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検索対象事例

イヌガミモチ
1922年 島根県
自分の郷里には今なお犬神の迷信があり、犬神持といわれる家が少なくない。犬神というのは猫によく似て口は耳まで裂け、目は虎のように鋭く、体には白と黒の斑がある。犬神持の家でお膳の底を叩いて、団扇をかざして床の上から見ると犬神が見られる。犬神持の家から何かを貰った時、惜しいという気持ちが少しでもかかっていれば犬神がついてきてとり憑く。犬神に取り憑かれたものは正気を失い、どこそこの犬神で何々が気に食わないなどという。犬神持といわれる家は財産家が多い。

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イヌガミ
1922年 山口県
犬神は白と黒の斑のある鼠で、犬神憑の家に行って高粱のからを枕にして寝ると見える。犬神持は士族にはなく主に町民で、他の人から嫌われており結婚しない。犬神持は気に入らないことがあればすぐ人に憑ける。落すには祈祷をしたり焼け火箸を額に当てたりする。寿司を作っているところを犬神持に見られるとその寿司は食えなくなる。(筆者の)母の実家は萩であるが、その借家に犬神持ちがいて、ある時家の都合で立ち退きを命ずると大層恨まれて「かならず家を絶やしてやる」といわれ、その通りになった。
類似事例

イヌガミモチ,モノモチ
1922年 島根県
犬神持、狐持という迷信がある。これらを物持(ものもち)という。同じ犬神持でもそれぞれに癖があって、家畜につくものと人間に憑くものがあるという。
類似事例

イヌガミモチ
1922年 島根県
犬神持の家は皆残らず犬神を飼っていて、酷い者になると親指の爪の両側に突起があるという。もし犬神持が他人のものを欲しいと思えば、すぐにその持ち主に取り憑く。犬神憑が出るとその家の者は酷く怒って叩いたり殴ったりする。すると犬神は去るという。犬神が憑くと腹痛を起こす。家の者が気付いて欲しがっている物を与えると治る。
類似事例

イヌガミ
1986年 大分県
犬神に憑かれると胸・足・手などが痛み,急に肩を揺すったり犬の真似をしたりする。犬神が憑いた家は金持ちになる。男女問わず,物を欲しがっている人,執念深い人,喜びや悲しみの中にいる人に憑きやすい。犬神持ちの人に対して喜怒哀楽の感情を表すと憑かれるので,彼らは恐れられ嫌われていた。犬神は原則的に個人に憑くが,犬神の憑き易い筋がある。犬神筋と結婚するとすぐに憑かれると言われ,縁組を嫌われた。
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イヌガミツキ,キツネツキ,トウビョウツキ
1954年 山口県
犬神はネズミ位の小動物で、憑く者に使われ、その数は74匹とも75匹とも言われる。犬神の姿は憑く者にしか見えず、憑く動機は怨恨、物欲、偶然等と信じられている。犬神憑の家筋は栄えるのも早いが凋落も早い。憑かれると犬の真似をしたり、口から泡を吹いてテンカンに似た症状を起こすとも言われる。犬神筋から嫁を貰えば、貰った家も犬神筋になる。狐憑きやとうびょう憑きも同様のことが言われており、また狐憑の家筋の床下か屋敷内には必ず狐穴があると信じられている。
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イヌガミ
2002年 山口県
犬神持ちは人にも憑くという。いわゆる狐つきのようである。憑かれた人は犬神の持ち主のような言葉を使い、種々な事を口走るという。祈祷してもらいその霊が落ちる時には四足で飛ぶ真似をし、倒れて初めて正気がつくという。
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イヌガミ
1954年 高知県
高岡郡の東津野村での昭和17年の聞き書きでは、犬神は鼡(ねずみ)に似て小さく、尾に筋があると言われ、犬神統の家では犬神を集めて飼い、毎朝供物をするという。他人がこれを殺すと犬神統の家に異変があると言われる。憑かれたときは、狐の皮を吊すとよく、憑かれた物のうわごとが犬神統の人と同じ声色になるという。
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イヌガミ
1954年 島根県
犬神持ちの人は妬み根性が強いと言われている。犬神は相手に食いついて病気にしたり、西瓜を水っぽくしたり、蚕を腐らせたりする。また、ご馳走を作るところを見られたら、すぐにお裾分けしなければならないし、犬神持ちの家から何かを貰ったときは、それ以上の返礼をその日の内にでも持って行かないと、品物に犬神が憑いて悩ます。
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イヌガメ
1922年 島根県
狐持やイヌガメ(犬神)という迷信がある。犬神持は狐持のように憑いたりすることはないが、ある家が犬神持であればそれは何代も系統を引く。他の人には害はなく、付き合いなども普通にする。
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イヌガミ
1996年 徳島県
集落に1・2件は犬神筋の家がある。嫁が持っていればついてくる。憑かれた人に太夫が御幣を持たせるとピョンピョンとんで、ばたっと倒れ仮死状態になった。憑かれるのはおっちょこちょいの人が多い。憑くと目つきが変わる。太夫が拝むとどこから来たか答える。予防には出雲大社がよく効くという。持っている人と喧嘩をすると追いかけられる。その家で生まれた女性は全部持っており、その家に嫁に行くとうつる。何か特別の神を祀っている。先祖のようだがよくわからない。
類似事例

