オサキ 1975年 群馬県 昭和28年、L家の3才の男子がオサキに憑かれて1週間ほど仮死状態となった。ついたオサキが強かったのでなかなか落ちず、御嶽行者が3度も祈祷をして落とした。祈祷の最後の送り出しで御幣がM家の方向に倒れたのでついたオサキはM家のものとわかった。L家とM家は土地の売買をめぐって、また事業をめぐって長年争っていた。
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キツネツキ 1922年 兵庫県 狐がついた事例は明治20年ごろにあった。3、40歳の男が狐につままれて家出したのを、村人が捜索した。その人は木陰に蹲っていたが、目はつり上がり、手足も縮まって狐の形に似ていた。家に帰ってからはいわゆる狐憑きになって、油揚げや豆腐ならばいくらでも食べた。その人の父が狐を攻めて、出ねば捻り殺すというと狐は瘤の形になり手先に進んで行った。指先に追い詰められ、男は「出る出る」と連呼しながら倒れ、手の瘤は消えていた。その後3日寝つづけて、1ヶ月はぼんやりしていたという。
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オサキ 1975年 群馬県 明治40年頃寺の住職がオサキに憑かれ、動物のような振舞をするなど奇怪な行動を繰り返した挙句腹を食い破られて死んだ。憑いた理由はオサキモチの家の法事に格の低い衣を来て行った事と、その家が貧しくてオサキに十分な餌を与えていなかったためである。その後稲荷社を建てて毎月供物をあげてそのオサキを養った。
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オサキ 1978年 群馬県 昭和45年、男の次男正(5才の子供)の様子がおかしくなり、家にこもり、N村行きのバスが通る頃になると「乗る」といって家を出ようとした。義兄の御岳行者に相談した所、親戚筋に当たるある男の家のオサキが憑いたためと診断された。一家は複雑な親族関係にあり、義兄は多くの病気や失せ物をその男の家のオサキの仕業と診断しており、対立する一家を御岳行者という立場を利用してだんだんオサキモチにして行ったと考えられる。
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オサキ 1975年 群馬県 大正8年頃20才の男が流行性感冒にかかり弱っている所にオサキがついた。半年ほど苦しみ祈祷の効果が無いので有名な稲荷神社へ御札を受けに行かせたが札が届くと同時に死んだ。腹には穴があいていた。その男についたオサキは隣家から来たとしゃべった。当時両家は土地の境界争いをしていて、それが原因と考えられた。
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オオサキ 1966年 埼玉県 オオサキに憑かれるとご馳走を食べたがる。食べる割には体が弱り病気になる。ご馳走を持っていくと布団をかぶって食べる。この病人が転がるようにして苦しんだ後で死んだように静かになったときは、オオサキが離れたのだという。
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オサキ 1978年 群馬県 ある男は弟の結婚式の時、他村へ嫁をもらいにいったが、嫁の実家がオサキモチであったのでオサキに憑かれた。式のあとしばらくは寝たきりでその後回復したが再発し数年後に死んだ。末弟を両親は溺愛しており、両親は末弟を連れて隠居しており、結婚式を隠居小屋で行う事や将来の分家について男は不満を持っていた。
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オサキ 1975年 群馬県 大正の初め頃、中年女性が庇から落ちて腰を打ち寝込んだ。庇の下にオサキの毛が落ちていたのである家のオサキの仕業と判断した。その家の女主人は気象が激しく、憑かれた女性が裁縫上手であること、子沢山である事を恨んで憑いたと推定された。
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ガキ 1926年 和歌山県 明治34年の冬の寒い日に、山道を歩いていたところガキに憑かれた。精神茫然として足が進まなくなり、1度は倒れてしまった。
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ネコタノコウシンヅカ 1956年 宮城県 郷士阿部某の娘が夕方向山の北裾の山路を通ると,突然身の丈6尺程の大猿が現れ,娘は失神してしまった。翌朝家人が失神している娘を見つけ,家に担ぎ込んだが,娘は日増しに痩せ衰えていく。ある日村の若い衆が見舞いにきて娘の額に手を当てようとしたところ,突然男の頭に柿の実が飛んできてぶつかった。見廻しても仲間しかおらず,翌日も同じ事が続いたので三日目には見張りをつけた。一人が娘の額に手を触れると,突然屋根裏から南瓜が投げ落とされる。上を見ると天窓から大猿が歯をむき出していたので,大勢で追いかけたところ向山のほうに逃げてしまった。その後も,見張っていないと大猿がやってくるので,刈田岳のマタギに頼んで大猿を撃ち殺してもらったが,同じ時刻に娘もあっとうめいて息を引き取ってしまった。その後村人は娘と猿の供養のために山の北麓に庚申塔を建ててやった。初め猿田の庚申塔といっていたが,現在では猫田の庚申塔といわれている。
