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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

〔アヤシネコ〕
1974年 京都府
淀城下の清養院の住持は天和3年の夏に痢病にかかった。ある夜に住持が便所に行った時、縁の切戸をたたき「これこれ」と呼ぶ声が聞こえた。すると寺で飼っていた猫が走り出て、切戸を開け、大猫を招き入れた。外の大猫は今夜納屋町で踊りがあるので行こうと誘うが、中の猫は住持が病気で相手をしているから出られないといった。すると外の猫は手ぬぐいを貸せと言ったが、中の猫は住持の許しがないので駄目だといい、外の猫を送り出した。住持は中の猫に手ぬぐいを与え、誘われたところに行けと言ったところ、猫は走り出て帰らなかった。

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ネコ
1975年 静岡県
遠江国蓁原郡御前崎の西林院の僧が猫を助けた所、その猫が寺にいついた。ある時寺男が縁側で昼寝をしていて、猫も隣で庭を眺めていたところ、隣の家の猫がやってきて寺の猫を伊勢参りに誘った。しかし寺の猫は、住職に危険が迫っているからと断った。夢現で聞いていた寺男は不思議に思ったが、その夜、天井裏で大きな音がした。4、5日前から逗留している旅僧の雲水はその音にも起きてこなかった。翌朝天井裏を見ると、寺の猫と隣家の猫が血を流し倒れており、その傍らで雲水の服を着た大きな鼠が瀕死の状態でいた。
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トラネコ
2001年 青森県
貧乏な寺で長く養われていた虎猫が、毎晩、和尚に化けて出掛けて行っては大勢の猫達と酒盛りをやっているのを和尚に見られてしまい、寺を去った。去り際、虎猫は、あるところで亡くなった姫の棺桶を自分が巻き上げるから、やって来てお経をあげてくれと言った。そこでその通りにすると、長者の家から多額のお布施がもらえることとなり、また和尚の名も広まって、寺は持ち直すことが出来た。
類似事例

ネコ,(オンガエシ)
1956年 宮城県
明治37(1904)年頃の話。清竜庵の保田孝道和尚は三毛猫を我が子のように可愛がっていたが,老齢で病の床に臥し,喜捨に頼って毎日を過ごさざるを得なくなった。ある朝,枕もとに鶏の卵が転がっており,人に尋ねてみても心当たりがないという。3,4日そのようなことが続き,ある日檀家の割烹扇屋の主人が見舞いにやってきた。主人の所では毎日のように卵がなくなるという。その時三毛猫が逃げるように部屋を出て行ったので,主人が卵をよく見ると,小さい爪痕や歯の傷,猫の毛などがついていたので,三毛猫の恩返しに違いないということになった。和尚は感激しながらもこれを戒め,半年ほどで示寂した。その頃から三毛猫も姿が見えなくなった。
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トリノハカ,ネコ,ユメノツゲ
1956年 宮城県
寛文年間(1661~1673),宗禅時住職が次のような夢を見た。「自分は檀家の某家で飼われていた鶏である。某家の飼っている古猫が一族を毒殺しようとしていたので,私は毎夜鳴いて警告したが,主人は夜鳴きをする鶏は縁起が悪いといって私を殺して川に捨ててしまった。私は今六郷堰の杭の間を漂っている。主人にこのことを知らせてほしい。」住職が翌朝六郷堰に行ってみると,確かに杭の間に鶏の亡骸が浮いている。住職は急いで某家を訪れ,夢の告げを話した。その時大きな黒猫が駆け込んできて汁鍋の上を飛び越えていったが,その拍子に尻尾の先を鍋の中に漬けていった。これに気付いた和尚が家人に猫のあとをつけさせると,猫は竹薮の中で竹の切り株に尻尾を漬けていた。切り株の中ではトカゲ・ムカデ・ハンミョウ・毒蛾などが腐っていた。毒汁を溜めた場所は,一説では愛宕神社下の断崖の中腹,古杉の根元の洞の中だとも言う。主人は鶏に恩を仇で返してしまった事を悔い,供養碑を建てた。
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ネズミ,ネコ
1964年 福島県
古寺で鼠が「三ノ宮の三妙院には必ずかたんな」と踊る。三妙院を調べてみると、神を信心する猫だった。その猫が鼠を退治した。
