タクセン,カミ 1994年 福島県 社日の日に村の女の年寄り達がお籠をしていると、神に憑かれて託宣をする人がいる。
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ノリワラ 1967年 福島県 はやまの神がよりついて託宣するものをのりわらと称する。多分「告童」の意味だろう。はやまごもりの当夜、神前に座して潔斎した村人に祈祷のことばを唱和されると、たちまち神が乗り移って身体に震動をおこし、聞くことに対して託宣する。
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ハヤマノカミツケ,タクセン 1964年 福島県 のりわら(葉山の神がのりうつる人)に、世の中のこと(翌年の作柄のこと)、へい行病や火事のこと、個人のことの順番で託宣をきく。このとき、のりわらは幣束を上下に振り夢中の体であるが、急に幣を放り上げてうつ伏せになることがある。これを「神あがる」といい、「拝みあげ」と称して人々が「さんげさんげろっこんしょうじょう」と唱える。のりわらに塩水を飲ませると正気に戻る。少し休ませたあと、氏子はまた拝んで神をつけ、聞くことが終わるまでくりかえす。終わった翌朝、供物をもって山のお宮に参り、料理をたべて精進あげをする。使った幣束はうまやの入り口にさしておくと馬にけががないという。
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ハヤマゴモリ,ノリワラ,タクセン,カミ 1964年 福島県 羽山ごもりでは、結願の行事として羽山大神の前で託宣が行われる。俵にすわったのりわらが祈祷し、はじめは神官が託宣を聞く。神様のつごうによって、毎年出てくる神様がちがうという。どの神様に聞けばよいか羽山大神にうかがうこともある。神官が聞き終わると、小姓、一般信者が聞いても良い。終わると結願となって山を下る。
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クチヨセ 1967年 福島県 春秋の彼岸などに個人の家で近親者や村人を集め先祖の霊を呼びわかさまの代弁で聞く。
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リュウジョ 1934年 香川県 行基菩薩がある山を調伏したら、龍女が現れて飛び去った。その時残った一本の笄を、龍女の御神体として祀り、この山を挿山と名付けた。旱魃の時はこの山に雨乞いをすると不思議に験があると信じられている。
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イタチヨセ 1964年 福島県 いたちよせは、鎮守の境内に燧岳神社の祭場をつくり、よりが中央に座る。のりうつる人は、最初は幣束をもって、のりと呪文を唱える。その周囲をいたちの神よせをする人たちが5人や10人で拝んでまわる。呪文は「だいけんにっそん日のー神、だいじょうがっそん月の神、しんとうかじ」と唱えて印を結び、「玉の如く、かがみの如く、つるぎの如く、清く美しく・・・」などと唱える。やがてよりの手がふるえてきて、すわったまま飛び上がったりし始めると、よりが乗り移ったという。本人は意識がはっきりしなくなっている。このとき質問すると問答のようにこたえるが、これをお託宣という。よりはだれもがなれるものはない。村人の中にやる人がいたが、燧岳に参拝して信心しても行が足りず、いたちがつかなくなった。いたちよせのとき、村人はのてっぽうの幹をとってきて、地面をたたきながらまわったという。女人禁制の儀式である。
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ヤマイヌ 1989年 長野県 ある猟師が山の神に山犬の子が欲しいと願ったところ、二匹授けてくれた。ある時、猟に行くと何も取れなかったので、火を焚いていた。猟師は「俺は夕食食べて寝るが、何も取れなかったので我慢してくれ」と言うと、山犬が尻尾に水を付けて火を消すということを繰り返した。おかしいと思って木に登って見ていると、被せてあった蓑にかみついたので、殺すつもりだと悟って撃ち殺した。すると先祖に祟ったので供養した。憑き物があるときに、入れ物のほこりを払うと、憑き物が落ちるという。
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ミコ 1956年 宮城県 春秋の彼岸会、盆会や死者の忌日に家族や親類縁者などが巫女を囲んで、幽界からの死者の言葉を聴き、また聴きたい事柄について、巫女を通じて託宣を受ける。巫女は神懸り状態に入るために舞踏や呪文、呪具などを用いる。
