ヒトギツネ 1914年 島根県 狐持ちは世間から排斥され、普通の家と結婚することができない。人狐が巨万の富を運んで来てくれるので豪家だが、もし結婚すると75匹の人狐が新婚者の家を襲うので、狐持ちとして冷遇される。狐持ちが人狐を虐待すれば、たちまちか運が傾いてしまう。
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キツネモチ 1922年 狐持ちの家の人に妬まれたり、羨ましがられたりすると、狐が憑いて苦しみ、時には命をとられるという。昔は病気になるとうらないの所に行き、「どこそこの狐が来ている」といわれたが、今はそんなことはない。狐がつくと色々なことを話す。狐持の人は性が悪いといい、昔から嫌い、恐れているが、最近縁組の都合などで出来た家は余り嫌わない。
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キツネモチ,ヒトギツネ 1922年 島根県 出雲では狐持は嫁に貰わないという。狐持の家と親類になれば、すぐに狐が憑いてくるとか、狐持の家の床下には多くの狐が住んでいるとか言い、それが人に憑くと気違いになるといって狐持ちの家を嫌っている。
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キツネモチ 1919年 島根県 狐持の家系は婚姻忌避される。狐持の家では常に人孤75匹を飼っていて、その家と縁組すれば忽ち人孤が伝播して新たに縁組した家に75匹の人孤が乗りこむ。
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キツネ,キツネモチ,キツネツキ,ゲドウ 1949年 鳥取県 多くの地方に見られる狐・狐持・狐憑についての説明。狐持には資産家が多かったり、結婚を嫌がられることがある。気の弱い人に憑き、発作などが起きる。
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キツネ 1932年 鳥取県 狐持ちの人は知恵者や金持ちであることが多い。普通の家族とは婚姻を通じない。人狐を飼っているとも言われる。
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キツネモチ、ジャタイモチ、クチナワモチ 1992年 島根県 縁組の際には家筋を調べた。これを筋見と言った。狐持ち・蛇体持ち・クサナワ持ちは避けられた。狐持ちの家のことについては、あまり言ってはいけないということになっている。
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キツネモチ 1922年 島根県 狐持ちに恨まれると狐が手足の爪の先から体に入りこんで狂気になるという。狐持の家とは絶対に行き来をしないし、交際もしない。もし交際すると狐が沢山群れをなして台所の煙出しから入ってくるという。狐に憑かれて気の狂ったものは寝ていて小豆飯や豆腐を欲しがる。
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キツネ 1975年 愛知県 狐を飼っていると噂の家があり、よその人には見えないが囲炉裏端に狐がいるという。寄れ寄れといって囲炉裏端を撫でる。家の財産は狐が儲けたものなので、売買の時はついていく。よその家の病弱な者に狐が取り憑いてしゃべらせたりする。嫁にもらうと、狐が憑いてくるという。
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ジンコ,トウビョウ 1937年 鳥取県 人狐といって、家に狐を持ち込むなど、忌み嫌う例が少なくない。トウビョウ(蛇の一種)持等婚礼の妨げとなることがある。
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キツネツカイ,ムジナツカイ 1922年 岡山県 狐使いは大抵貧乏で、世人に大変嫌われている。「狐憑かれ」が出ると問答の中でどこの狐使いの家から来たか明らかになる。狐には御馳走などをして機嫌をとり、その主人には使いをやって何か音物などを送る。その狐の数は一族で十匹前後という。形は鼬位か、それより少し大きいともいう。
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キツネモチ,イタチ 1922年 狐持は実際に狐を持っていると信じられており、狐持の家の人間は小さい鼠になって他の家を伺うという。そのためあれは何家の狐かと想像し、鼠を大変恐れる。何か病気にかかるとすぐに狐持に呪われたのではないかと心配し、病人自身もそれを思い病床で怪しい様子をする。これを生霊の祟りともいう。
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キツネ,トウビョウ 1922年 島根県 狐には自分の持っている狐を恨みのある人に憑けるのと、山の狐を頼んで憑けるのと2つある。狐持には先祖よりの狐持と、山の狐を頼んだのがそのまま居ついたのと、賭博場等で人の衣などを剥いで戻ったがその袂に狐が隠れていてそのまま居ついたのとがある。袂に隠れているのは犬神もトウビョウもある。
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オオキツネモチ 1919年 島根県 大狐持という家系もある。普通の狐持が飼育している人孤よりも大きな、野孤ぐらいの大きなものを飼っている。この家筋はいずれも豪農であり、多くは一族で群居し、同族結婚をする。
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キツネモチ,ヒトギツネ 1922年 島根県 狐持の狐は家の下に住んでいるともいうし、屋根裏に住んでいるともいう。狐持は自分の意に満たないことがあると狐の魔力を借りて他人を害する。食い殺させることもある。人狐は普通の狐よりも小さい。その狐が他人の体に入って病気にさせる。死に至ると病人の腹部か背を食い破って出るので、死人の体には黒くなってどこかに穴があいている。
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ヒトギツネモチ 1922年 人狐持ちから憎まれたらすぐに取り憑かれる。その使いは人狐で、取り憑かれた人は人狐そのものになり、種々のことを喋る。狐持ちが狐を通じて自分の考えを言わせるのだという。四つん這いになって狐のまねをし、狐の好きそうなものを喜んで食べる。
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クダギツネ 1913年 長野県 管狐を飼っている者は、癩病の血統の者よりも縁組を嫌われる。管狐に憑かれた者は、行動や言動が狐のようになり、油揚げばかり食べるようになるという。また、管狐を飼っている家の者に羨ましいという感情を抱かれた者は、満足な終わりが見られなくなる。
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ツキモノ,イナリサン 1948年 鳥取県 生霊は怨恨で憑く。狐持ちと言われる家は、何か変なことがある家、金持ちの家、地方的に集まっている家である。狐を隠語でイナリサンと言う。また75人の眷族がいるので七十五人とも言う。狐持ちの血統から嫁を貰うとキツネも一緒に来るというので婚姻を嫌う。
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オサキキツネ 1974年 埼玉県,東京都,神奈川県 ヲサキ狐は元々は秩父郡に限っていたのだが、次から次へと広がったので武蔵国全体で見られるようになった。だから婿を取ったり、嫁を迎える時は、その家をしっかり調査しなければならない。狐は彼らに付いてくるからで、狐に子供ができてしまうと家から離れず、主家は離縁すると言われる。土用の頃に鼠のように子を産んで、この家の者が誰かを恨むと、その相手は苦悩して当方の恨み言を口走るという。またこの憑いた人は鼻下の縦筋が曲がり、山葵を忌み、権勢ある人、勇猛の人を恐れるという。
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キツネモチ 1922年 島根県 ある茶屋の婆さんは、昔ある家から狐を買い求めたといわれており、その婆さんに妬まれると狐に憑かれる。憑かれた家は祈祷や呪いをしてもらったりするが、それでも落ちなければ持ち主の婆さんを迎えに来させる。余り難儀をかけるので家族がその狐を封じてもらったといい、近頃はその話を聞かなくなった。
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