イヌガミ
1951年 徳島県
犬神に取り憑かれるのは、意志の弱い人である。意志の強い人は、犬神持ちの人の傍にいくと、犬神持ちの人が逃げていってしまう。都会では犬神のことを信じていない人も多い。
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イヌガミ
1975年
犬神というのは、その人が先代で犬を生きながら土中に埋め、呪を誦しておいた犬の念が憑いて煩うものである。犬を祭ればすぐに治る。くちなわも「とうしん」といい、おなじようなことをなす。田舎、西国辺りでは今でもある。
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イヌガミツキ
1922年 福岡県
人がしきりに他人のものを欲しがり、いやな目つきで人を睨む癖があると、あれは犬神ではないかというが、犬神系統の家筋はない。ある時女中の盗み食いが悪らしいからと、犬神が憑いた。握り飯と焼酎をくれれば退くというのでそれを使いに持たせ、慣例どおり川の向かい岸に行かせたが、犬神を信じない使いが握り飯を失敬したので犬神が怒った。使いが平謝りし、また送り届けると女中は本復した。
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イヌガミ
1986年 愛媛県
犬神の話は終戦前まであった。妙なことやつまらないことを言う人は犬神が憑いたなどといい、あの家は犬神スジだ、あの人が犬神の系統だといって、敬遠したり嫁のとり手がなかったりする。
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イヌガミ
1922年 香川県
香川県池西村に犬神筋の家があり、近隣の人も追いかける。自分の家の下婢がやられたことがある。その病状は急性で、一種の癇癪であり、病人は正気だが熱は非常に高くて目の色は変になった。数日前に犬神筋の人と口論になり仲違いをしたという。犬神が憑くと握り飯を3つ作って病人の体をなで、その後その握り飯を犬神家の家の壁に投げつけると、その翌日には全快した。最初に犬神を作るには白犬を首だけ出して埋め、その前に茶碗に飯を盛って置き、命令に服従するならその飯を食わせて神に祀ることを誓い、最後に首を一刀で切るという。
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イヌガミ
1922年 島根県
犬神持と狐持は同様の形式で伝わっている。犬神は鼬よりも小さく、犬に似て口先の尖ったものといわれる。症状は狐憑と全く同じである。
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イヌガミ
1938年 徳島県
犬神は代々女に伝わる。娘が15歳になったときに母親から伝えられるといわれている。特に好かれるか嫌われると噛まれる。話者の祖父が犬神をつけられ、どこの誰にどうして犬神をつけられたかを口走り、四つんばいで歩くようなり、ついには死んだという。犬神に噛まれて死んだものは体のどこかに犬の歯型があるといわれている。
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イヌガミ,(ヘビガミ)
1979年
四国には犬神ということがある。犬神を持っている人が誰かをにくいと思えば、その人に犬神がついて心身を悩まし病気にする。病気になった人は犬神の事ばかりを言うようになる。中国や西国あたりの蛇神も同じようなものであるだろう。
類似事例

イヌガミツキ
1922年 高知県
犬神憑というのがある。これは代々子孫に伝わるもので、その家を犬神統という。犬神は他の人に食いつくことがある。犬神統のものが他の人のものを欲しがったり、あるいは恨んだりするとその相手に食いつく。
類似事例

イヌガミ
1996年 徳島県
犬神持ちの家筋は3年3月の間同じ釜の飯を食べるとうつる。嫁が持ってくればその家が筋になる。女性だけが持っている。持っている女性は1家に1人でその人が亡くなれば次の女性に受け継がれる。道筋の家ではそれをどこかにまつっている。感情の起伏によって憑く。持ち筋の女性にたけのこをくれと言われたが、あげることが出来なかった時に嫁に憑いた。その後子供にも憑き、熱が出てうわ言を言った。層や祈祷師に頼んで伏せてもらうのが普通である。予防の方法も伝えられる。
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