ウシオニ 1985年 和歌山県 牛鬼は、頭が鬼で、首から下が牛のようになっている。淵によく牛鬼が出るというので、昔は暮れ方にになると、淵のある所を通らなかった。昔、牛鬼を見て寝込み、頭がおかしくなった人もいた。
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ヨウカイ 1990年 山形県 昔から夜になると外出はしなかった。闇の中に妖怪がいて、病気を植え付けるからである。
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ハンニャ 1922年 大阪府 明治初年頃、ある若者が大阪である宿屋に泊まった。陰気な部屋に通されたので変えてくれと頼んだが他は一杯とのことだった。牛満頃になると首筋からゾクゾクしたかと思うと誰かが身体の上に乗ってきた。重くて身動きできなかったが、乗って来た者の顔を見ると般若のようで、曲がった角が生えて目がつり上がり、口が耳まで裂けて青い顔をしていた。冷たく生臭い息を吹きかけられ、一晩苦しんだ。女中の翌朝言うには実は色々怪異のあった部屋という。その後他の所に泊っても例の般若が現れるようになった。
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カミカクシ 1960年 神奈川県 何年も病気で寝ていた人が神隠しにあい、二週間ほどしてから武州高尾山の裏から人力車で送られて帰ってきた。その後気がおかしくなった。
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ブヨブヨシタピンクイロノカイブツ 1990年 山形県 気配を感じ、戸を開けて外をみると、ブヨブヨしたピンク色の怪物がいる。ヒトデのような触覚が隙間から入ってきて首に巻きつき、その人は外に引っ張り出されてやられてしまう。このような化け物が明治時代まで存在していたと言う。
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ウデトリ 1956年 東京都 昔はウデトリという怪がいて、「カンポウ腕ェ出せ」と言というので、怖くて夜歩きはしなかったという。
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マモノ 1975年 愛知県 昔、ある人が病気で寝ていたが、風も吹かないのに家が倒れることがあった。自分がやったと言ったという。おいしいものを食べたがり、軒から外へ出ると脱力して「ここから先へは行けない」という。魔物が憑いていたのだという。
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イキアイ 1954年 岡山県 悪霊、鬼神に行き逢って不慮の災禍を蒙り、忽ち目がくらみ、嘔吐し、頭痛が激しくなり、転んで怪我をすることをイキアイという。イキアイには別の解釈もあり、特定の日に外出することにより金神や姫金神に逢うことともいう。
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マブイヨセ,マブイ 1933年 鹿児島県 昔の人は後ろ影が薄くなった、後首筋(グスツブウスチ)が切れている等というのは既に魂が抜けて居ると考えた。故に怖ろしい夢を見たとか物知らせがあった、体の具合が変だと思ったら占者にみてもらい魂の抜けて居ることがわかると魂寄せ(マブイヨセ) をしてもらう。魂が帰ってこなかったらその人は長くて三年早いのは数日のうちに死ぬ。
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テング 1995年 滋賀県 昔、高い木には天狗がいると伝えられ、夜、歩いていると天狗に引っ張られたという。
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コヒノウラミ 1956年 宮城県 2メートルくらいの古碑があり,「元応□年九月十五日」と刻まれている。200年程前,この古碑は八幡社近くの小川に橋の代用として架けられていて,百姓達が泥足で供養の文字の上を渡っていた。この石橋が架けられて間もなく,夕方に村人がそこを通ると恐ろしい鬼のような怪物に襲われるようになった。村の郷士馬場某がある夜単身でその辺に出かけたところ、橋近くの桜の老木の近くに来た時,仁王のような恐ろしい鬼が現れたので,馬場某が斜めに斬り付けると手応えがあって怪物は煙のように消え失せてしまった。翌朝行ってみると怪物の亡骸はなく,石橋の一方が斜めに切り取られていた。村人達は,「碑にも霊があって泥足で踏まれたのを怒ったのであろう」として現在の位置に立て直し,厚く供養してお詫びした。その後怪異は起こらなかった。
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ゾットスルヨウナトコロ 1955年 山形県 山中では何でもないのに急にゾッとするような所がよくある。そんなところは何かしら怪しいいわれのあるところ。
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ナガツムリジマ 1956年 宮城県 大昔に、背が低く頭の長い、寿老人のような異人が住んだという。
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キツネ 1972年 千葉県 1960年ごろのこと。話者が夜の7時30分に家を出たら、近くの坂で狐に化かされ、グルグル歩かされた。星を見て位置を知り、家に帰り着いた。
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ムジナ 1935年 新潟県 家の人でも知らない怪異がある。家の主は狢であり、初めて家に来たものには、怪異をなし、時には恐ろしい姿を見せる。嫁が来たときも同様であった。
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キツネ 1957年 神奈川県 昔、山へ仕事に入った人が狐に化かされ、蕎麦だと行ってミミズを食わされたうえに山の中をぐるぐる歩き回らされた。
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キツネ 1939年 秋田県 ある男が祭りを見に行った帰り夜も遅く、大平山の社のあたりで寒気を催し、目に見えない何者か大きな物に掴まれるような心地がした。次の日は稲荷の祭りの後片付けから戻る時に、気分が荒く募り、3日ばかり狂い続けて鎮まらなかった。それから半月、油揚げを欲しがり、飯も多く食べ、後に癒えた。大平山の社にノレキが住んでおり、それが狐を憑けたそうだ。狐憑きはノレキに頼んで離してもらうよりほかない。
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オトウカ 1956年 群馬県 山道で化け物に道を邪魔されることがある。足先に玉のようなものがまとわりつく。追いかけて行くと、何時の間にか行く先を見失い、とんでもない藪の中を歩き回り、終夜山の中をさまよい歩く事になる。オウトカ(狐の事)にまやかされたと言う。
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タヌキ 1989年 長野県 山の高いところに小屋があり、話者は若い頃泊まったことがある。夜中、人が山の下から登ってくるような声がしたので誰か来たと思って外に出ると誰もいない。また小屋に入ると、すぐそこで声がする。たぬきに化かされていると気づいたので、もう外に出ないようにしたという。
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キツネノヨメイリ 1974年 栃木県 9月の末のこと。ある人が魚を買って帰る途中、土手から坊さんが降りて来た。狐が化けているのだと思い、怖くなって魚を置いて逃げ出した。
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