ユノカミ 1997年 山梨県 昔、湯の本(屋号)は暖かいお湯がわいて子どもたちの格好の遊び場であった。子どもたちが遊んでばかりいて仕事を手伝わないので、大人たちはここに猿の首を置いたため、子どもは怖がって近付かなくなった。春になってみてみるとお湯は真水になっていた。すると信心深いおばあさんが、猿の生首をおいたから湯の神が怒ってこの村には湯をくれねえとお告げがあったといった。
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オオヒト 1929年 青森県 嶽の湯に湯治に行った大叔母の入っていた湯が、どんどん熱くなった。冷まそうとして外から水を入れようとしたが、塞がれてしまう。大叔母が外を見ると、大人が湯を浴びにきていた。驚いた大叔母は、裸のままで宿舎へと逃げ帰った。このようなことが何度かあって、人々はその湯に行かなくなった。
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カミナリ,ヘソ 1960年 静岡県 昔、二人の女づれが伊豆長岡の温泉に入っていると、黒雲がおりてきて雷が窓をおしあけ浴室に入ってきた。女たちは裸なので出るに出られず困っていると、雷が二人のうち美しい女を押し倒し、へそを取ってしまった。美しい女が抗議すると、雷は「あっちの女のへそは美しくないからまずいよ」といって天に上ってしまった。
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(ゾクシン) 2001年 鹿児島県 徳和瀬では、火の神の前で女性が火箸で囲炉裏の灰を突きながら小言を言うと、言った相手に神罰があるという。
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イットノサカ 1987年 長野県 昔,山家には温泉が湧いていた。白山様は夫神から逃れて山家に来たが,夫神が温泉に入りに来ると掴まってしまうと考え,ふきの葉に湯をくるんで遠くへ放り投げてしまった。この湯の落ちた所が草津温泉である。以来,長村と湯の平には温泉がなくなり,白山さまが嫌うということで湯を掘ることもできなくなった。
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キジ 1931年 長野県 一匹のきじがある泉へ毎日のように行った。人々が不思議に思い行ってみると、温泉だった。これが別所温泉の大湯である。
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ショウシ 1974年 東京都 江戸内屋敷のある人が日待ちしていたところ、下女の子が泣くので止めさせるよう言ったら、下女が腹を立て子どもに死ねと罵った。すると子供は自ら湯をかぶって死んだ。
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カミナリ 1934年 静岡県 ふたりの女が温泉に来たとき、忽然と雷が現れ浴室に入ってきた。雷は美しい女の方を押し倒し、むりやり臍を取ってしまった。美しいほうの女が文句を言うと、雷は、「もうひとりの臍は美しくないからまずい」或いは「あの女の臍は水気が無くてうまくない」と言って、そのまま天に上ってしまった。
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(タダビトデナイヒト) 1976年 久世大納言という人がいた。風呂に入ろうとしたとき、この湯はけがれている、火をあらためよと言った。後で、火を焚いていた者が、煙草を吸っていたと白状した。この大納言はいつもこのような事があったので、只人ではないという。
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カマ 1930年 富山県 おへつついさんの前で火を焚きながら女が前を露出すると、釜がうなり出す。うなりを止めるには、一度も用いたことのない腰巻を釜にかぶせるとよい。
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アマンジャク 1961年 島根県 昔、隠岐島に温泉が出たが、アマンジャクが湯の中に小便をしたため湯の神様が怒り、それきり湯が出なくなった。
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タヌキ 1933年 大阪府 ある地蔵の近くに棲んでいる狸に、ふとしたことから、娘の流した湯がかかった。娘は、気分を害した狸に髪を切られ、その所為で娘は縁談に支障を来たしたという。
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アリクラノババ 1935年 岐阜県 昔小鳥山の南の方が鳴動した時、老婆が7日目の夜に神に祈り門口に錐を立てたら音は止んだ。また、温泉があったが若者の為にならないと老婆が馬の爪を湯の中に入れたところ温泉が冷たくなった。
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シラサギ 1963年 愛媛県 湯頭・下湯頭では温泉が沸いていたが、ある寒い日にある人が下肥桶を洗ったところ、白鷺が現れて「こんなところにはいられない」と言った。以来、温泉は止まってしまったという。後、この白鷺が道後に現れて、そこで温泉を出したという。
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オサビ 1931年 宮崎県 雨が降る晩には、筬火という火が2つ出るという。昔、二人の女が筬を返した返していないで喧嘩になり、池に落ちて死んだ。それで今も2つの火が現れて喧嘩をするのだといわれている。
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オサビ 1939年 宮崎県 雨が降る晩には、筬火という火が2つ出るという。昔、二人の女が筬を返した返していないで喧嘩になり、池に落ちて死んだ。それで今も2つの火が現れて喧嘩をするのだといわれている。
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(ネットウニスムサカナ) 1973年 長崎県 温泉岳の温泉は山の上にあり、熱湯の出る勢いになかなか近づく事はできない。ここに人がはいると何の形もなくなってしまう。しかしその浅い渚には小魚が泳いでいるという。
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ハタケ 1974年 愛媛県 伊予国道後温泉のそばの畑は、昔から不浄を嫌うといわれており、畑を汚すと祟りを得て寒熱を発するという。
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ウバガイケ 1976年 静岡県 駿河国江尻の近所に昔1人の女がいた。性格は頑なで、文禄2年8月8日媼が池に身を投げて死んだ。人がその池の近くで媼と呼べばたちまち泡が沸き返る。大声で呼んだら大きく沸き返る。
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ハクバ 1934年 石川県 村に涌出する泉は、昔は温泉だったが、前田利家に敗北した、佐々成政が、白馬の首を切って泉に捨てて以来、冷泉になったという伝説がある。
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