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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

オカマゲエロ
1982年 群馬県
ジクナシ(臆病者)の男の子が厠に行けず、家の中から庭に小便していると、向うの山から「きさまのちんこはでっけえなぁ」と言うので、「でっけえから来てひんなめろ」と言い返したら、「ようし、なめるど。おおい、なめべえ」と言って近寄ってくる。家の者が皆起きて鍬や鉈を構えて待ち構え、みんなでとっちめたらオカマゲエロ(蛙)のでっけぇのだった。

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ヘッピリヨメゴ
1956年 宮城県
屁っぴり娘が年頃になり嫁にいったが、屁をこらえていたので顔色が悪くなった。心配した姑が話を聞いて、「心配せず屁をたれろ」と言ったので、嫁は「炉ぶつにつかまって」と言ったので姑は言うとおりにした。嫁が屁をやらかすと姑は向い山までふっとんだ。腰をさすりながら帰ってきた姑に追い出されて、嫁は実家にも戻れず、街道をずっと歩いていた。途中木綿屋の前で木いっぱいになった梨を落とせなくて困っていた。嫁が全部取ると言うと、木綿屋のおやじが「取れるもんならとってみろ、とれたら反物をうんとやる」という。嫁が屁をやらかすと梨は大風にあったようにすべてもげた。約束どおり反物をいっぱいもらい家に戻ると、姑ガガも喜び、「お前の屁はそんなに役に立つのなら家にいろ」と嫁はまた家に戻れたという。
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ヘビトカエル
1956年 宮城県
薬売りがある晩、田んぼ道を急いでいると、1匹の大蛇がビッキ(蛙)を今にも呑もうとしていたので、「そのビッキを逃がしてやったら俺のオガダ(嫁)にしてやる」というと蛇はビッキを放した。3日ほどあと、17,8の美しい娘が薬売りの寝所に来て「あなたのオガダになるから側に寝させてくれ」と裸になって床に入ってきた。次の晩から毎晩同じ時間にやってきて、だんだん薬売りはやせていった。ご祈祷しても治らず困っていたところ、ある夜少し年取った女がきて、「わたしは助けてもらったビッキだが、今夜あの娘がきたら、今自分は病気で苦しい、それを治すために辰巳の方角の山にある大きな木のワシの卵をとってきてくれ、と言え」と話して去る。薬売りがそのとおりに言うと、娘は蛇となり木に登り卵をとろうとしたが、枝が折れて下に落ちていくところを大ワシが飛んできて蛇の目をついて殺した。それで薬売りの病気は治ったが、蛇は執念深いものだということだ。
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カエルノコ,カミサマ
1928年 鹿児島県
子供のいない老夫婦が神へ祈ると、老婆のひざから蛙の子が生まれた。蛙の子は村一番の金持ちの娘を連れて帰り、祝言をあげることになった。花嫁の次に風呂へ入ったとたん、蛙の子は立派な若者になった。老夫婦は神様が授けてくれた子だと言って喜んだ。
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カワソ,カワウソ
1985年 愛媛県
子供が放屁すれば「カワウシオドシが来る」といって戒めた。深夜帰宅している途中放屁したら、数匹の獺が集まってきて道をふさいだ。困っていると中間が通りかかって同道を頼んで無事帰宅できた。
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ヘビノムコイリ
1981年 鳥取県
美しい娘のもとに毎夜美男子が訪れる。袴に糸をぬいつけておき、そのあとをたどっていくと、山の中の大きな洞穴からその男のうなり声がして、娘に子ができたと話しているのがきこえる。家に帰って菖蒲酒を飲むと、盥いっぱいの子蛇を流産した。
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ニオウ
1977年 神奈川県
仁王様が夜遊びに出かけ、ある家でお婆さんが糸をつむいでいるのを覗いたところ、そのお婆さんが大きな屁をした。仁王様がおかしくてくすりと笑ったところ、お婆さんが「におうか」と言ったので、仁王様はびっくりして逃げ帰った。
