イチョウ,ウトウ 1935年 青森県 允恭天皇のとき、烏頭中納言安潟は勅勘を蒙ったが 高倉の霊夢により外ヶ浜についた。安潟の死後、どこからかひと番の異鳥が飛んできて、雄がうとうと鳴けば雌はやすかたと鳴いた。ある時猟師がその雄を捕らえると、メスはそれを悲しんで啼いたが、まもなく猟師も非業な病に倒れた。里人は恐れて塚を立てて祀った。後に勅使が下って三角相という桶にこの善知鳥安潟をとらえ、大神宮に祀ったという。一説にはこの鳥は海鳥で、砂の中に巣をつくり雛を養育し、母鳥がうとうと呼べば、子鳥がやすかたと答えるという。
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カラス,コウマレガラス 1984年 福井県 「子生まれガラス」といって、烏がたいへんにぎやかに鳴くと、どこかで子どもが生まれる。
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カラス,コウマレガラス 1984年 福井県 「子生まれガラス」といって、烏がたいへんにぎやかに鳴くと、どこかで子どもが生まれる。
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ヤマイヌノヘヤ,オオカミ 1990年 長野県 ししが平には、山犬の部屋と呼ばれる岩穴がある。ここにはおおかみが住んでいて、子が生まれると村人は赤飯を祝いに持って行ったという。翌日、おおかみはきちんとお礼返しにやってきたという。
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カラス,(ゾクシン) 1932年 沖縄県 烏は不吉の鳥である。烏が鳴くときは「ヰークトゥカタリ」(好い事語れ)と言う。
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〔イツクシマノカラス〕 1982年 山口県 周防国の岩国稲荷が遣わした烏の内の2羽は、厳島弁天が孵したもので、他の鳥は厳島には棲まないという。この烏には雄と雌がおり、春を迎えて子を産み、6月15日に弁天社の上を親子4羽で啼いた後、親烏は厳島を発って岩国へと飛び去り、子烏は厳島に残ったという。
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ヨシカドリ 1973年 長崎県 アオバヅクのことを「ヨシカドリ」と呼ぶ。母親がヨシという子とカシという子を水田の番に使わしたが、2人とも洪水で流されてしまう。母親は悲嘆のあまり鳥になり、ヨシカカシカと呼びながら我が子を探しているのである。
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〔ミズチ〕 1977年 蛟の卵は土中に生じて、数年を経てかえる。卵が破れると、産まれた蛟は天に昇る。この時には、山崩れや洪水などが起こる。これを防ぐには、まず卵を探す。卵のある場所には草木が生えない。かえる時には、かならず地面が鳴動するので、それをうかがって、卵を掘り出し、割ってしまうと災害は起きないという。これを撲蛟の術という。
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ウブガミサン 1982年 愛知県 悪い方角を避け、アキノカタという方角に向って産をすると、ウブガミサンがやってきて安産できると言われた。
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(ヤマノセイ),(ヤマオニ) 1983年 猟師善助の妻くにが、ある日山に入って薪を取り帰ろうとすると人事不覚に陥った。やがて気が付いて自宅に戻ると懐妊しており、そして岩八を生み、数年後同じ事があって喜八を生んだ。これは山精や山鬼と交合したためだという。生まれた岩八や喜八はどちらも髪の毛が真っ赤であった。
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ナブタブ,アカマタ,マジモノ,ケンムン 1973年 沖縄県 那覇に嫁入り道具を買い出しに行った帰路、森に小用に入った娘が帰ってこなかった。親が心配して捜しに入ると裸になり岩窟の前で寝ていた。また、アカマタの子供を産んだ話もある。
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ウスバカゲロウ,ウドンゲ,(ゾクシン) 1933年 千葉県 ウスバカゲロウが屋内の鴨居などに卵を産んだのを優曇華といい、吉兆として喜ぶ。
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ユシキョ 2000年 沖縄県 ユシキョは珍しい鳥である。元は女性で、夫に耐えられなくなり、片方の乳房を子供のために切り落とし、鳥となって去っていった。この鳥は赤く、片方の乳房がない。姿を見ると死ぬ運命となる。
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ダイジャ 1941年 新潟県 おしま大蛇が四匹の子蛇を産んだ。その子供を隠した石は、どれ程力がある者でも動かすことができなかった。ある時暴風となり、石がどこかにいってしまった。その日はおしま大蛇が退治された日でもあり、子供を隠した石もどこかに持って行ったのだろう。
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ヤマノイヌ 1935年 愛知県 山に山犬がたくさん住んでいた。ある年、山の犬が岩の間に仔を産んだのをある人が見て帰った。その人の妻が隣近所と相談して、産見舞として重箱に入れた赤飯を岩の間に置いておいた。それから参拝に行き、帰りに重箱を受け取りに行くと、重箱の中は空で元のように風呂敷に包まれていた。
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(ゾクシン),イナウ 1933年 北海道 扨て子女を産む方法として、柳の生木で造った「イナウ」で若い女性の腰部の辺りを打つのである。これは柳を誕生樹と認めているからであろう。またイナウを赤子の寝床の傍らに置き、生い先を守ってくれるように祈る。
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キツネ 1986年 茨城県 老人が狐を助ける。その晩狐が若い娘姿で家を訪れ、息子と結婚し子を成す。ある日子が鷲に攫われそうになり、狐は正体を知られ山に帰ってしまう。だがその後も人知れずその家の田畑を耕した。この狐を祀ったのが女化神社で、神社の砂を田畑に撒くと作物がよく実る。
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カラス,ヨチョウ,シノヨチョウ 1950年 島根県 烏が墓場の方から鳴くと死人の、荒神社から鳴くとお産の知らせである。
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ヤマイヌ 1932年 長野県 堂田というところの大石の下に山犬が巣をかけていて、夜になると里へ出てきては荒らしまわって困ったが、ある時産があったので赤飯をふかして持っていった。すると重箱の中へ雉を入れてお礼に持ってきた。それからは一度も荒らすことをしなかったという。
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ヘビノムコイリ 1981年 鳥取県 美しい娘のもとに毎夜美男子が訪れる。袴に糸をぬいつけておき、そのあとをたどっていくと、山の中の大きな洞穴からその男のうなり声がして、娘に子ができたと話しているのがきこえる。家に帰って菖蒲酒を飲むと、盥いっぱいの子蛇を流産した。
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