ワラ,タウエ 1916年 大阪府 田植えの時、苗を結った藁は必ず植え終わった所に捨てる。間違ってその輪の中に苗をさすと、その稲の米が植えた人の葬式用の飯になる。
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アラクマノオオカミ,オツゲ 2002年 愛知県 農家の者がある日荒熊大神を参拝し、今年は稲の苗をたくさん作るように告げられた。田植えが終わり稲の苗がたくさん残ったが、その後雨が降り続き田の稲は流されてしまった。このとき残っていた苗を使って再び植えることができた。
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(ゾクシン) 1942年 全国 田植えの時に苗を束ねたまま、その真ん中に植えた稲は、成長してから、大きな災いをもたらす。
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フジュクノヒ 1940年 栃木県 田植え時の5月は午の日を不熟の日とし、一向宗の人以外は、この日に苗を植えると死人が出来るといって決して植えないという。また、三日越しの苗は忌むという。
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キツネ 1989年 長野県 井戸端という家の裏に、きつね田と呼ばれる田がある。明日は田植えだという日に苗をたくさんとっておいたところ、翌日苗がめちゃくちゃに植えてあり、それはきつねの仕業だったという。今でもこの家では田の一部をめちゃくちゃに植えているという。
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キツネツキ 1983年 山梨県 狐憑きで、奉公人が、いきなり家の前の川へ入って「田ァ植えだァ、田ァ植えだァ」と騒いだ。
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タノカミ 1969年 長野県 1本苗を植えると罪になる、2本苗を植えるものではない、とされている。1本苗と2本苗は、田の神が増やしてやれないからだ。
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ゴタンダ 1940年 神奈川県 1日で田植えを植えるように言われた嫁が願うと、沈みかかった太陽が戻ってきた。植え終えてから田から上がると、嫁はそのまま死んだ。それから後、その田は1日中に植え終えないと不幸があるという。
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ヨメノタタリ 1970年 静岡県 姑が嫁に2反余の田を一日で植えよと命じた。植え終わった嫁はその場で死んでしまった。その後田を植えるものに祟りがあり、その家に死者を出す。
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モチイネ,ソウシキ,(ゾクシン) 1915年 群馬県 苗代田に糯稲を植えると、葬式の時のもち米になるという。
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ナワシロ,モチイネ,シ,(ゾクシン) 1916年 兵庫県 苗代に糯稲を植えると人が死ぬという。
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タウエ,ジュウオウドウ 1971年 岩手県 田植え時に傷寒という熱病で田植えができないでいると、ある晩大変にぎやかで大勢の人が働いている気配がしたが、翌朝一晩のうちに苗が植えられており、十王堂が泥まみれだった。
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(ショクブツニカンスルゾクシン) 1940年 山口県 植物に関する俗信。枇杷の木はうめき声を好むから、屋敷内に植えると病人が絶えないという。屋敷にブドウを植えると、病人があるという。茶の木を新しく植えると、その年に家族中に死者があるという。孟宗竹を新しく植えると、家庭から死者が出るという。屋敷内に榊を植えると、家が栄えないという。屋敷内に、棟より高い大木があると、主人が若死にをするという、など。
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キツネ 1988年 奈良県 惣五郎と言う人が三反御作(3反歩ある大きな田)を植えた帰り、溺死した子狐を見つけ葬った。その夜戸を叩く者がおり、「お田引いた惣五郎さん、三反御作みな引いた」と5,6人の声がした。翌朝見ると植えた苗はみな引き抜かれ、狐の屍骸が掘り起されていた。親狐が思い違いをしていると思い、狐のいそうなところを釈明して歩いたら、その夜に伊勢音頭の音がして「お田引いてすまなんだ、三反御作また植えた」と声がした。翌朝、家の前には大きな鏡餅が置いてあり、田はもとどおり植えてあった。
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ブドウ,ビワ 1953年 鹿児島県 玄関の前にぶどうを植えると病人がたえないという。枇杷を植えるのもいけないという。
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(マノワンイッタイノカンボツ) 1984年 新潟県 昔、沢根のある嫁が、姑に真野湾の田を一人で一日に植えるように命ぜられる。半分ほど植えると、急に田の水が熱くなったので、嫁はたまげて一心に神仏に祈ると再び水は冷たくなり、誰が手伝うともなく植え終わる。ところがその夜真野湾一帯は陥没して海と化した。
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(ゾクシン) 1975年 愛媛県 イチジクの根は水をよく吸うため人の血まで吸うといって、イチジクの木を植えるのを嫌うといわれている。屋敷にセンダの木を植えると主を狙うといって嫌うといわれている。家の北にエノキを植えると、金が貯まるといわれている。松およびモッコクは植えると良いといわれている。庭木は家の屋根より高くするべきではないといわれている。
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イケ,コエ 1936年 岐阜県 姑が嫁に、今日中に田の苗を植えろと命じたがそれを果たせず嫁は田で自殺した。それから何時からか田に水が湧き池になった。天候の変わり目には嫁の泣く声が聞こえるという。
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(シノヨチョウ) 1936年 岩手県 田植えの夢を見ると死人が出ると言われており、筆者の妻が田植えの夢を見たときには芳之助という人が亡くなった。ただし、植えた後が青ければ死人は出ないという。
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カミナリ 1921年 大阪府 初夏の頃、大雷鳴があって、植えて間もない田に落ちた。1坪くらいの稲が焦げたが、後には他の稲よりもよく育った。老人は雷は猫のような獣に違いないと信じている。
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キツネ 1926年 長野県 ある女を女中に雇った。明日田植えの日、女中は狐の姿になって昼寝していた。悟られた狐は突然姿を消した。翌朝、田には苗を逆にして植えてあり、狐のたたりを恐れてそものままにしておくと、その秋は豊作になった。
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