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ウツクシイチイサナオボウサン,キツネ
1975年 愛知県
ある人が、永太郎にある山の神経痛の神さんところで大便がしたくなった。大便をしていると、決まってペタペタと音がすることが2・3回続いた。通りがかると大便をしたくなり、何者かがそれを食べている。決まって前を美しい小さなお坊さんが歩いていた。ある日股の間からのぞくと、後ろで狐が逆立ちして尾をふらふらさせていたという。
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オニ,カミナリサマ,ゴロゴロサマ
1933年 岡山県
土用の丑の日に料理していた鰻が逃げ、爺さんが追いかけているとお天道さんのところに登ってしまった。そこにあった大きな家には大鬼がいて、鬼の女房が火打石を打つと稲光が出て、鬼が太鼓を叩くとドロドロドドンドンと音が鳴った。鬼に渡された小さな甕の水を爺さんがちょびっとこぼすと夕立が降った。婆さんが帰ってきたとき爺さんは昼寝をしていて、自分の棹を振り回して寝小便をたれていたという。
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オカネウムムスメ
1956年 宮城県
昔、名鰭沼のふちに夫婦が住んでいた。子どもになかなか恵まれず、願かけて神に祈っていると、春の猫柳の芽がふくれる頃、嫁の腹が大きくなり、ついに女の子が生まれた。しかし片目片耳の子だったので、人目をさけてボロに包んで納屋においておいた。あるとき用事で、どうしても子を背負って町にいかなければならぬことになったので、慎重に包んで出ていった。町の用事がすんで帰るとき、石の上に子どもをおろして休んでいると、腰のまがった白髪の爺さんがきてボロをはがして子どもを見て「これはいい子だ。神様の授かりものだ。今にお金を生むから毎朝米一粒ずつつかませておけ」と言い残して消える。ためしに米一粒つかませるとお金を一つ産んだ。夫婦はしだいに金持ちになったが、慾の出た夫婦は「うんとつかませたらうんと生むだろう」と、ある日つかみきれないほど米をつかませると、子どもは死んでしまった。
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エンコ
1980年 広島県
ある人が田の石垣を作っているとエンコが現れ相撲を挑んできた。負けたら肛門を抜かれると思い必死に相撲をしたが勝負が付かない。腹が減ったので休戦して弁当の食べているとおかずの筍を竹だと思ったのか、あんなもの食べる人間には勝てないといって逃げた。
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ヨミジガエリ
1982年 新潟県
村のあねさが難産で、タラツキといって、気を失って死んだようになった。そのとき家の者が屋根の上にあがって「カカ、カカ」と大声で呼んで、一斗マスの尻を斗樽でたたいたら気がついた。ヨミジガエリをしたという。花畑を歩いていって、川に架かる橋を渡ろうとしたら、うしろから呼ばれて目が覚めた。その川は三途の川で渡れば死ぬとこだったと、あねさはいった。
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オオゴエ
1955年 秋田県
爺が山で木を伐っていると「だんだー木を伐るのは」という声が聞え、爺が「ニシイサラサラトンピンパラリのプー」と屁をやるとお礼に軽いつづらをもらい、金や宝物が入っていた。隣のスクスクバンバが真似をして重いつづらをもらったが、あけるとビッキ、イモリ、蛇などばかりが出てきた。
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ヘビ
1965年 高知県
庄屋の娘が井戸に水汲みに来て、ヘキ(蛙)を呑もうとしていた蛇を見つけ、水をかけて蛙を逃がしてやった。蛇は恨みに思い、武士に化けて娘に通った。庄屋がどんなに用心しても、蛇は節穴から入って通ってきた。ある日、ライ病を患った遍路さんが「菊酒桃酒菖蒲酒を飲めば娘の悪い子種が下りる」と告げた。酒を飲ませて、タライに湯を張り、娘にまたがせたら子が降りて、蛇が孵った。それで正月の若水を汲むときには、かけの魚(カケノイオ)についている松に火を点けて、蛇がいないか確かめなくてはならない。
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オニ
