ウマノタタリ 1977年 山梨県 馬が昭和6年7月21日に崖から足をすべらせて転落死してしまった。ある夜、馬が神様になって枕元に現れ、自分を祀らないと長男をとり殺すといって去った。驚いてさっそく墓を作って昭和11年2月に馬頭観音を立てて馬の霊を供養すると、それまで病弱の長男が元気になった。
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コウシンサン 1960年 宮城県 庚申さんを信仰していた船主の子は、船に遊びに行ったときやかましくしたので船から突き落とされてしまった。人々は子供が死んだと思ったが、子供は生きており、庚申さんが助けたのだと言われた。
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コウシンサマ 1934年 東京都 子供がサイドカアに轢かれたが何ともなかった。また、自動車が食堂へ飛び込んだが、人がいなくて怪我がなかった。これは庚申さまのお守りによるという。
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タモノキ 1982年 三重県 大蓮寺の前にある庚申様は、この庚申様ができる前に大きなタモの木があったが、あるときトラックがここを通りかかり、その枝を折ってしまった。その運転手は間もなく列車にひかれたということから造ったのだという。
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(ゾクシン) 1973年 香川県 黒崎の下津野家で名称不明の神様を祀っていたが、一家が引っ越した後ほったらかしになっていたのを隣家の堂本家が管理して祀っている。祀り始めたきっかけは、この家の子供が交通事故にあったことだった。この家の便所が神様の方向にあったため祟りがあったと思い、便所を作り直して、神様を祀ったという。
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チャガマ 1972年 千葉県 山崎家の人が、馬が死ぬので馬の観音様に茶釜を供えた。盗まれて困るので山崎家に返したら、茶釜は夜中にブーンブーンと鳴って観音様の下へ飛んでいった。
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トノサマノムスコ,コウシンサン 1960年 京都府 後妻をもらった殿様は先妻との間の息子を隠したが、後妻は見つけ出して息子につらく当たったため、息子は池に身を投げて死んだ。殿様が池に行くと息子が自分を祀ってほしいと現れ、以後庚申として祀られた。
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ケリアゲカンゼオン 1983年 鹿児島県 日向の国の志布志という里で、日頃から観音を信仰している女がいた。その夫が猟師だったので、夫の悪行を嘆き、何とか善心を起こさせようと観音に祈念していた。嘉吉2年5月に夫がいつものように山に入ると俄に雷が鳴り響いた。恐れた夫は観世音の聖号を唱えると、かの尊像が空中に現れて、夫の頭上に落ちてきた雷火を左足で蹴り上げて助けた。帰って観世音の像を見ると左足を上げていたという。
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センゲンジンジャ,タタリ 1944年 山梨県 ある家の者が、自分の家の屋敷神として浅間様の位を京都へ行き取ってきた。そして、浅間神社の祭日と神輿の渡御の方法を変更した。長男がコレラで倒れ、以降不幸が続出し、翌年の祭りの頃には、家族のうち老婆を残し死に絶えた。新盆の竿に蛇が登った。浅間様は蛇ともいわれている。
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ウブメ,オンメサマ 1970年 神奈川県 天文元年のある日、大巧寺の日棟上人が滑川の橋を渡ると、難産で死んだ女が、川を渡れない上、子供が乳房に吸い付いて泣くので苦しい、と言って助けを求めた。上人が経をあげると女は姿を消したが、数日後に現れて、塔を建ててお産に苦しむ人を救ってほしいと言ってお金を手渡した。上人は女を産女霊神(おんめさま、おんめ様)として寺に祭った。
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カンノンサマ 1983年 山梨県 Aさんの「うちの守り神さん」である観音様は、馬頭観音と石である。去年、隣のBさんの息子が交通事故にあったが、その2日前に観音様が倒れて、息子さんの傷の場所と同じところに泥がついた。その前日にAさんの夢枕に観音様が立ったが、意味が理解できなかった。
