フナガタヤマ,ケンカマツリ 1956年 宮城県 加美郡色麻村の小栗山権現は姉神、船形山権現は妹神で、ある時一本のカンザシを奪い合い、妹が手に入れる。姉は奪おうと追いかけるが、妹は橋を落としたり、大石を道に転がしたり、大木を倒したりして逃げた。船形山へ一足という所で姉が迫り、大工が作っていた馬舟の中に隠してもらい、姉は諦めて帰る。妹は舟から出て近くの池で髪の乱れを直し、カンザシが水鏡に映るのに満足して船形山に入った。ここを鏡ヶ池という。以来、船形山の祭は喧嘩祭となり、梵天を奪いあって勝った組は駆け足で下山、途中で木の根や大石を転がす習わしとなった。
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ヘビ 1974年 埼玉県 武州板橋から1里ほどいった処の西戸田村に、2人の娘を持つ寡婦がいた。その姉の方も不孝者で、母に食事を与えなかった。姉の夫が隠れて食物を与えたが姉に見つかり、食物を奪い取って蹴散らした。それもあって母が病気にかかり、泣く泣く寝屋から出て井戸に身を投げた。姉の夫は驚いてハシゴを降ろそうとたところに姉がやってきて、姉は誤って井戸に落ちた。すると母は半身が蛇となって姉に巻き付いたが、夫の志が忘れがたく、やさしさを気にかけて許すと言って姉を放し、母は死んだという。姉もしばらくして死んだ。
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オニ 1965年 高知県 節分の夜、姉が鬼に連れ去られて舟に連れ込まれた。姉が豆を投げたら、豆が鬼の目に入り、鬼が暴れて舟が沈んで、姉は泳いで逃げ帰ることができた。姉が山仕事に行った時にさらわれて、弟が助けに行った、という話にもなっている。
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ユメ 1928年 愛知県 ある女が20歳のときの話(20年前)である。姉の病気が重くなり見舞に行こうと思っていた晩のこと、誰かが戸を叩くので声を掛けると、それは患っているはずの姉であった。中に招き入れたが、姉は黙って土間に立っているだけであった。そのとき、戸を激しく叩く音が聞こえたが、気づくと自分は床に寝ていた。しかし、まだ戸が叩かれているので戸を開けると、飛脚が姉の訃報を知らせにきたのだった。
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オトヒメ 1977年 徳島県 貧乏な姉と金持ちの妹がいた。姉が門松を海中に投げると水神が現れ、門松の礼に狆をもらう。狆が米3合を食べて小判3両を出し、姉は金持ちになる。妹がチンを借りていき、死なせてしまう。姉が死骸を埋めるとエノミの木が生え、実の代わりに小判が成った。
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ヘビノオムコサン,テンセイ 2001年 沖縄県 蛇の婿と結婚した末娘は幸福に暮らし、それを嫉んだ姉に殺される。姉は妹になりすますが、妹は鳥や樹木、家具に転生して姉を苦しめ、最後には人間に転生して再び夫と結婚する。沖縄では漲水御嶽の物語がある。
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ブナガヤ 1985年 沖縄県 10歳の頃、川岸で芋を洗っていたら、ブナガヤが現れ、それはまるく真っ赤なものであった。驚いて芋をほったらかしたまま逃げ帰ったが、姉は信じてくれなかった。それで姉と2人で川に行ったら、姉もブナガヤを見てびっくりして、芋を置いて家に戻ってきた。
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ヘビ,ヘビムコイリ 1941年 朝鮮 平壌の南門外に女性しか生まれない家があり、醜い家督争いが繰り返されていた。そこには3人の娘がおり、ある男が姉のもとに毎晩通っていた。その男が通う最後の日に下婢が朝食を運ぶと、部屋一面広がった大蛇に取り巻かれて、姉が面白そうに笑いながら唄っていた。
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オニ 1991年 鹿児島県 姉弟二人のうち弟がいなくなった。集落の人が弟は鬼になって山にいると言うが、姉は信じようとしない。握り飯に針をさしたものを作り、それを食べるなら鬼だと教えられその通りにすると、全部おいしいといって食べた。姉は本当だと信じ、逃げると鬼が追いかけてきたが裏白のしげみにかくれて難を逃れた。また、ススキの根の赤いのは鬼の血だともいう。
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キツネ 1985年 和歌山県 山にシタガリに行ったときのこと。姉が迎えに来た声がしたから帰ろうかと思ったが、周りはまだ仕事をしているのでおかしいと思い、キツネかと思って声のほうに石を投げたら、声はしなくなった。それから家に帰って確かめたが、姉は迎えに来ていなかった。キツネの仕業。