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ネコ
1952年 長野県
法衣が濡れているのを不思議に思った僧侶は、老猫が法衣を引き落として夜に出かけ、和尚に化けて猫を集めて法会をしていることをつきとめた。以後猫は帰ってこず、老猫が法会したところは猫屋敷と呼ばれた。
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ネコ
1936年 香川県
瀧寺の和尚さんの命を天井裏に住む鼠が狙っていた。寺に飼っていた猫がその鼠を退治した。そして猫は300軒の檀家を和尚さんに差し上げると言った。ある葬式の時、火車といって棺が上がったまま、坊主がいくら祈っても下りてこなくなった。通りかかった瀧寺の和尚さんが猫と共に棺を下ろした。それで檀家たちは感心し、300軒の檀家が瀧寺についた。
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キツネノショカン
1976年 東京都
若年の頃、親類の家に同居していた。その家の小侍がある時外出して帰ってきたら、門から入りながら「清めろ清めろ」と言った。座敷に上がり主人に対面したいと言うので、主人が会ったところ、小侍は礼を申しながら、私は上方筋の狐であるが、この地へきたところ、くたびれたのでこの小侍の体を4,5日借用したいと言った。主人に問われるままに身の上を語った狐は、自分は善い狐だから出て行くときに小侍の疳の病を治すと言い、5日目の夜に書を残して翌朝出て行った。
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ネコ,ネズミ
1939年 岩手県
寺に大鼠が住んでいて、住職の命を狙っていた。そこで飼い猫が仲間の猫と共にこの大鼠と対決するが、相打ちで死んでしまった。猫は住職の枕神に立ち、「掛け声を掛けて下されば命を落とさずにすんだのに」と怨み言を行った。
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ネコ
1933年 京都府
京都本行院の3匹の子猫が女に化けるのを出入りの甚平という男が見つけてこれを和尚に告げると、和尚は3匹とも追い払った。甚平は猫にとり憑かれて病気になり、死んでしまった。
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トリ,ネコ,(オンガエシ),(ユメノツゲ)
1956年 宮城県
元禄(1688~1704)末頃,伊達宗重の家臣坂本宇兵衛は子供がなく,飼猫と鶏を可愛がっていた。ある秋の夜更けに鶏がトキを作ったので,主人は不吉だといって鶏を殺し近くの川に捨ててしまった。同夜,この鶏が坂本家菩提寺の住職の夢枕に立ち,「自分は坂本家の飼鶏であるが,同家の猫は毒を以って主人に害をなそうとしている。夜中に鳴いて知らせようとしたのだが,主人は私を殺してしまった。和尚様から委細を話していただきたい。」と言う。住職が翌朝早く坂本家を訪ねると,丁度主人が汁椀を手にとろうとしていた。その時,同家の猫が外から飛び込んできて,椀の中に何か落としたまま走り去っていった。主人が気にも留めず椀に口をつけようとしたので,和尚は慌ててこれを止め,夢の知らせを語って聞かせた。椀の中を見ると黒じみた油と毒蜥蜴の頭が入っていたので,驚いた主人は猫を斬り捨てようとしたが,猫はそれきり現れなかった。宇兵衛は鶏に対して自らの不明を恥じ,懇ろに鶏を供養した。
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ネコマタ
1913年 島根県
飼い猫が年をとると猫又になるという。昔、ある寺の飼い猫が猫又になり、夜になると袈裟をかぶって町へ出て唄を歌って歩いた。猫を寺から追い出すと、4、5日経って裏の池に猫の死体が発見されたという。
類似事例

ネコ
1931年 長野県
昔、梅渓院という寺に斑猫が住んでいた。この猫は毎夜住職の衣を借りて狸や狢と問答した。ある時それを見た住職が「ご苦労だったな」と言うと、猫は行方知れずになった。数日後、山芋を謝恩の意で置いていった。
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ネコアシイシ
1956年 宮城県