1961年 和歌山県
百姓が雨がなくて嘆いていると、鬼が雨を降らし、かわりに一人娘をさらって行った。娘は鬼の家で鬼の子を産み、鬼の子がお爺さんに会いたいというので、鬼の留守に鬼の車に乗って逃げ出した。鬼が追いかけてきたが、笑わせて逃げ切った。お爺さんの家に行き、鬼が怖いと言っていた青い剣と青いヒルに似た菖蒲とヨモギを軒端に下げて鬼を退散させた。それが五月節供の由来。
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タヌキ
1984年 埼玉県
白石の下の家にある日の夕方、得体の知れない男がやってきてイロリにあたらせてくれという。おじいさんとおばあさんがあたらせてやるとそれからちょくちょく来るようになった。どうもおかしい、その男はタヌキの化け物ではないかと思った。翌日は餅を食べていき、次の日にやってきたときに酒を飲ませると、火の側でウトウトしだし、見ていると木の葉が出てきた。そこで石を焼いて焼き餅だといって投げてやるとその石が股の間にのったので、タヌキは逃げ出してそれ以来2度と来ることはなかった。それはムジナ沢のタヌキである。
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〔チゴクイニオウ〕
1986年 埼玉県
仁王様の近くで子供が赤ん坊を背負って遊んでいた。背負っている赤ん坊が泣き止まぬものだから、仁王様の前に下ろして夕方まで遊んでいた。帰ろうと思って仁王様の前まで来ると、赤ん坊がいない。母親も共に探し、もしやと思って仁王様を見ると、赤ん坊の帯ひもが口から垂れ下がっていた。村中大騒ぎになり、仁王様を谷底に突き落とした。その時仁王様は「オホホン、オホホン」と笑ったので、そこをホホン沢と呼ぶようになった。また、仁王様はそこで屁をした。その谷の近くはビリ沢という。
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キンノヘラ
1956年 宮城県
昔、お羽黒様(神社)のような所に、なまけもののほいとう(乞食)がいた。うまい金儲けがないかと思っていると、「下の沢に金のへらが落ちてるからそいつで尻を撫でろ。そうすると、トッピツ、トロペツ、トントコピッコ、ロクドの太皷の、皮になーらばなーれ、スッポンポン、スッポンポンと鳴る。やめたくなったら裏で撫でろ」という夢を見た。ほいとうは大喜びで次の日行ってみると1本のへらが落ちていた。早速拾って尻を撫でると「トッピツ、トロペツ、・・・」と鳴り出した。裏でなでるとぱったり止まった。ほいとうは尻を鳴らして金儲けをしたが、ある晩糞をしてこのへらでふいてから、何度裏でふいても音が止まらず、「トッピツ、トロペツ、・・・」と毎日毎日鳴るので、とうとう死んでしまった。
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テング
1985年 徳島県
山の上空を笛や太鼓を奏でながら飛ぶ天狗がいた。近所の男性が不用意に放尿した為に山が不浄となり、怒ったから、その仕打ちとして山で前方をふさがれた人がいる。
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ヘビ
1973年 富山県
ある良家の娘のところに若者が毎日のようにやってきた。不思議に思って小袖に糸を縫い付けて、それを辿って行くと、山奥の池の中に入っていった。中から「人間は利巧だから、やめたらどうか」「人間に孕ましたから大丈夫だ」という声が聞え、恐ろしさのあまり菖蒲の中に身を隠したら菖蒲の香でヘビの子がおりた。
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ダイジャ
1963年 山梨県
けちな親子が息子の嫁に「飯の嫌いな子」をもらいたがる。ある日息子が山で泣いている女に出会う。「誰かに嫁にもらいたい」と女は言い、息子が「飯が好きか」と尋ねると、女は「飯ほど嫌いなものはない」と答えるので嫁にした。息子の留守中に女は大釜で飯を炊いて一気に食い、押入れに入って「人くさい」という。息子はただものではないと思い、「山へかえれ」というと、女は「帰るが飯を籠一杯に持っていく」という。籠を背負って山へ行くが籠がだんだん軽くなるので振り向くと女の着物を引っかけた大蛇がいた。
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