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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ヤシャ
1919年 島根県
漁師を俗に夜叉という。もとは他と縁組しなかった。夜叉とは鬼のことであり、山間の住民を鬼と称していた。鬼が恐ろしいものとなったのは後世の思想で、ただ山人の呼称であったのだろう。海岸住民にもこの名があって、出雲ではそれを夜叉と翻訳したらしい。

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ウシオニ
1933年 島根県
ある夜、老漁師が一人で小船で沖に出かけた。すると牛鬼が近づいてきたので、老漁師は捕まえて担いで帰り、船小屋の前に投げ出した。見物に集まってきたうちの一人の若者が、牛鬼の頭のあたりを櫂で打ち、よく見るとそれは椿の古根だった。ちなみに椿は化けるので仏への供養にしない俗信がある。
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ウシオニ
1933年 島根県
4月のある日、漁師4人が鯖釣りに出かけた。夜も更けた頃、岸の方から「行こうか行こうか」と声を掛ける者がいた。「きたけりゃこいや」というと、牛鬼が海に飛び込んで追いかけてきた。4人は汀に最も近い家に逃げ込んだ。牛鬼は家の柱に貼ってあった出雲大社の護符に恐れをなして逃げていった。
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ゴロウジ,フナユウレイ
1933年 長崎県
ゴロウジは海に流れている死人のことである。江の島にはじめてあがった水死人の腕にゴロウジと入墨があったことから、こう呼ぶ。ゴロウジを引き揚げようとすると、近くに寄ってくる。ゴロウジには魂があると思われている。水死人は祀れば漁の神になり、そうしなければ船幽霊になるという。
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(ゾクシン),フナダマサマ
1935年 三重県
漁師は船の上で獣の名を呼ぶのを忌む。特に牛と猿が忌まれ、牛はクロツボ、クロ、猿はマシ、ヤエン、エテという。もし用いたら船霊さまに神酒を献じてその日のエンキをなす。
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クダギツネ
1965年 宮崎県
山にはクダ狐がいて人を化かした。ある商人が魚を持って山で日が暮れ、一軒家に泊めてもらった。翌朝帰ろうとすると魚も一軒家もなくなっていた。
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ヤギョウサン
1956年
四国徳島地方で、節分の夜に家々を訪ねて廻る髭の生えた一つ目の鬼のことをいう。以前は節分・大晦日・庚申の夜のほか、夜行日というのがあり、夜行さんが首のない馬に乗って道を徘徊したという。これに出遭うと蹴ころされるといって、その日は家の中で慎んでいた。昔は百鬼夜行日といった(『拾芥抄』)。福井・壱岐・四国地方でもほぼ同じ言い伝えがある。
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ヤギョウサン
1956年
四国徳島地方で、節分の夜に家々を訪ねて廻る髭の生えた一つ目の鬼のことをいう。以前は節分・大晦日・庚申の夜のほか、夜行日というのがあり、夜行さんが首のない馬に乗って道を徘徊したという。これに出遭うと蹴ころされるといって、その日は家の中で慎んでいた。昔は百鬼夜行日といった(『拾芥抄』)。福井・壱岐・四国地方でもほぼ同じ言い伝えがある。
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ヤギョウサン
1956年
四国徳島地方で、節分の夜に家々を訪ねて廻る髭の生えた一つ目の鬼のことをいう。以前は節分・大晦日・庚申の夜のほか、夜行日というのがあり、夜行さんが首のない馬に乗って道を徘徊したという。これに出遭うと蹴ころされるといって、その日は家の中で慎んでいた。昔は百鬼夜行日といった(『拾芥抄』)。福井・壱岐・四国地方でもほぼ同じ言い伝えがある。
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アシワセノクマ
1976年 新潟県
御名部の崎という所に粛慎人が船に乗ってきて、春夏漁をしていた。島の人は、これは人ではなく鬼魅だといい近付かなかった。また島の東の禹武という村の人が椎の実を焼いて食べようと灰に埋めたところ、2人の人になって火の上に飛び上がり争い始めた。占いをすると、この村の人は魃鬼のためにまどわされると出て、その通り、掠め取られた。この後、粛慎人は瀬川の浦へ移った。浦の神はあえて近付かなかった。これにより水は減って、その水を飲めば半分は死んだ。これを俗に粛慎の隈という。
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トウセンボウ
1941年 岩手県
