもう少しで僧のいる高さになろうとしたので、僧は小刀で突いたところ、肩車は崩れて狼は離れていった。その後で僧が孫右衛門の家に行くと、昨夜妻が死に、死体は大きな狼だったという。
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サル 1939年 長崎県 お爺さんが悪さをする猿を捕まえてお婆さんに預けていたが、猿はお婆さんをだまして殺してしまった。その後、猿はお婆さんに化けてお爺さんにお婆さんの肉を食べさせた。
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オオカミ 1936年 鳥取県 武士が旅をしていて、松の上で夜を明かすことにした。夜中に狼が「人臭い」と言って集まって来て、肩車をして追って来たが、少しとどかなかったので「金の尾のがあだい婆を呼んで来い」と言う。すると一匹の狼が来て掴みかかったが、武士は切り捨てた。翌朝、「金の尾のがあだい婆」がいるのを聞き、それを切り捨てると狼の姿に返った。
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オオカミ 1976年 京都府 梨ノ木におつねさんという家があり、大きな梨の木があった。そこの狼が、岡部に住む吉左衛門のところのおばはんに化けていた。狼を叩いて殺した。おばはんが死んで狼になったともいう。
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オイヌサマ 1983年 東京都 庄屋の娘が菩提寺で美しいお坊さんと恋仲になったが、人の噂になり、お坊さんは別の寺に送られた。娘がけわしい山、峠を越えてお坊さんに会いに行こうとしていると、狼、つまりオイヌ様が足にとげがささって苦しんでいたので、それをとってやった。それから娘の道案内をしてくれるようになった。
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オオカミ 1982年 宮城県 ある女が夜の幣掛の峠道を歩いていたら、狼が唸りながら寄ってきた。口の中に馬の骨が刺さっていたのを取ってやると、里まで送ってくれた。その後、峠でまた狼が現れて女を引きずって押し倒し、木の葉を掛けて隠した。間もなく狼の千匹連りが通った。恩返しだった。
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ヤマネコ 1933年 熊本県 冬の寒い夕暮れに山道にかかると、燈が見えるのでそれを頼りに行くと人家があった。その家の囲炉裏の傍には男がいて、榾を焚いていた。男が寝ていると夜中に老婆が出てきて、男の様子を伺った。この老婆が男に食いつこうとしたとき、脇差で切りつけると、老婆は老山猫の正体を現し、裏山に逃げた。飼い主の老婆を食い殺してそれに化けていたという。
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ヤマンバ 1973年 長野県 小僧が山に行く時、和尚が3枚のお札をくれた。山で仕事をしていたら夜になったので、年寄りの婆の家に泊めてもらった。ところが婆は実は山姥で、小僧を食べようとした。小僧は3枚のお札の力で、寺に帰ることができた。追いかけてきた山姥を和尚は騙し、池に落として殺した。
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ウシオニ 1992年 山口県 牛鬼が美童に化け女と戯れていた所を待ち受けていた主が弓で射た。牛鬼は血を流して鬼が城山へ逃げて死んだ。今でもその墓から蝿に似た虫がだいぶ出てきて、人に取り付くという。
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フルネコ,オオカミ 1916年 滋賀県 昔、木に登り一夜を明かそうとしていた六部を、狼たちが食おうとした。あと少しで届かなかったので、狼たちは太郎婆という古猫を連れてきた。狼の上に乗り飛びつこうとした古猫の額を、六部は刀で斬った。翌日六部は太郎婆の家を訪ねすべてを話し、実は人間でなかった太郎婆を風呂に入れて煮殺した。その後祟りを恐れて祠を建てたのが今の狼神社である。
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オオカミ,キツネ 1974年 愛知県 送ってきた狼は明神様のところで離れたが、次に狐にとりつかれた。ごはんは全部背中にいる狐が食べてしまう。豊川稲荷のお札で狐は離れるが、とりつかれた20歳ぐらいの娘はすぐに死んだ。
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キツネ 1998年 福島県 狐が馬鹿にするので、爺さまが殺そうとして火を焚いていた。そうしたら狐は娘に化けて婆さまの所に来た。そして娘に化けた狐は婆さまを家から連れ出して行ってしまった。
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ショウブユ,ヘビ 1956年 宮城県 鬼に追いかけられたが、菖蒲の茂みに隠れて助かることが出来た。また昔ある女性が蛇の子供を孕んだが、蛇は菖蒲の匂いが嫌いだと聞き、菖蒲を煎じて飲んで子供をおろしたという。
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ムラヲスクッテクレタオオカミ 1987年 長野県 ある年,娘が悪者に襲われそうになった時,山から狼が現れてその悪者をかみ殺した。このようなことがあったので,村人達はますます狼を犬神様として崇めた。
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ヤマノババ 1933年 岩手県 和尚さんに言われて、小僧が山へ薪をとりに行った昼に味噌の入った握り飯を食べるとき、味噌を一粒落としてしまった。帰りに小僧は山の婆に襲われた。小僧は和尚さんからもらったお札の力で寺まで逃げ戻った。寺まできた鬼婆を和尚は一粒の味噌に化けさせ、小僧に食べさせた。婆は味噌が化けたものだった。
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ヤマノババア 1942年 新潟県 小僧が夜に山で山姥の家に泊まり、食べられそうになるが、和尚から渡されていた3枚のお札を使って無事に逃げた。
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