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キツネ 1975年 静岡県 鰯を買って帰るときにキツネが憑き、その家の子どもにとりついて、つま先でヒョコヒョコ歩くようになった。行者に頼んで床下に鉄砲を撃ちこみ、祈祷してもらって落とした。キツネ憑きも1942年ごろを境に出なくなった。
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オサキ,キツネ 1975年 群馬県 Y部落での憑依事件は明治8例、大正7例、昭和14例ある。オサキ、キツネに憑かれた人は忘我・狂乱状態となり、憑いた理由や持筋の家名を喋り、動物的な振舞をし、予言など常人以上の能力を発揮する。突然そうなる場合と病気が悪化してなる場合がある。重症の時には木曽御岳行者が祈祷するが、オサキに憑かれたかどうかは被害者自身のうわ言か家族の診断で判明する。原因は被害者側と持ち筋側の対立や恨みが6件、妬みなどが4件、両方によるものが2件である。被害者側は経済的に中以下が多く、憑いた側は中以上が多い。
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テング 1972年 石川県 明治末年、サクという少年が行方不明になった。親が「鯖食うたサク」と二晩唱えて回ったところ、倉で寝ているのが見つかった。尋ねてみると天狗に捕らえられて欅の梢に乗せられていたのを、下ろしてもらったのだという。
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オオサキ 1966年 埼玉県 人の世話をしたがうまくいかず、恨まれて病気になった老婆がいた。「豆腐が食いたい」というので持っていくと食べた。死んだあと体を見ると、脇や腰の下に毛がついていた。オオサキに憑かれたため死んだとのことである。
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タヌキ,オオニュウドウ 1930年 千葉県 明治30年ごろの小雨が降る朝、青年が人家から4、5丁の山道のソウマンドウ(斃馬を埋める所)のあたりで、向鉢巻の大入道とであい、通せんぼうされた。逃げ帰った青年に話を聞いた家人が見に行ったが、そこには何もいなかったため、狸に化かされたのだろうという話になった。青年は恐怖の余り高熱を発し、数日間寝込んだという。
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ヘビ 1928年 和歌山県 昔、おしょぶという娘が池で洗濯をしていると、美しい帯が水の上に浮かんだ。帯を取ろうとして池に入ると、帯は蛇になり、おしょぶをくわえて池の底に入ってしまった。
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ツキモノ 1963年 秋田県 話者の甥が重病になりイチコに尋くと、お寺の和尚の衣をかぶせろと言われた。借りてきてかぶせると、何時の間にかどこかに飛ばされていた。憑き物が嫌って投げ飛ばしたためだ。
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キツネ 1939年 秋田県 ある男が祭りを見に行った帰り夜も遅く、大平山の社のあたりで寒気を催し、目に見えない何者か大きな物に掴まれるような心地がした。次の日は稲荷の祭りの後片付けから戻る時に、気分が荒く募り、3日ばかり狂い続けて鎮まらなかった。それから半月、油揚げを欲しがり、飯も多く食べ、後に癒えた。大平山の社にノレキが住んでおり、それが狐を憑けたそうだ。狐憑きはノレキに頼んで離してもらうよりほかない。
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キツネ 1954年 三重県 明治末期頃、伊勢から尾張三河の海岸地帯にある農家の中年男子に、原因は不明だが狐が憑いたと言われ、油揚げを急に好むようになり、目がつり上がり、変なことを口走ったという。祈祷師に頼んで狐を追い出してもらったら治ったという。
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オクリオオカミ 1971年 埼玉県 明治の初め頃、用事の帰りに名物のせんべいを土産に買い、風呂敷で背負って歩いていると、狼に出逢った。まわり道をして家の方へ歩いていくと、狼があとをつけてきた。家の見えるところまで来たとき、せんべいを出して狼の前に置き、帰るように請うと狼はつけてこなかった。家に着いてもふるえが止まらず、3日程寝込んでしまったという。
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