ヨドギミ,ヘビ 1937年 大阪府 大阪城に未だに残る淀君の妄念が、蛇の身に姿を変えて石垣の塀の上から睨むことがある。
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カエルイシ 1920年 大阪府 大阪城のかえる石付近に行くと休みたくなる。その石に腰をかけたものは恍惚とし、そのうち屋形が浮かび出て女中が手招く。それで投身するものが絶えないという。淀君の怨霊、人柱に立った大工の棟梁とその女房の伝説、城普請の棟梁のだまし討ちなどの説がある。
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タヌキ 1937年 大阪府 大阪城内に誰も手入れを引き受けない松の木がある。その松材で作った角櫓の一つに、夜中、必ず何かが出るという噂があり、単独でそこへ行くのを皆怖れているという。
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サケビゴエ,ナツノジン 1933年 大阪府 大阪城山里丸では、夕闇迫る頃、大勢の人の叫び声が聞こえることがある。時には人影が徘徊することもあるようである。大阪夏の陣にて非業の死を遂げた大阪方の人々の妄執が残ってこのような怪異が起こるのだという。
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ヨドドノノボウレイ,タヌキ 1941年 大阪府 大阪城内に、毎夜淀君の亡霊が出るとされた場所があった。ある人が、真偽の程を確かめるべく単独で向かい、亡霊を打ち払ったところ、それは大狸であった。
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ダイニュウドウ 1932年 大阪府 新築した大阪城の天守閣の鯱の尻のあたりから黒い煙が立ち昇り、大入道の形になるという怪異が生じた。昔、夏の陣の直後も黒い煙が昇り、秀頼と淀殿の祟りだといわれたことがある。実は昼は羽虫が集まり、夜は蝙蝠が集まっていたのだという。
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タヌキ 1937年 大阪府 大阪城内では、小豆を研ぐ音が聞こえたり、道に迷ったりすることがある。共に狸の仕業だという。
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オホリ,ヌシ 1937年 大阪府 大阪城の堀には主が棲んでいるので、側に寄ると呼び込まれるという。主の正体は不明で、図体がとても大きいとだけわかっている。
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ジンダイコノオト 1940年 福井県 晴れた月夜の晩に外に出ると、城山(杣山城)から陣太鼓の音が聞こえる。その音は、城に残る妄念のためであろうといわれている。
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カイタク 1979年 大阪府 大阪には怪宅と称する、狐や狸が祟りを起こす家があるというが、それらは陰陽の気が通じていないのであって、そんなに怖れることはない。
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ニンギョウ 1926年 石川県 加賀の某豪家の裏座敷で、夜になると妙な人声がする。垣根の外を通るものも、来客かというふうに聞き流していたが、毎夜のことで不思議に思い、その家の主に告げた。裏の座敷の納戸には毎年回ってくる人形座の座元から預かった長持がしまってあった。中には三〇何体の人形が入れてあった。
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チョウチン 1937年 大阪府 夜、大阪城内のある場所を歩いている時に、丸に二つ引きの紋の提灯が向こうからやって来れば、きっと悪い事が起こるという。
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ナベシマヤシキキイ,カイイ 1978年 東京都 江戸の山下御門の正面にある肥前佐賀屋敷の鬼門隅の長屋では、昔から毎日僧衆が来て護摩を焚いている。昔大奇怪があったためだという。今も折々、太守が在府中には怪異があるという。小雨など降る物寂しい夜に、庭で火柱が立ったり、器物が踊り動いたり、家鳴りがしたりする。太守が帰国すると、屋敷の者たちは安眠できる事を喜ぶ。
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テングノサンオノギリ,ヤマノカイオン,テングノタカワライ,テングノタイコノオト 1982年 新潟県 山奥では夜になると、それぞれ天狗の三斧きり、天狗の高笑い、天狗の太鼓などとよばれ、音だけがする怪音が聞こえる。
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バケモノ,フルダヌキ 1975年 東京都 兵法の達人が榎坂の借家に住んでいたが、夜になると何者かが現れた。寛永11年正月15日の夜寝床を調え隠れていると、両眼星のようなすさまじい形相のものが現れた。仕留めると古狸だった。その後、騒がしい市中に狸が住むのはおかしい、自作自演だろうと噂が立ち、その人は行方知らずになった。
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タヌキバヤシ 1914年 東京都 丑時あたりにどこかから太鼓の音がする。それが近くに聞えたり、又すぐ遠ざかったりする。これは狸が腹を叩く音であると伝えられている。それを捕まえようとした武士は結局狸に化かされたという。
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ヘビ 1928年 宮崎県 お浪が池に、お浪という美女が入って蛇体になった。その後、水の乏しい村に清水が湧くようになった。お浪は寝ると蚊帳いっぱいになる。毎夜、戸口に濡れた草履が脱ぎ捨ててあると噂された。
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トノサマノギョウレツ 1956年 宮城県 藩政時代の芭蕉ノ辻は,城下の中心にありながらも夕方になると人通りの絶える寂しいところであった。ある夕方,一人の按摩がその辺りを通りかかると行列の先払いの声と蹄の音が聞こえてきた。土下座しているとしばらく御行列の物音が続いた。ようやく行き過ぎたので立ち上がると,またもや先触れが聞こえたので再び土下座した。こういうことを繰り返しているうちに鶏が鳴きだし,殿様の行列も絶えてしまった。それは,その辺りでも有名な狐に騙されたのだという。
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イド,ヨドノカタ,ヘビ 1931年 大阪府 ある時、大阪城の井戸から水を汲んだところ、釣瓶に女の髪の毛が引っかかって上ってきた。これは落城の際、避難のために投身した婦人たちの髪の毛だろうということになった。この他、江戸時代には大阪城に異変が絶えなかったという。
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タヌキバヤシ,マタヤマカグラ,テングバヤシ 1938年 石川県 深夜にどこからともなく太鼓を叩くような音が聞こえてくる。笛の音もするといわれている。
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