カッパ 1974年 大きな猿のようで頭頂が窪んでいて水が入っている。力が強く人と争う事を好み、賤民の家に入って婦女と姦婬する事もある。西国、九州に多い。中国にもよく似たものがいる。
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ゴライボーシ 1957年 和歌山県 夏は川、冬は山に住んでいる。道に立っているのを見たら頭が三角だったと言う人がいる。とてもよい声で呼ぶ。近くで聞こえると遠くに、遠くで聞こえると近くにいる。人のつばを嫌う。
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ケンムン 1974年 鹿児島県 赤ん坊ほどの大きさで頭の毛が長く赤い。手足が長い。よだれが青白く光る。大木に住み、その木を切った人の目を突いて祟る。漁が上手だが蛸を嫌う。
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ミアゲニュウドウ 1937年 新潟県 夜中に小さな坂道を登っているときに多く出現する。初めは小坊主の様な形で行く手をさえぎり、見上げると高くなり、ついには後ろへ仰向けに倒れるという。これに気づいたら、「見上げ入道見こした」と唱えて前方へ打ち伏すと、消え去るといわれている。
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ヤマミミズ 1979年 福岡県 『頭陀物語』という書物によると、筑紫のほうに行脚していた人が日暮れに山に行くと、火炎のように赤く、長さ1丈あまり(約3メートル)のものが、地上3尺ばかり(約10センチ)浮き、風を起こし、動くとも飛ぶともなく飛来してきたという。宿主に聞くと山蜥蜴というもので、西国には多いという。
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ヤマワロ 1985年 熊本県 夜か雨の日に山の尾根や木の下、井戸、水田、囲炉裏などに現れる。
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ヤマワロ 1989年 九州の極西南の深山に山わろというものがある。薩州にも多いという。その形は大きな猿のようで、人のように立って歩く。毛は黒く、寺に来ては食べ物を盗んで食う。しかし塩気のあるものを嫌がる。きこりなどが大木を切って動かせなくて困るとき、山わろに握り飯をあたえればどんな大木でも軽々と引いて助けになる。
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ケンムン,アカイヒ 1977年 鹿児島県 ケンムンは芭蕉畑などに座っており、座ると脛が長いので膝頭が耳の上を越すという。山の水溜りにいて、気の弱い人にはよく見える。アコウの木の下にもいる。夜の午前1時から2時ごろになると、何十もの赤い火になって、山裾の旧道を群れになって通る。
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ケモノ,ライジュウ 1978年 長野県 信濃の更科山で、ある年の暴雨の時、山から獣の死体が2つ流出した。目の大きさは犬くらい、灰色で頭は長く、くちばしは半黒く、尾は狐のようで、爪は鷲に似ていた。落雷のとき、木の根に爪の跡のようなものがあるのはこの獣の仕業か。明和7年閏7月伊奈郡駅科村で捕えられた雷獣も、近江国かがみ村で落雷の際に捕えられた獣も同じ姿をしていた。
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シイ,シオウ 1976年 奈良県 元禄14年、大和国吉野郡の山中に獣がいた。狼のように大きく高さ4尺、長さ5尺程で色は白黒赤斑と何種類かいた。尾は牛蒡のようで頭は尖り飛ぶように走る。これに触ると傷を負う。落とし穴で数十匹を捕らえた。
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タタミタタキ,バタバタ 1938年 和歌山県 夜中に畳を叩くような音を立てる怪物であるといわれいる。和歌山のあたりでは冬の夜にしかあらわれないとされ、バタバタと呼ばれている。
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ヤマワロ,カッパ 1989年 熊本県 山童は子供のような姿で全身赤い毛がはえており、一本爪蝮のような歯があり、頭の形は扁平である。オコワや酒が大好きで金物や墨壷は大嫌いである。また、人間と相撲をとることを好む。時折大きな音をたて、人を驚かしたり騙したりする。山童はいつも決まった道をとおり、そこに寝ているとおさえつけられる。春の彼岸までは山に住み、その後秋の彼岸までは川にすみ河童と呼ばれる。
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ライジュウ 1983年 加賀国の白山や信濃国の浅間山には雷獣がいるという。これは狐のような獣で、時々捕らえられて京都や大阪で見せ物にするという。鉄の網の中に入れ、何も食わず水も飲まない。夕立が降りそうな気配があると毛を逆立て、勢いが物凄いため、網の上に筵をかぶせるという。
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オクリオオカミ 1995年 島根県 月夜の晩、日原からの帰りに、孟宗藪のところを通ると、上の山で何やらかさかさ言って何かが付いてくるが姿は何も見えず、しばらくすると音はやむ。人に話すと、それは送り狼だろうと言う。狼は、足を洗うたらいの音を聞くと、家に入ったと安心して帰るものだという。
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ヤマンモン 1985年 熊本県 旧暦8月から冬の間山にいるが、毎日夕方峰に上り夜明けにまた下る。夏の間は山にのぼらない。
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テング 2001年 宮崎県 古墳の麓に古木があり、天狗が住んでいたため、天狗杉と呼ばれていた。天狗は山奥に住んでいて、人間に似ているが顔が赤く、鼻が高く、翼があって空中を飛び回れる。天狗は杉から飛び立って別の杉や松に宿ったという。
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ゴキトンドリ 1928年 愛知県 秋の夜、非常に淋しい声で鳴くのはごきとん鳥である。はすとん鳥とも言う。鷹に似た小さな体、あるいは、機織の杼のような形をしているとも言う。人がこの鳥を見ると死ぬといわれる。
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ウブメ 1979年 産婦が死後化けたものであるため、胸に両乳がある。人の子を好んで取り、その子を自分の子として養う。子供のいる家では夜、子供の衣物を外に出しておいてはいけない。この鳥は夜に飛んでそれに血をしたたらせてしるしをつける。するとその子はてんかんなどを病む。荊州に多くいて、鬼鳥とも言う。
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ウブメ 1979年 形はふくろうに似て、7、8月の間、夜な夜な出て鳴くという。
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ヌエ 1975年 梟のような夜に鳴く類の鳥なのであるだろう。
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