昔,この地に大芝居の巡業がやってきたので,金持ちの呉服屋が老母一人を留守番に残して芝居見物に出かけた。老母が一人で芝居のことを色々想像していると,その家の古猫が「おばあさん,お芝居をして見せようか。その代わり,人に告げたら生きていられなくなるよ」と言う。老母が承知すると,猫は後肢で立って巧みに忠臣蔵を演じて見せた。さて,老婆は家人の話に釣り込まれて猫の見せてくれた芝居の筋を語ってしまう。それは家人が見たものと同じであった。わけを尋ねられた老母が,トラ子(飼い猫の名)が見せてくれたことを告げたので,家人が気味悪がって明日飼い猫を殺すことになった。ところが,翌朝になると老母が床の中で死んでおり,傍らにいた老猫は一足跳びに7,8間も跳ねのいて逃げ去った。その時の足跡が石の上に残り,「猫足石」といわれている。
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ネコデラ
1939年 京都府
ある古寺の和尚は、飼い猫が女の姿で踊っているのを目撃した。怒った和尚が猫を隠すと、猫が夢に現れて、武士の訪問を予言する。果たして、翌朝武士が現れ、さる大名の娘の葬儀を行いたいと言う。それに合わせて建物が大修繕され、寺は立派になった。
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フルネズミ
1936年 岩手県
和尚さまが居つくたびに化物に食べられてしまう正法寺という寺があった。そこに托鉢の和尚さまが泊まった。和尚さまは釜の中で寝たので、化け物に食べられずにすんだ。そして化物の正体は古鼠であり、デンジョウ坊という猫が嫌いなことを知ったので、その猫を借りてきた。そして猫と鼠が戦い、共倒れになった。和尚さまは猫を厚く葬り、寺の住職になった。
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ネコ,タビノソウ,コロモ
1990年 長野県
ある家で不幸があったとき、外出できないほど天気が荒れた。そこへ旅僧が来て、「小川村の法蔵寺の住職を頼め」と言って消えた。法蔵寺の猫は住職の衣を着て猫にお説教をしていたが、それを住職に気づかれたので消えた。恩返しとして、葬式の日に天気が荒れても、この衣を着てもらえば葬式が出せるようにした。法蔵寺は檀家が増えた。
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イヌ
1975年 東京都
寛永15年の事。江戸糀町の常泉寺で他所から来た犬が3匹の子を産んだ。しかし母犬はその内の1匹の面倒をみなかった。ある時住持の夢に母犬が現れ、我は前世遊女であり、ある男との間に2人の子を産んだ。先妻の継子も1人いたが、運悪く自分も3人の子も死んだ。しかし思いもよらず自分も犬に産まれ、3人とも自分の子犬に産まれ変わった。継子の父は未だ存命で、きっとここに来て子犬を乞い求めると告げた。やがて男が来て、母犬が面倒を見なかった子犬を求めたので、住持はその子犬を男に与えた。
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ネコマタ
1974年 東京都
元禄年中のこと、増上寺脇寺の徳水院で赤猫を飼っていた。ある時、その猫がねずみを追いかけながら梁から落ちた時、南無三宝と叫んだので、人々が猫まただったのかと言ったところ、どこかへ行ってしまった。
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カイビョウコタババ
1987年 長野県
昔,ある六部が根津村の長命寺大日堂にお篭りしていると,子猫が沢山集まってきてうるさく鳴く。よく聞くと「国分寺の小太ばば来なけりゃ踊りにゃならん」といっており,大きい怪猫が嵐と共に入ってきて子猫達と共に踊り狂った。六部が仕込杖で怪猫を刺すと,血を滴らせて逃げていった。次の日,「小太ばば」が門前の小太郎の家の老婆であることを知り,訪ねてみると,老婆は昨日足を痛めて寝ているという。六部がお薬師様に祈願して法力を身につけ小太郎の家に乗り込むと,老婆は怪猫の本性を現して尾野山に逃げ込んだ。家を探すと,縁の下から老女の白骨が現れた。小太郎は薬師様に願をかけ,六部の助けで尾野山に飛びつけて怪猫を仕留めた。今も国分寺の裏に六部の石塔があり,小太郎屋敷という地名も残っている。
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