キビョウ,イシモチ 1975年 広島県 文政5年夏、備中笠岡の文助という者が腫れ物を患った。やがて腫れ物が潰れて、中からイシモチという魚が出てきた。頭はないが、鱗やひれはきちんとある。文助はこの魚が好きで、頭を除いてよく食べていたというが、なぜそれが完全な形で出てくるのだろうか。
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イタチノカイ 1973年 東京都 文政4年、江戸牛込袋町代地のある商家の娘で、癪を持っているものが体のあちこちに腫れ物ができる奇病にかかった。やがて娘の体から針が出るようになった。夜になると娘が寝ている回りや蒲団の下を鼬が歩きまわっている。
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ユウチュウ 1973年 青森県 奥州南部領蒲野沢村に住む兵八は、文政7年6月20日に異物をはき出した。去年から腹痛がひどかったので鍼を用いて直そうとすると背中に痛みが逃げた。そして次第に腹が大きく膨れ、最後には臍が破れて大量の水が数日出てきた中に蚘蟲と思われる異物が入っていた。
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ハレモノ 1982年 京都府 元禄16年5月、京油小路二条上る町で、12歳の男児が甚だ発熱し、腹中に腫れ物ができた。それに口が開き、その口が本人の言葉に従って喋った。その口は何でも食べ、食いすぎはよくないだろうと口を押さえたら高熱が出て罵った。ある医者が5,6種の薬を配合し本人に与えたところ、一両日でその口は無くなり、10日ほどして肛門より長さ1尺1寸、頭に角が1本ある雨竜のような物が出てきた。
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リョウトウノカメ 1975年 元亀2年の霊陽院義昭公が信長公に押し込められた時にも両頭の亀が出た。
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ヘビ,リュウ,ウリュウノゴトクナルモノ 1974年 京都府 京あぶら小路二条上ル町で、元禄16年5月上旬、子供が急に発熱して中旬頃腹に腫物ができ、そこに口が開いて喋ったりものを食ったりするようになった。医者が薬をその口に飲ませたら10日程後に子供の肛門から竜のようなものが飛び出した。
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リョウトウノカメ 1976年 元亀2年、霊陽院義昭が信長に押し込められた時、両頭の亀が出た。
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ロクソクイヌ 1974年 京都府 文政10年3月11日に、山城州宇治郡山科郷花山村に住んでいた庄右衛門が飼っていた犬が6本足の犬を産んだ。前足2本・後ろ足4本、尾は1つで肛門は2つあった。
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ヌエ,サルガミ,ヘビガミ,イヌガミ 1931年 愛媛県 源頼政の母の病が重かった頃、頭は猿、尾は蛇に似た鵺という怪獣が京都の紫宸殿に現れ、頼政が退治を命じられた。仁平3年4月7日、頼政は母から贈られた矢で鵺を射落とした。その夜、母は他界したが、鵺は現れなくなったという。退治された鵺は斬られて摂津の川尻へ流されたが、四国に流れ着いて祟りをなしたとか、頭は讃岐に着き猿神に、尾は伊予で蛇神に、手足は土佐、阿波に着いて犬神になったともいわれる。
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ソウセイガッタイ,イケイノコ 1973年 愛知県 文政10年の夏に、尾張の百姓銀之右衛門の妻きをが、体に頭が2つと手足が4本ずつある男子を産んだ。これは双子が合体したと考えられ、不祥な事とされた。
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フクタロウ,カワタロウ 1935年 神奈川県 相州金澤村の漁村、重右衛門の家に持ち伝わる箱に、水難疱瘡の守り神と記してあり、家の中に祭ってあった。享和15年5月15日夜に重右衛門の妹の夢の中に童子が来て、私はこの家に久しく祭られるが、未だによく知るものがいないので、一社を建ててくれ。そうすれば水難疱瘡麻疹の守り神として擁護するといった。妹はそれを親類に告げ、箱の中を見ると異形のものがいた。面は猿のようで四肢に水かきがあり、頭には凹んだところがあった。それを福太郎と称した。その後他の家に出したがそこでも夢告があり、水神と勧請した。またさまざまな霊験があったという。
