カシャ 1992年 宮崎県 明治の初めごろのこと、ある女の人の葬列で、火車が遺体を奪ったという。
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カシャ 1992年 宮崎県 通夜には誰かが遺体のそばにいなければ、火車が遺体を盗みにくるという。
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カシャ 1965年 宮崎県 葬送の野辺送りのときに、棺が軽くなり死体がなくなっていることがある。それを「火車が通る」と言う。
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カシャ 1973年 山梨県 精進に寺がない時には竜華院まで坊様を頼みに行っていたが、その近くに火車という化物が住んでいた。葬式が出るたびに死体を食おうと狙っていた。ある時村に葬式が出ると火車は飛脚に化けて竜華院にたのみに行ったが、坊様は見破り、施主に葬式を2回出し、最初の棺には石を入れておくよう指示した。最初の棺が出ると空に黒雲が沸いて雲の中から火車が飛んできて棺をさらっていった。その隙に施主の家では2回目の葬式を出して骨を無事に寺に納めた。火車は「竜げん坊主にだまされた」と叫んだという。
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カシャ 1932年 岡山県 旧熊谷村では火車が出て時々死体を食うとされた。妙八を叩くと火車が来ないというので、葬式の時には必ずこれを叩く。
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ムシノシラセ 1935年 奈良県 話者が名付け親になった親類の子が、汽車に轢かれて死んだ。話者が発見し、奈良で葬式をあげた。
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マモノ 1986年 死体が魔物にさらわれることがある。夜通し山駕籠で死体を運んでいると、ガンジガラメにしてあったのに飛び出したという話や、棺を墓に運ぶとき晴天に雷が鳴ったので、坊主が袈裟を棺に掛けたが、死体はなくなっていたという話がある。
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カシャ,ネコ 1992年 宮崎県 火車は葬列の遺体を奪う。行いの悪かった人の葬式の日、晴天がにわかに時化て火車が遺体を奪おうとしたが、僧が棺に座って払子で祓ったので退散した。火車は猫であった。
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カシャ 1955年 山梨県 左右口村(現・甲府市)の寺の方丈が、葬式で瀬戸山の前を行列していると、黒雲が出てきて火車が来て棺をつるし上げた。方丈が印を結んだら火車は棺を下ろした。そこを火車穴という。
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(ゾクシン),シニン 1933年 京都府 葬式の帰路は行きと同じ所を通らないと死人が迷う。
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カシャ 1983年 茨城県 清宿の吉成氏が実際に見た話だが、自殺したある若い娘の葬式が野辺送りに出ようとすると、突然暴風雨のようになった。坊さまが「火車が亡者をとりにきたのだ」といって、棺の上にのり妙鉢をたたいて拝んでそのまま野辺送りをすると、嘘のように天候がもとのようになった。不慮の死をとげた人の葬式にはよくあることだという。
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オヘンロサン 1984年 愛媛県 坂の谷に遍路墓があったが、予讃本線開通の時に墓石を土中に落とし込んで埋めてしまった。ある人夫が病気にかかり、祈祷師に拝んでもらうと、お遍路さんが祟っていると告げられた。墓石は掘り出されてもとの場所近くに戻された。
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マシャ 1968年 岡山県 酉の日に葬式を出すと、墓へ行く途中魔者が黒雲に乗って死体をとりに来る。死体が奪われると音がして急に棺が軽くなると言う。
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カシャ 1973年 山梨県 竜華院の後ろの滝戸山には火車という怪物が棲んでいて、葬式のたびに棺桶の死人を奪おうと狙ったとわれる。和尚は智恵をしぼって火車を欺き葬式を無事にすまそうとした。
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キツネ 1928年 福岡県 ある人が、葬式の帰りに狐に誑かされて2日2晩帰ってこなかったことがある。近所の人たちが集まって鐘や太鼓を鳴らしながら探した。
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ホネ,シタイ 1940年 青森県 悲恋のために死んだ娘の骨を回収に行くが、重くて持てない。「恋人のいるところへ連れて行くのだよ」というと軽くなった。また、その家族が続いて亡くなったが、棺の中で死体が鳴ったという。
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キツネ 1990年 長野県 常磐の葬式に行った帰り、きつねに化かされて、持っていたご馳走を全部食べられてしまった。
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タタリ 1997年 長野県 中原の洞で旅の六十六部が行き倒れて亡くなったので、近くの人たちが葬った。しばらくして近くに災いが起こり、行者を頼んで調べてもらったところ、六十六部の墓を粗末にしている祟りだと教えられ、祀りなおした。
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キャシャ 1956年 葬列の途中、黒雲が舞い下がり、カシャという怪物が死者を掠うという怪説は、江戸中期から全国的に各地で伝えられてきた。岩手県遠野地方では、キャシャは常に深山におり、死人を掘り起こして運んできて喰うなどと信じられている。
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(ゾクシン) 1973年 香川県 葬送に関する俗信。人が死ぬと霊が広島へ米を買いに行くので、死者のことを「広島へ米を買いに行った」と言う。猫が死者をまたぐと生き返るので、死者をまたがせてはいけないという。葬式の翌日に墓に行き「山に参ります」と言って背負う真似をして弥谷寺へ行くが、このとき死者を背負った人つまり魂が取り憑いた人は、草履がちびるとか足取りが軽くなるという、など。
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