タヌキ 1990年 長野県 たぬきがこの辺りに住んでいて、ずいぶんといたずらをした。夕方や夜にたぬきが大きい木を伐ったような音をたてる。尻尾でこするなどして音を出しているという。
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トンチボ,ムジナ,タヌキ 1995年 新潟県 トンチボは火をばあっと風が吹いたように見せる。ムジナも狸も同じものという。5匹いても1匹の足跡のように見せる。酒に酔っていると騙されて水溜りに入れられる。誰かを待っていると木を切る音やがやがや人がいるように見せたりする。「オイ」「ヨイ」とひとこえでヨボル。トンチボよけにラジオやマッチを持って山へ入る。食べ物がないので最近田に出る。
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ムジナ,タヌキ 1980年 岐阜県 山小屋を造って生活していた時、夕飯後にガス燈の下で木を伐る音がしており、おかしいと考えているとそのうちの1人が「ムジナだ」と叫んだ。すると音もガス燈も消えてしまった。後で見ると、たぬきが小屋の壁をひっかいていたという。
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コイノオドリ,キツネ,タヌキ 1981年 東京都 樵が鉈や斧で木を切る音が、夜中にすることがある。これはテンゴウの仕業といわれている。けれども実はテンゴウではなく、猿の仕業である。猿が人の真似をして木を叩くのが、木を切る音のように響くのである。
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ムジナ 1989年 長野県 むじなは人を化かす。昼間でも山の奥に行くと、木を伐る音がして、一定時間が経つと木が倒れる音がするが、木が倒れた様子はないことがある。むじなに化かされたのだという。
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ムジナ 1976年 宮城県 山の奥に小屋がけして泊まり仕事をしていると、夜中に誰もいないのに鋸で木をひく音が聞こえる。ムジナのわるさであろう。
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ムジナ 1990年 秋田県 狢は夜に、太鼓の音や木をきる音、倒す音をさせる。
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ムジナ 1976年 東京都 夜更けに名前を呼ぶ声がするので戸を開けると誰もいない。毎晩それが続くので、戸口で待ち構えて声がしたとたんに開けるとムジナが驚いて逃げた。ムジナが人間の言葉を話すときは息切れしているように発音するという。
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ヤマタロウ,タロウドン 1952年 熊本県 山太郎は山師のまねをする。夜遅くなると、谷間からコッポン、コッポンと木を伐る音がするので聞いていると、まもなく、ザァーッ、ザァーッと木の倒れる男が聞こえる。また、鋸引きのまねをしたり、材木を谷に落とす音をさせたり、ヨイショ、ヨイショと荷を担ぐような声を出したりすることがある。刃物を研ぐまねや、木を折るまねもする。
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トンチブ,ノッペラボウノカイブツ 1958年 新潟県 真夜中にトンネルの中を歩いていたら、妖怪じみて恐ろしい音がした。トンチブかと思ったが、実は牛車の音だった。トンチブとはムジナのことである。また、海の上で出会ったのっぺら坊の怪物に、節分の豆を投げつけて助かったという話もある。
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ホイホイ,シロムジナ 1964年 福島県 まぐろ売りからまぐろを買って食べ、寝ていると夜中に「ほーい、ほい、ほい」という声が谷のほうからする。声は普通の人とちがって何か変である。枯れ木に火をつけ谷底に落とすと、がさがさ逃げる音がして静まった。白むじなであろうと言い合った。
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グヒンサン 1940年 岐阜県 グヒンサンは木を伐る音で人を化かす。見ても倒れていないことが多いが、倒れているときもある。雨降りのときはめったにやらず、曇りのときは太鼓を叩く。
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ムジナ 1981年 神奈川県 昔、ムジナがいた。部落の庭で映画を上映していると、やっている映画の人間の声の真似をした。ムジナを探して見つけようとすると黙ってしまう。戻ると、また始まる。「おい、おい」という声は、人間の呼び声に似ていた。
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タヌキ 1990年 長野県 柿の木坂の下あたりでは、よくたぬきに化かされたという。遠くにいるような気がするが、実際には足元にいる。木を伐るような音をよくさせる。夜遅くに坂の下を通ると、遠くで木を伐る音がして、しばらくすると木が倒れる音がする。そうして頬の辺りをなま暖かい風が吹いていく。それは本物である。その時すでに足元にはたぬきがおり、尻尾を叩いてそういう音を出すという。
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ムジナ 1949年 新潟県 ムジナの腹太鼓は、ムジナが首を振るたびに上歯と下歯がぶつかる音だといわれている。ムジナは化けることもあり、狐や狸、そして人間を化かすために化けることが多いという。
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シナモン 1975年 新潟県 日暮れどき、婆さんが田仕事を終えて坂を下ってくると、向かいの山で木を引く人足たちのかけ声がする。迎えにきた家の者に聞くと、人足たちはとっくに山を下っているとのこと。かけ声はシナモン(ムジナのこと)のいたずらであった。
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ムジナ 1983年 東京都 ムジナは人のまねをして「オーイ、オーイ」と呼ぶ。呼ばれてそっちへ行ってしまうと、道がなくなっていて困ってしまう。
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ムジナ 1990年 長野県 むじなは木を伐る音を上手に出すという。どういう形で出すのかは判らないが、ズイコズイコと木を伐る音から始まって、バシャバシャドシャンと倒れる音まで出す。
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タヌキ,キツネ 1986年 愛媛県 とあるおじいさんが山で炭を焼いていて夜に炭火を止めようとして小屋の中にいるうちにうとうとしてしまった。そのとき、「じいさん弁当持って来たぞ」という声が聞こえたのだが、だれもいなかった。たぬきやきつねは人の口真似が上手く、実際何をいっているかわからないが、人が遠方で話しているのと同じようなかんじに聞こえるのである。
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タヌキ 1989年 長野県 ある家で、朝になると大きな栗の木が伐られる音がした。不思議に思った家人が、明け方に雨戸の節穴からのぞき見ていると、たぬきがやって来て、尾で木を引いてのこぎりのような音を出していた。木が倒れる音なども、たぬきが尾を使って出していたという。
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