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リョウトウノヘビ 1973年 東京都 文政7年11月24日の7時頃、本所竪川通り町方掛り浚場所で、卯之助という男が両頭の蛇を捕まえた。長さは3尺あったという。
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ムシ 1980年 新潟県 糸魚川城下で、40歳ほどの漁師の首が太くなり、次第に腫れ上がって全身が発熱する病にかかった。妻がその傷口を掻いたところ、中から蟲があふれ出してきた。もしこの蟲が病人の身体に付いたら、たちまち皮肉の間に入ってみえなくなるという。形は虱のようだったが、それから病は平癒したという。
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オサキ 1975年 群馬県 大正8年頃20才の男が流行性感冒にかかり弱っている所にオサキがついた。半年ほど苦しみ祈祷の効果が無いので有名な稲荷神社へ御札を受けに行かせたが札が届くと同時に死んだ。腹には穴があいていた。その男についたオサキは隣家から来たとしゃべった。当時両家は土地の境界争いをしていて、それが原因と考えられた。
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ミナモトノヨリマサ,ヌエ 1983年 源頼政の蟇目は、鵺という奇怪な物を退治したという。
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クギョウニバケタムジナ 1956年 宮城県 百五,六十年程前の話。地方巡検にきた公卿の一行が片浜下の畠山家に泊まる事になった。この公卿は魚が大好きで,鰹など家人の驚くほど貪り食った。七日ほど滞留したが,その間一度も入浴せず,また犬を大変嫌っていた。余り外出しなかったが,たまに出て行くと犬が集まってきて異様に吠える。出発の時も犬を避けるためか,舟で出て行った。公卿は気仙の有住で群犬に襲われて咬殺され,狢の正体を現した。この古狢は京都のある寺に棲んでいたのが奥州に下ってきたのだと言う者もいる。畠山家と階上村の近藤家には,お公卿様が書き与えられたという護符の掛軸がしまってあるといわれる。
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キツネ 1976年 東京都 文政5年、コロリが流行した折、狐が人に憑いて人命を損ずることが少なからずあった。本所松井町のある女房が8月23日に突然発狂したようになったので、これは狐が憑いたのではないかと、色々ありがたいお札を集めたり、祈祷など行ったが効果がなかった。そこで伊勢神宮のお祓いなら恐れないものがないだろうと持ち出したら、女房は震えだし、お祓いを納めてくれるように懇願した。早々に立ち退くように命じたところ、手を窓の外へ出してくれるように願った。狐は手の指爪の間に潜んでいるという。そこで手を引いて窓の外へ出したら、その場で女房は倒れて、気がついたときには何も覚えていなかった。
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クギョウニバケタムジナ 1956年 宮城県 百五,六十年程前の話。地方巡検にきて泊まった公卿が余りに魚類を食べるので家人が魔性のものかと怪しみ,風呂に入れてみた。節穴から覗くと大きな狢が一匹風呂桶の縁に立ち,尻尾を湯の中に入れたり出したりしていたので,家人は相談の上鉄砲でこれを射殺した。家人が戸を開けて中に入るとやはり公卿の姿だったので驚いたが,故老の言葉に従って翌日朝日に照らしてみると,大狢の姿に還った。この古狢は京都のある寺に棲んでいたのが奥州に下ってきたのだと言う者もいる。畠山家と階上村の近藤家には,お公卿様が書き与えられたという護符の掛軸がしまってあるといわれる。
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(バケモノ),テング 1982年 文政13年10月頃に、土井能登守領地の山里小屋に詰めていた豪傑の足軽が小便に立ったところ、32歳ほどの女が座っていた。足軽は女を捕らえようとしたが、逆に倒されて引きずられ気絶する。仲間が大勢来ると女の姿はなくなっていた。また女に掴まれた後の傷は最初紫色だったが、後には黄色になっていたという。これは天狗の仕業かと考えられた。
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(セキジ) 1983年 東京都 文政8年2月18日に、葛飾郡柳島百姓与右衛門の持ち場である川岸に、耳の穴が4つ、手が4本、足は2本、足の間から胞のような物が下がっている赤児が流れ着いたという。
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