ニライ・カナイ 1986年 沖縄県 ウンジャミにおける神女の役割はニライ・カナイからやってきた海神そのものであり、君真物自身である。トカラ列島や八重山では来訪神行事が少ないが、ノロを中心とする神女自身が君真物として出現するからではないかと考えられる。
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キンマモン,キミテズリ,メガミ 1986年 沖縄県 君は古琉球語では神女という意味で、君真物(君手摩)も古くは女神と考えられていたという。
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テルコカミ,ニルヤ 1986年 沖縄県 君真物の内容は、テルコ神を壬の日に招き、ニルヤの諸神を招いて歓待するもので、農耕文化的な海神祭であったという。
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キンマモン 1986年 沖縄県 海神キンマモンは毎月出現し、カヤを持って御嶽にこもってオモリを謡ったとある。これは君真物出現の神事が琉球王府の宗教行事として実修されていたこをと意味し、印判ノロ統御下の奄美のノロ達によるウムケー・オーホリも琉球宗教政策の一環であったという。
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オオフグリノカイジン,ウミリノロウシン,マユンガナシ 1986年 沖縄県 奄美大島の大フグリの海神やウミリ海神は琉球王朝成立以前の古い神であり、それらの神は必ずしも女神ではなく、両性もしくは男性であったという。伊平屋島のマヤノカミと、石垣島の来訪神マユンガナシは同根の神と思われるが、これもノロ・ツカサ文化以前の古いものである。
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ニライ・カナイ,キンマモノ 1986年 鹿児島県 種子島では南端の宝満神社に玉依姫を祭り、北端の浦田神社にウガヤフキアエズ尊を祀っている。南北、男女の対比に加え、ヤマトの国つ神だけでなく、南方から海神を迎えなければならないという形式が伺える。これはニライ・カナイから君真物を迎える琉球文化と深い所でつながりがあるものである。
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ギライノカミ,テルコカミ,ネリヤカミ 1986年 沖縄県 「君祭り」では神女自身が神になって祭礼を執行する。テルコ神、ネリヤ神が神女に乗り移り、シャマニスティックな神遊びを展開することを指す。加計呂麻島のオモリの中には「テルコ神、ネリヤ神と相手になって遊ぼ」とある。
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テルコカミ,ネリヤガミ 1986年 鹿児島県 奄美のノロ以下の神女たちはウムケーの際にはテルコ神やネリヤ神の来訪を身をもって演出する。「ナルヘー・テルヘー」はテルコ・ナルコ神の拝礼用語である。
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カナイノキンマモン 1986年 沖縄県 君真物はカナイからの来訪者であるから、海神である。昔、君真物出現の時にはアフリノハナに黄色い冷傘(りゃんさん、きぬ傘)が立ち、コバウノ嶽には赤い冷傘が立ったという。
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アラフリ 1931年 沖縄県 沖縄の海岸域では、あらふりといって、神女(君々・祝々)が海の中に神となって現れることがある。
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キンマモン,ウミンチュ 1986年 沖縄県 現在のウムケー・オーホリという祭りでは、神女たちが白衣をつけてアダハを持ち、浜辺で神を拝み招く程度で、神観念は抽象化されている。明治の頃までは君真物と同じく、神女たちは正装して、ネリヤからの来訪神として祭りに臨んだのだという。
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カイジン 1986年 沖縄県 ウンジャミは沖縄本島北部とその周辺小島に伝承する海神祭である。その期日は旧暦7月の初亥または中亥、もしくは盆開けの中亥であり、神女が海から神を招いて祭るものである。
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リュウグウ,ネリヤ 1986年 鹿児島県 奄美ではノロのカミグチに竜王の語は出るが、神祠は少ない。主婦の願い口などにはネリヤの語が認められるが、これはこの言葉の由来の古さを意味しているのだといい、奄美の竜宮の語はヤマトから南下したのではなく、沖縄からノロ文化とともに北上したものであるとしている。
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キンマモン,ゼルママ,アカグチャ 1986年 沖縄県 『おもろさうし』では琉球固有の拝む対象を「かみ」と呼ぶことはない。大主の他の君真物、ぜるまま、あかぐちゃなどの信仰対象を含めて沖縄の宗教対象は人格化がなく、安良城盛昭はおもろ時代の宗教世界はマナ・アニミズミに近いとしている。
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リュウジン,ウラシマ,リュウグウ 1928年 鹿児島県 奄美大島本島の龍郷は、竜神の本拠地であったといわれている。竜神を祀る天女の社で行われる祭りは龍願といい、ここが浦島の訪れた竜宮であるとされている。
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リュウオウデン 1986年 沖縄県 沖縄の竜王殿は中国伝来であると考えられ、ハーリー舟なども、同様に中国の竜王信仰にちなみむ習俗であると思われる。
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シンバツ 1930年 沖縄県 沖縄の久高島にはイザイホーという祭りがある。この祭りには村の娘が処女かどうかと調べる試験があり、高さ2尺ほどの橋を渡るとき、一度でも異性と交渉を持ったものは神罰で必ず落ちて、気死する者もあったという。無事に渡った者は神に仕える資格があるものとして神人(かみんちゅ)となる。
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ミルクカミ,ワタガナシ 1986年 沖縄県 ミルク神や海神(わたがなし)などは男性来訪神であり、『南島雑話』には「ナルコ・テルコより来る神とは別也。島の神なり。陰嚢大にして地にひく。茎も又嚢に類す」とある。
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ネエーシ,カミジケ,カミガカリ 1949年 鹿児島県 宝島の5人の神役のうち男性3人はオヤシュと呼ばれる。女性2人はネエーシと呼ばれる巫女に相当する神人で、祭のとき神ジケという神憑りをする。神役以外の普通の女性でも神ジケする者が20人位いた。生まれて初めて神ジケをすると神様をいただいといいお祝いをする。彼女たちは神の恩恵をいただいた者として信心深い生活をしている。神ジケするのはネエーシ同様祭りの日だけであるという。
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リュウジン,リュウグウ,ニライソコ,カネーラソコ 1986年 沖縄県 沖縄地方の竜神信仰は伊平屋島・宮古諸島を含む圏と、奄美・与那国島・その他の八重山諸島を含む2圏に分類できる。これはこの地域における竜神信仰の伝播が2波あったことを意味する。祝詞に出てくる「竜宮、ニライ底、カネーラ底」のうち、後ろ二つは竜宮より一段古いと思われる異郷語であり、竜宮は新たに加わったものである。
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