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テンジンサン 1983年 香川県 ある時、宮田家の人が病気になった。治らないので行者に拝んでもらったところ、天神さんがお堂を建てる催促に来ているという。お堂を建てて祀ったらすぐに病気が治った。この天神さんはお堂が火事のとき、飛び出して三角寺の松にひっかかっていた。
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トウバンサン 1951年 広島県 石橋の渡り口に石があり、牛馬が通りかかると必ずつまずいて川に転落死してしまう。何かが宿っているに違いないというので山に運び、山の神様とした。だから山の神は牛馬の神でもあり、トウバンサンと称している。
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チョウナイサン 1973年 香川県 チョウナイサンという五輪が祀られている。これは元亀・元正の頃に長宗我部元親に追われた秋山チョウナイという人物が土着した。その屋敷跡に祠を祀ったものである。昔、法事のときに膳椀が無いのでこれにお願いした、すると、翌日には揃っていたという。
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オイナリサマ 1968年 佐賀県 稲荷様は家に具合の悪いことがおきたとき、法印に勧められて祀り始めることが多い。ある家の稲荷様は、1935年前後、祖父の弟の家が潰れたとき、その家で稲荷様を祀っていたことを誰も知らなかった。ところがその家の女の人が、初午の頃に毎晩稲荷様の夢を見て、そのお告げによってその家に稲荷があったことを知り、祀るようになった。
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クビナシウマ 1984年 愛媛県 奥の城城主河野通存は、息子の通賢が東野に住む娘の元へ通うことを快く思わず、東野で馬の首を刎ね、更に通賢をも殺害した。以来、毎夜首なし馬が現れるようになったので、村人は祠を建てて祀った。東野でお茶屋を営む久松定行は、陰火の飛ぶのを忌んで、この故事のあることを知り奥城八幡宮を再建し、鎮魂した。これが現在の東山神社である。
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カタキウチザカ 1956年 宮城県 上州の絹商人が、小野の旅宿の亭主に所持金を狙われて殺害される。妻はこれを夢に見て、一子幸太郎と小野に来て敵の家に住み込む。敵が奥筋へ出かけるのを追い、小野の北の丘の坂路で敵を討ったとき老人が現れて助太刀をする。幸太郎は、それを日ごろ信仰する青面金剛の化身だとして、坂の上に庚申塔を建てて去る。
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センジュカンゼオンボサツ 2003年 愛知県 元正天皇の頃に、勘少と藤六という兄弟が網引きや釣りで生活していた。霊亀元年の春、船を浮かべ小佐が瀬で網を引き上げると、魚ではなく小石が入っていた。石を捨てて場所を変えても、同じことが七回あった。兄弟がその石を船に置いて漁をすると、大漁になった。喜んで帰り夜になると、船の中から明かりが見えた。光っているのは小石で、勘少が家に持ち帰ると、それは千手観世音菩薩だった。二人はさらに堂を建てて千手観音をまつることを願った。すると千手観音が現れ、本身が阿弥陀仏であること、行基に頼むとよいことなどを告げた。行基に頼むと阿弥陀・観音・勢至の三尊を堂に安置された。これを須佐の古寺といい、現在の極楽寺である。
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コウシンサマ,コウシンクヨウトウ,コウシンマチ,コウシンマツリナド 2001年 青森県 南部地方の庚申信仰は、その日取りが殆んど守られておらず、信仰の目的も非常に曖昧な伝承として受け継がれている。路傍の入り口に建てられることや、猿田彦命との関連から、路の神とする信仰も生まれている。
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セッショウバシ,カンノンサマ 1937年 長崎県 昔、百済の龍萬山の巨木が肥後国宇土郡に漂着したのを橋としたが、毎夜恐ろしい声を発したり怪しい光を放ったので殺生橋と呼ばれた。行基菩薩が錫丈で橋を8断して海に投じ、それが流れ着いたところで観世音の尊像を刻むと誓われた一片が長崎の脇岬村の観音である。
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