サンチュウノキ 1976年 群馬県 ある、殺生好きな侍が、草履取りと共に山に小屋を掛けて狩に入ったが、獲物が獲れそうになかったので下山しようとしたところ、山の奥からざわざわと音がして、大きな火の玉が小屋に向かってきた。侍が弓で射ると、鉄球にあたったような音がして火は消えた。その後、家まで帰ると侍の母親が怪我をしたという。母の部屋に行くと、侍が射った矢が落ちていたので、草履取りと共に押さえつけた。暫くはうめき声が聞こえたが、やがて静かになったので、見てみると、夜着以外何もなかった。家人も消えていた。
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(ヤマノカミノタタリ) 1984年 新潟県 旧2月9日は山の神の日でこの日、三吉という人が早朝に山へ行って、名前を呼ぶ声がしたので振り向くと突然矢が飛んできて目を射られたという。
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ニゴリガイケ,ロクブ 1943年 徳島県 昔、ある初夏の夕暮れ時に、某氏の家で六部が一夜の宿を乞うた。六部は桐の箱に入った黄金の鶏と、部屋の大小よって大きさが変わる蚊帳を持っていた。翌日、2、3人の若者に六部は斬られた。鶏は飛び去ったが、蚊帳は庄屋の手に入った。庄屋の家で餅をついていると、血の流れている足が2本天井から下がり、餅が血で赤くなった。六部の呪いだという。
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メッコヌマノカイ 1956年 宮城県 沼のほとりに身を隠していた平氏の残党の従僕で茂右衛門という弓の名人が,沼に大魚が2尾泳いでいるのを見つけ,そのうちの1尾を射た。矢はその目を貫いていた。その夜彼の夢にもう片方の大鮒が現れ,「私達はこの沼の主の夫婦鮒だが今日夫があなたの矢で殺され,生き長らえる望みも無くなった。あなたの殺生が恨めしい」といって消えたので茂右衛門は後悔したが,翌朝未明ふらふらと沼のほとりに歩いていった。岸辺には2尺余りの雌鮒が片目を潰して死んでいた。数日後村の人が沼のほとりで片目を刺されて死んでいる茂右衛門を発見したが,その手には大きな片目の魚を握っていた。彼の目を刺したものはわからなかった。それ以後沼の鮒は皆片目となり,それを捕る者もいなくなった。その沼を「メッコ沼」というようになった。
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キツネ,キツネヤケ,カイカ 1939年 京都府 親子の狐のうち、子狐が矢で射殺された。その後、射た侍の家が怪火で燃え上がった。狐の報讐だと言われた。
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ダイジャ 1973年 岩手県 鉄砲撃ちが山に行って大蛇に遭い、目を撃った。蛇にやられる前に下山しようとしたが、晴天かき曇り大雨になった。山中に家を見つけて休んでいたら、先に撃った蛇が水に乗って流れてきて、体を横にして水を溜めて大水を出し、家ごと鉄砲撃ちを流してしまった。蛇は何代も仕返ししてやると言い、その子孫は祟りで眼の不自由な人が多い。
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ガン,カリ 1975年 愛知県 三河国足助村で牛吉という童が何気なく弓を射ると、矢は逸れ鴈に命中した。鴈は料理され食べられた。その後、殺された鴈のつがいが夜毎に夢で、雄鴈を弔ってくれと嘆く。牛吉は出家し、23年後、この9月に自分は死ぬと里人に語った。その言葉通り、昔鴈が殺されたのと同じ9月23日に死んだのは不思議な因縁だ。
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ヤタチギ 1983年 長野県 通り道に一揆があるので、道を変えるようにと言う家来と、大丈夫という土佐守の間で意見が対立した。矢占いをすることとなり、矢がさわらの木にささり鮮血が流れた。家臣は不吉だといったが守は馬で駆け抜けていった。
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キツネ 1956年 宮城県 藩政時代,角田館主石川家の家臣で館矢間にいる若侍達が,城下での稽古から帰ってくる途中魚などを持っているとよく狐にだまされた。ある時若侍達が,竹刀の先に魚を結び付けて夜道を無事に帰ってこれるかどうか賭けをしようということになり,一人が竹刀を持って出かけていった。朧月夜の並木道に差し掛かると,向うから竹刀を肩にした武芸者風の大男がやってきて,すれ違いざまにいきなり打ち込んできた。若侍が思わず竹刀で受け止めると大男は消え失せてしまったが,気がつくと竹刀の先の魚の包も無くなっていた。
