イヌガミサン 1979年 徳島県 犬神さんは、人をうらやんだりするとすぐその人に取り憑く。主に女性に憑く。念仏講で念仏を唱えると、憑かれた人がしゃべる。傍の人が力一杯叩いて「もういね」と言うと落ちたという。
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(ゾクシン),イヌガミ 1935年 山口県 犬神は人に憑く。憑かれた人は走りだし、倒れると犬神は逃げていく。
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イヌガミ,イヌガミモチ,カゼモチ 1965年 宮崎県 犬神持のことを風持ともいう。犬神にとりつかれると正気を失い、気の違ったようなことを口走る。その後ばったり倒れて、正気に戻る。
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イヌガミ,イノガミ 1939年 島根県 犬神のことをいのがみと呼ぶ。多くの場合、女性に憑く。憑かれると、その人は憑いた犬神持ちの人の言動をするようになる。20分ぐらいで倒れ、昏睡する。2・3日は浮かぬ顔をして過ごすが、次第に平静に戻る。
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イヌガミ 1986年 大分県 犬神に憑かれると胸・足・手などが痛み,急に肩を揺すったり犬の真似をしたりする。犬神が憑いた家は金持ちになる。男女問わず,物を欲しがっている人,執念深い人,喜びや悲しみの中にいる人に憑きやすい。犬神持ちの人に対して喜怒哀楽の感情を表すと憑かれるので,彼らは恐れられ嫌われていた。犬神は原則的に個人に憑くが,犬神の憑き易い筋がある。犬神筋と結婚するとすぐに憑かれると言われ,縁組を嫌われた。
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イヌガミ 1965年 宮崎県 犬神は妬みや憎しみの対象の人やその周囲の人、また老人や妊婦などの弱い人につく。犬神に憑かれて病気になった人は、自分のした悪いことなどを明かすと治る。
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イヌガミ 1951年 徳島県 犬神に取り憑かれるのは、意志の弱い人である。意志の強い人は、犬神持ちの人の傍にいくと、犬神持ちの人が逃げていってしまう。都会では犬神のことを信じていない人も多い。
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イヌガミ 1986年 愛媛県 犬神は病気している人によく憑いた。憑いたら太夫さんやお山さんにおまじないをして取り落とした。病人に犬がとり憑くと病人が「ワンコワンコ」と吠えた。拝んでもらうときに病人が「イヌルイヌル」と叫ぶと犬が落ちて元に戻る。本人は性根が二つあったんだと思う。
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イヌガミ 1964年 高知県 犬神に憑かれた人は、犬神が体を縫い通し、体の中で通っているところが腫れてくるという。全く知るはずのないことを口走ったりする。親指を握り締めて絶対放さないので、憑かれているとわかる。
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イヌガミモチ 1922年 島根県 自分の郷里には今なお犬神の迷信があり、犬神持といわれる家が少なくない。犬神というのは猫によく似て口は耳まで裂け、目は虎のように鋭く、体には白と黒の斑がある。犬神持の家でお膳の底を叩いて、団扇をかざして床の上から見ると犬神が見られる。犬神持の家から何かを貰った時、惜しいという気持ちが少しでもかかっていれば犬神がついてきてとり憑く。犬神に取り憑かれたものは正気を失い、どこそこの犬神で何々が気に食わないなどという。犬神持といわれる家は財産家が多い。
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イヌガミ 1985年 愛媛県 犬神の正体は犬の霊とされている。犬神に憑かれると犬のようになる。延宝五年の宇和島藩の記録に、犬神持ちであるために追放された親子の記述がある。東予地方のある村では犬神に憑かれると犬の鳴き真似をしたりしたりするが、ゴキトウで落ちるという。
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イヌガミ 1986年 愛媛県 犬神の憑いた人は予言をしたりする。これは、人間が犬神の魔力を持つから予言できるようになる。
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イヌガミ 1951年 徳島県 犬神に憑かれた人が、おこもりすると、一時的になおることがある。しかし、気を強くもつことで、本当に犬神にはやられなくなるのである。
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イヌガミモチ,モノモチ 1922年 島根県 犬神持、狐持という迷信がある。これらを物持(ものもち)という。同じ犬神持でもそれぞれに癖があって、家畜につくものと人間に憑くものがあるという。
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イヌガミ,(ヘビガミ) 1979年 四国には犬神ということがある。犬神を持っている人が誰かをにくいと思えば、その人に犬神がついて心身を悩まし病気にする。病気になった人は犬神の事ばかりを言うようになる。中国や西国あたりの蛇神も同じようなものであるだろう。
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イヌガミツキ,キツネツキ,トウビョウツキ 1954年 山口県 犬神はネズミ位の小動物で、憑く者に使われ、その数は74匹とも75匹とも言われる。犬神の姿は憑く者にしか見えず、憑く動機は怨恨、物欲、偶然等と信じられている。犬神憑の家筋は栄えるのも早いが凋落も早い。憑かれると犬の真似をしたり、口から泡を吹いてテンカンに似た症状を起こすとも言われる。犬神筋から嫁を貰えば、貰った家も犬神筋になる。狐憑きやとうびょう憑きも同様のことが言われており、また狐憑の家筋の床下か屋敷内には必ず狐穴があると信じられている。
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キンタカコウ,カゼモチ 1965年 宮崎県 キンタカコウは犬神のようなもので、人にくらいつく。犬神よりも位が高い。キンタカコウに憑かれた者を風持ちという。子どもがこれに憑かれると、大人でも知らないようなことを口走る。キンタカコウが憑くのも家筋によると言われる。
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イヌガミ 1986年 愛媛県 犬神がとり憑く前は天井の方がぞろぞろいい、気味が悪くなるという。そうなると家の誰かがとり憑かれている。そうなると、「さあいぬるぞ」といって、戸口で死んだように倒れ、犬神が抜けるときもあるが、そのまま戻らないときもある。
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イヌガミ 1985年 徳島県 以前ある老婆に、犬神筋の男性の犬神が憑いた。女性はその男性の声で、自分の由来を具体的に喋ったという。近くの祈祷師に拝んでもらい、犬神を落としたという。
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イヌガミ 1985年 愛媛県 犬神が憑くのを防ぐ方法として、胡麻を煎って仏様に寄せるという方法や、迷うような人に人に憑くので迷わないように注意することがあげられる。犬神や蛇神が憑いたときは石鎚の祈祷師に拝んでもらうと落ちるという。
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