ニワトリ 1993年 静岡県 山梨県側まで行ってツクリ(焼畑)をしていた人が、正月になるので小屋を引き揚げる際、鶏をタテウスを伏せた中に餌とともに入れて置きっぱなしにしたら、その祟りで目を病んだ。鶏を焼畑の小屋に置いてきて、異変が起きたという話は多い。
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ニワトリ 1974年 福井県 福井は松本の旅籠屋・藤屋で、ある夜に飼っていた鶏の雄を殺して料理をしたところ、雌が竈の前に飛んできた。人がその雌鶏を別のところに置いたが、程なく飛び降りて慌ただしく鳴いたという。これはただ事ではなく、雄鶏を慕っていたからと人々は恐れて食わなかったという。
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ニワトリヅカ,ノロイ 1972年 青森県 商家の妻が病気で臥せっているところ、訪れた六十六部が床下より北方3間ばかりのところに鶏が埋めてある、と告げた。翌日さっそく言われたところを掘ってみると、生きているかのような白雄鶏が発見された。鶏をつかった呪いであるという。
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ニワトリヅカ 1956年 宮城県 和尚は寺の鶏が毎晩宵トキを告げるのをきらって、鶏を殺して寺の後ろの広瀬川に捨てる。その夜、和尚の夢枕に鶏が現れ、「飼猫が毒殺を企てているから注意するように」と告げる。あくる朝、和尚の膳の上を飼猫が飛んで椀の中に毒を落としたが、危機を免れる。この忠義な鶏の墓が山門の内側にある。
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ノロイ 1993年 静岡県 昔は焼畑地の確保をめぐって、呪いのカケックラをした。作の良い場所を他人が作ろうとするとジバツがあたるように拝んだ。
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ジヌシノナイトチ 1956年 宮城県 所有者が必ず死ぬと言う奇怪な土地がある。これは,昔旅に行き暮れた六部を泊め,その所持金に目がくらんでこれを殺害して屋敷の一隅に埋めてしまったためで,六部の怨霊がいつまでもその地の所有者に祟って夭折させたり作物を不毛にしたりしたのだと言う。その後六部の墓を建てて弔ったが,今日でもはっきりした所有者はなく荒れるに負かされている。
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キツネ 1974年 京都府 西山御坊を建立しようと場所を買った。そこは狐が多く住む所で、その巣穴を掘り返し地取をした。門主がその地を見分に来たが狐にだまされ帰路深田の中を歩かされた。御堂も焼失することがあり、狐のしわざと言われた。
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タタリヤマ 1949年 東京都 イヤイ沢は祟り山で、材木ほどの大蛇を見た、頭が尾にもついている鳥が棲んでいる、などと言われ、炭焼きは入るのを嫌がる。地主に祟ると言われ、以前の持主は祖母が火傷が元で死に、続いて孫も死んだという。
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メイドウ,タタリ,オノノケヒト,オニビ 1974年 和歌山県 紀伊国高野川の北に非常に険しい山があった。この山に人が登る事があると忽ち鳴動し、樵夫が木を伐ると祟りをなして病気になるという。ある至孝の農民が、病床の母に頼まれた山鳥を狩りに山に入り、鳥は得たが道を失った。杉の陰に燐火と思うものが燃え農民を呼ぶ声がした。見ると貴人がいて、自分が祟りをなしていた、地面の下を探って寺に移してほしいと言う。山を下りて後、法師と山を探ると骨があり、それは小野毛人のものであった。
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ヤマイヌ 1989年 長野県 ある時、山へ薪取りに行くと、何者かに食われて鹿が死んでいた。喜んでその鹿を持ち帰ると、夜になって家の回りを山犬が駆け回り吠え、家人を脅した。山で恵みがあったときは、少しでもいいので何か残してこなければならないという。
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キツネ 1989年 長野県 ある人が飯田の方へ行ったとき、昼寝していた狐に石を投げたら当たった。狐は痛そうな泣き声を上げて山の方へ逃げた。帰路、狐の寝ていたところに来るとにわかに薄暗くなり、日が暮れた。困ったと思っていると、向こうから弔い行列が来る。怖くなって道端の木に登ると、木の回りを回って、根元に棺を置いて火を焚いて帰っていった。棺が焼け落ちると中から死人が出てきて、木を上ってきた。その人がてっぺんまで上ると枝が折れて落ちた。悲鳴を上げると、辺りは元通り明るく、その人は土手の下に落ちていた。