人に鬼のように怖がられる宗元は、人の嫌がることをやってきた。人に嫌われた宗元は、子供を盗んで、山を移動して、とうせん坊と名乗った。人と共に酒宴を開いて、飲んでいたところを、後ろから海に突き落とされ、亡魂となりとうせんの風を吹かせるようになった。
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ヤシャガミノタタリ
1986年 山梨県
芦安の夜叉神峠には昔、夜叉神という悪い神がおり、その神は体が大きく足が長く、村人を苦しめていた。ある夏に大雨が幾日もつづいて芦倉山が崩れみでい川をせき止めたため、谷が峠の麓まで湖のようになり、ついには山崩れで濁水が流下し、甲府盆地に大被害をもたらした。村人達はこれは夜叉神のたたりであると恐れ、その霊をおさめるために御勅使川の谷を一望できる峠の上に石の祠を造って手厚く祀ったため、夜叉神のたたりもなくなり、村は平和となり栄えたという。
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ヤンブシ,ヤンボシ
1974年 鹿児島県
奄美では、ヤンブシは髪を振り乱した妖怪として恐れられていた。『日本民俗語彙』によれば、鹿児島の肝属郡百引村では、「夜、山道で時折り出会う、ぼうと大きな人影のような妖怪」をヤンボシと言っている。宮崎県でも、坊主が首をくくった所には必ずヤンブシが出、夜山へ行くとヤンボシが隠すといい、これらと一連の妖怪だったと考えられる。
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キジムナー
1963年 沖縄県
キジムナーは山辺から来るものとされ、赤ら顔で頭髪の乱れた格好をしたものという。夜漁師が松明をつけ舟をこいでいると現われる。火が消えそうになるとその火を持って陸の奥のほうへ逃げ去るという。現在でも晩、村外れに立っていると見ることが出来るという。昔からキジムナーと友達になれたら何でも得をするものだと信じられている。
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トモシビ,テング
1951年 神奈川県
村の青年達が川筋にヤナ場を作り魚を採っていると向かいの山から灯を点けておりてくるものがある。川に入っても消えず、ヤナ場に乗り上げてくる。天狗の仕業と男達は恐れ大山様に祈った。
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(ゾクシンヒトタバ)
1992年 宮崎県
漁師の忌み言葉と船の上での俗信一束。
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(ゾクシン)
1968年 愛媛県
沖で水死者に出会うと漁が良いといって喜ぶが、粗末に扱うと不漁になるという。梅干を海に捨てると天神様が怒って船を沈めるので、捨ててはいけないという。海に熱湯を捨ててはいけないという。船に乗るときはオモカジ、降りるときはトリカジから降りろという。漁船に若夫婦を乗せると、船霊様が嫉妬して嵐になるという、など。海上禁忌に関する俗信。
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(ゾクシン)
1989年 鹿児島県
漁に関する俗信。海上で水死体を見つけると漁がある、梅干の種は海の神様が嫌いだから、海に捨てることを嫌う、漁場で口笛を吹くとそれにつれられて風が吹く、など。
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アオイヒ,ボウレイ
1929年 鹿児島県
ある夏の真夜中、港に泊まっていた漁船の所に、丘の方から青い火がちらちら輝いて舟に近づいて来た。船頭が目を凝らして見ると白骨の岩窟から亡霊が四五人歩いて来るので恐ろしくなって船室に逃げ込んだ。その姿は舟上で消えてしまった。もしかすると内地から来た人の亡魂が故郷恋しさに船で帰るのではないか。
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テング,グヒンサマ
1947年 山梨県
山で炭を焼いていると沢から魚釣りが来て声をかけた。鴉が廻りをぐるぐる飛んでいた。姿を確認しようと顔を上げたら消えていたのでちかくの人かと思ったが用事で出かけていた。天狗の仕業だという。
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リョウシノボウレイ
1982年 宮城県
漁師が難破して覚悟を決め、供養の金を胴巻に巻いたまま浜に打ち上げられた。見つけた人は金だけとって死体を海に打ち捨てた。金を取った人は金持ちになり、子どももできて幸せだったが、子どもがいなくなってしまった。回国様に聞くと恐山にいるという。行って寺の和尚に相談すると、「その子を呼んでやるがわしの衣の陰から出るな、決してすがるな」という。やがて子どもが来て和尚に「自分は漁師の亡霊の生まれ変わりだ」と言った。金を取った人が泣き崩れ、気がつくとそこは寺ではなく衣杉の下にうずくまっていた。その人は家には帰らなかった。
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