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ジャシン,ハチロウ,メガミ 1935年 秋田県 蛇神の八郎は八郎潟を自分の領土としたが、冬に湖面が凍るので、凍らない住処を探したところ、一の目潟を選んだ。しかし一の目潟の主は女神で、八郎が来るのをいやがり、竹内神官真康に助力を頼んだ。そして寒風山の蛇越し長根を黒雲に載って越えてきた八郎に矢を撃ったら命中し、八郎は命を落とす。しかしその時八郎は代々の目に祟ると言って返した矢が神官の目にあたり失明、7代片目が続いた。
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シロギツネ 1976年 長崎県 肥前島原の弓術の名人の夢に狐が白髪の翁になり現れ、明日国主の前で御覧の狩がある。その時助けて欲しいと語った。当日獣を助けず射殺した。酒宴の席で夢の事を語ると、国主はひどく悲しんだ。弓術の名人はその後貧窮して子孫は絶えた。
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キツネ 1926年 長野県 20名の浄土宗の一行と鉄砲打が銃身から覗いたら、僧が狐に見えた。銃を撃つと狐になって山へ逃げた。その後、鉄砲打の家は狐に祟られて死に絶えた。
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ヘラタケ 1926年 山口県 ある郷士が遊猟の際、あやまって犬を射殺した。発心して弓箭の業を止めたとき、篦竹を折って地に挿したものが矢竹だといわれている。
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キツネ 1933年 長野県 ある侍がまだ夜のうちに猟に出かけた。すると美しい女が現れた。狐の仕業だと思い鉄砲で撃つと、女は銃弾を手のひらの上で転がした。侍は夢中で逃げて家に帰った。
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キツネ,ヤカン 1974年 大阪府 難波の野外に的人という野業仕がおり、裸で腹を出して腹に鉄砲を撃たせるが、誰も当てる事ができなかった。ある日砲術指南の先生一行が通り過ぎた際に、弟子らが師匠に的人を当ててくれと懇願する。師匠は見事に命中させて的人は死んだ。弟子はその奥義を聞いたが、師匠はこの的人は狐を使役する者で、狐は彼の衣服に紛れて幻覚を見せていたのだという。だから自分はその衣服を撃ったという。翌日弾が当たった老狐が見つかったらしい。
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ユリワカダイジン 1992年 群馬県 昔巨人が碓井川を跨いで砂技に向かって弓を射た。その時射た矢で中木山に穴があき、今星穴と呼ばれている。また矢が落ちた所が下仁田の矢川である。足跡と呼ばれる窪みが今でも残っている。
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ゼンセ 1974年 千葉県 上総国望陀郡戸崎村に住んでいた百姓の息子・佐兵衛は、5歳の時に両親へ語ったのには、自分は相模国矢部村に住む六右衛門の息子だったが、7歳の時に馬に踏まれて死んだという。その後実際矢部村の近くに行った者が六右衛門の話を知っており、確かに馬に踏まれて死んでいたという。
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オオムカデ 1989年 群馬県 むかで山にはむかし大むかでが棲んでいた。俵藤太が矢につばきをつけて射て退治したという。そのためか、この地方にはショウロクの人(両目がしっかり見える人)がいないという。
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サカサダケ 1974年 栃木県 ある家で、六部を殺して金を取った。その六部の杖が根付いてサカサ竹になった。
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カゲ 1977年 沖縄県 自分の影が無くなったので物知りに見てもらうと、8月15日に豆餅などを食べて一番大切なものを射ろと言われた。一番目は忍びないので、二番目の衣装入れを射ると、中に男がいて矢に当たった。この男は妻と密通していて、夫を殺そうとして待っていたのである。
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