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キツネ 1988年 奈良県 惣五郎と言う人が三反御作(3反歩ある大きな田)を植えた帰り、溺死した子狐を見つけ葬った。その夜戸を叩く者がおり、「お田引いた惣五郎さん、三反御作みな引いた」と5,6人の声がした。翌朝見ると植えた苗はみな引き抜かれ、狐の屍骸が掘り起されていた。親狐が思い違いをしていると思い、狐のいそうなところを釈明して歩いたら、その夜に伊勢音頭の音がして「お田引いてすまなんだ、三反御作また植えた」と声がした。翌朝、家の前には大きな鏡餅が置いてあり、田はもとどおり植えてあった。
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ヒジャマ 1977年 鹿児島県 ヒジャマは空の甕に宿をとり、家を焼く。ヒジャマに焼かれそうで危険な年は、小屋を作って甕を置き、その小屋に火をつけて焼いた。その火の勢いでヒジャマを天へ帰したのである。
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ベンテンサン 1942年 鳥取県 弁天さんのある土地を買い取った家が、弁天さんをお宮(県社倉田八幡宮)におさめ、祠跡に鶏小屋を建て汚くしたのが悪かったらしく、不運が続いたので、綺麗にして、また弁天さんを祀ると、運が良くなったという。
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ソウトウノヘビ 1966年 秋田県 山に柴を刈りに行ったら、滝の沢というところで馬が動かなくなった。頭が二つで尾のない蛇が潜んでいるのが馬には見えたのだった。村の若者が火をつけて蛇を焼いてしまったが、最初に火をつけた人は病気になって死んでしまった。蛇の怒りと言うことで、そこに神社を建てた。
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テング 1922年 岩手県 炭焼きをしていた子供が、大檜のところで白髪の老人に連れ去られ、岩屋に住むようになった。食べたことも無いようなおいしいものが出てきたりしたが、両親が祈願をこめた八幡神社のお告げには天狗も逆らえず、子供を返した。
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(ダイジノタタリ) 1984年 山梨県 大寺の跡を買い取ってヒエなどを作っていたが、夕方に地鳴りがするので怖くていられず、石の宮を祀って祭りをするとおさまった。後年この家の人が移住する時に石の室を移したところ、家族が次々と病気になったので、石の宮を元に戻したらことがおさまった。今でもそれが残っている。
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ヤマノカミノテンバツ 1983年 山梨県 猟の好きな人が富士の裾野で猪を仕留めそこなって、向かってきた猪を抑えているときに、これで猪は終わりにするから勝たしてくれと山の神様に祈った。それで勝って猪を持って帰ってきたが、約束を棚上げにしてしまった。帰ってこないので探しにいったら、雪の中を立ち往生していた。山の神の天罰である。
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ニワトリツカ,ネコノドクサツ 1972年 宮城県 檀家で飼われていたが宵鳴きがうるさいと殺された鶏が、寺の住職の夢で「その家の飼猫が主人たちを毒殺しようとしている」と告げた。住職が檀家にそれを告げると、猫が汁鍋の上を通り過ぎたとき尻尾からしずくがおちた。跡をつけると、竹の切り株に毒物が蓄えられていた。
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キツネ,ジュウグンスルキツネ,モウレン 1972年 鹿児島県 西山家の裏山には狐の巣があり怪しいことが時々起こる。明治中期、安山家の鶏が西山家の裏山に住む狐に取られた際、西山家の人間がこの巣の前で鶏を返さないと狐取りをすると脅したところ毛がきれいにむしり取られた鶏が安山家北東のタブノキの枝に止まらせてあったということがあった。西山家の裏山の狐は日清、日露戦争にも挙って従軍したという。部落から従軍者が出ると狐が集って気勢を上げるということであったが、第二次世界大戦中の狐の集会は大規模であり、提灯行列が狐の巣から薙野まで続いたということだ。しかし昭和21年、毛は焼けただれて、肉は落ち、骨を皮にやせ衰えた最後の狐が榎を切るなと喋った。いつの間にか狐の姿は消えて榎の枝が風にそよいでいるのみであり、その葉に狐の毛がついていた。この榎のあたりはもうれんがたびたびでる場所であった。
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