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テンセイ 2001年 沖縄県 薪取りに行った婆が薪を持ち上げられずに泣いていると、按司がやってきて仕事を手伝い、妹娘を嫁にもらい、幸せに暮した。姉は嫉みから妹を井戸に突き落として妹になりすました。按司が捕えた小鳥は悪さをするので姉に食べられてしまう。骨を埋めたところから松が生え、姉がその機で機を織ると綺麗に織れないので燃やす。隣の婆が機の火を持ち帰ると黄金になる。箪笥に入れると綺麗な娘が機を織っていた。姉の正体は按司に露見し、姉は軒下に隠れて虫になり、妹は再び按司の妻になる。
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キツネ 1980年 秋田県 ある男が山に行って帰ったこなかったので探したら、「いい姉様に連れられて歩いているうちに迷ってしまった」と言った。狐の仕業。
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アネサマ,ヒョウタン,キン 1953年 ある爺が鹿小屋を作ってシシボイをした。ある夜、ひどく騒ぐ音がする。爺が合いをとると、返事をする。さらに一層騒ぐので見ると向かいの山の峰に美しい姉様が立って、両脇に美しい瓢箪を抱いていた。姉様は向こうから「おひょうらんこ…」というので、爺が早く来ておぶされというと、姉様と瓢箪が背中におぶさったと思うとすぐ消えて、背に金の塊がのっていた。爺は長者になった。
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ユメ 1914年 大阪府 美人で仲の良い姉妹がいた。ある日、互いの昨夜の夢の話になり、姉は太陽が昇る夢を見たと言い、妹は月が西山に没する夢を見たと言った。すると姉は、逆夢といって良い夢を見ると実際は悪いことがあるだろうと言い、妹は反対に正夢として悪いことがあるだろうと、共に悲観した。そこで夢の交換をしたところ、妹は出世したが、姉は一生不遇だった。
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ミズカガミ,マ,(ゾクシン) 1915年 和歌山県 水鏡をすると魔にさされるという。
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ミヤル,ヌルクンガナシ 2001年 鹿児島県 昔中山のキサドンという寺に美しいミヤルという女神が住んでいた。この女神をメヨウガン寺のヌルクンガナシという男神が惚れ、毎日通っていた。女神は千日通ったら夫婦になると約束したが、千日目に自分は女神であるから夫婦になれないと男神を拒絶した。男神は神であるという証拠を見せろと迫り、女神は証拠に炭火を掌に乗せて死んだ。死ぬ前に女神は中山部落に美人が生まれぬよう祈った。女神は顔以外は鱗の生えた魚の精であった。
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カシカラソセイシタハナシ 1944年 岩手県 花巻にいた病人が盛岡の姉の元に白装束で現れた。気が変になったと思い後を追ったが見失ってしまった。そこに花巻から危篤の電報が届いた。行ってみると蘇生しており、事情を聞くと、昨日姉に会ってきたという。日時も事情も合っていた。魂が行ってきたのである。
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ザオウサン,ガッサン 1956年 宮城県 姉妹の神が月山を所望して争った。そこで父神は、蓮華の花を作って寝るとき胸の上に上げておくようにいいつけ、明朝見比べて出来のよい方に月山をやろうと約束する。夜中に妹は姉の蓮華が自分よりもよく出来ているのを見て、姉の眠っているうちにすり替える。翌朝父は妹の方がよく出来たといって妹に月山をやる。姉は泣く泣く蔵王山へ飛んで行った。人の物を盗んだ者は月山には登れるが、蔵王には絶対登ることが出来ないのはこのためだという。
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ドクジン 1983年 岡山県 土公神は火の神、イロリの神、カマド神、作神、牛の神、家の守護神であり、一家の中心的な神である。大黒柱や炊事場の付近で祀っている。
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ユウレイ 1987年 長野県 幽霊は,恨みを晴らすために,白い着物で足が無く乱れ髪で,恨みをもった人の家にでる。
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イキリョウ 1967年 新潟県 死の床にあった姉の亭主の生霊が親類宅を訪問していた。
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