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ヤマノカミ,オイタアマ,ロウバ,イケノヌシ 1983年 岡山県 尼ヶ山の山頂には池があり、その池の主でもある山の神は、老いた尼の姿をしているという。ある年、日照りが続いて稲がみな枯れそうになり村中で心配していたところ、一人の老婆が現れて、自分を祀れば雨を降らしてやろうと言った。村人がその老婆の姿が見えなくなった池に祈ったところ、大雨が降った。今でも、日照りが続くとこの池に雨乞いをするのだという。
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スギノタタリ 1983年 岩手県 話者の山に生えていた、神木と言われた杉を伐った人夫が死に、買った人は失明した。祟りを鎮める為に、山の神と若宮八幡を祀った。
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(ミナモトノタカアキラノタタリ) 2004年 岡山県 源高明が備前の国で神としてまつられているが、託宣があった。高明が村人に祟りをなしたので、山科顕言が奏上して勅が出て、高明には従一位が与えられた。
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オコゼ,(ゾクシン) 1975年 愛媛県 猟の少ないときは、オコゼを持って山に入りちらちらと見せつつ、「山の神さん得物をお願いします。得物があったら、これを全部見せます」と言っておまじないをする。こうすると、山の神さんはオコゼ見たさに得物を与えてくれるという。
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テング 1981年 神奈川県 山の神をお祀りしてある山に天狗の住処といわれた大松があった。ある日美しい娘が行方不明になり天狗の仕業だということになった。松のところにさがしに行くと娘が座りこんでいて、話をきくと、やはり天狗にさらわれたということであった。
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タケノノボリ 1987年 長野県 昔,日照りが続いたとき,村人達が夫神岳と女神岳に「大雨を降らせてくれればあらん限りの供物をささげます」といって祈願した。そして長い布を竹の先に張って竜神をあらわし,幾つかの幟を立ててまず夫神に登って祈った。すると不思議なことに,夫神岳の上空に九頭竜のような形の霊体が現れて女神岳の上空に進み,山を包んだ。すると間もなく大雨が降ってきて村人達は助けられた。
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ヤマウバ 1983年 岐阜県 山姥に宝物をもらった人がいた。その人の子孫が猪番をしているとき、竜宮の乙姫のような若く美しい女が現れて「大切にしろ。よいことがある。」というようなことを言った。
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モリコ,オオユミモリコ 1922年 茨城県 もり子という者達がいる。これは大抵盲目の婦人で、病家などへ招かれて八百万の神や先祖以来の仏を呼び集め、また自分に仏を乗り移らせて、祖父であるなどと名乗りつつ種々の告げをする。大弓もり子ともいう。
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ヤマノカミ 1982年 新潟県 旧12月12日の山の神祭りには、山形県小国町から山伏をよび、頭屋の祭壇の前にシメを張り、村の男をミコに立て、目隠しをし、両手に幣束を持たせてかがませ、山伏が経や陀羅尼を唱えて祈祷し、村民は棒で床板をたたきながら心経をよんだ。これで山の神がミコに憑き、問い役のゲンジトリが12月以降の狩のことや村内のことを聞き、それについて託宣があった。この神憑けの祈祷をシラツケ(シラモノツケ)といっていたが、大正初年には中絶した。
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イキカエリ 1974年 福島県 おばあさんが死んだので子や孫が呼んだら生き返った。おばあさんによると、青々とした野原を通っていると山や空が見え、杖をついて行くと後で声がするので振り向いたら生き返った。
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ヤマガミサマ,テングサマ 1928年 富山県 山の中では「おおいおおい」と大声をあげて叫ぶと山神様が連れに来るから言わない。また「おおいおおい」と言うだけで相手の名を呼んではならないとも言う。名を言うと天狗様がつれに来るからである。
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