チイサナウツクシイオボウサン 1975年 愛知県 ある人が病気になった。同じように病人のいる前の家から小さな美しいお坊さんが出てきて、縁の下に入るのを、夢うつつで見ていた。翌日、前の人が見舞いに来て「俺は治ったがお前は死ぬ」と言ったが、逆にその人は死んでしまった。
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テン,オヤカタ 1941年 新潟県 オヤカタ(貂)が婆さんの枕元に来て望みはないかと尋ねた。そして、望みどおり病気の治癒法を教えた。これが評判となり、役人が調査に来るとその周りで器物を飛ばすなどした。
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キツネ 1937年 福井県 医者が夜中に呼び出され、難産の末に子供を取り上げた。夜が明けてみると、医者がグランドに立っていて、おそらく狐のお産に呼ばれたのだろうと言うことだった。畜生のお産をしたので、病院が流行らなくなった。
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キツネ 2001年 青森県 ある夜、医者の家へ一人の使いの者が来て、赤ん坊がなかなか生まれなくて困っている者がいるから診てやって欲しいと頼まれた。赤ん坊が生まれると、お礼に包銭を渡されたが、翌朝見てみると、それは木の葉であった。
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ヘビ 1935年 熊本県 鍋を買いに行った戻り、蛇に巻きつかれている雉を見つけた。蛇を追い払い雉を鍋と一緒に持って帰った。明くる朝起きたら、蛇が入り口のところで死んでいた。その晩、雉を料理して食べたら、高熱が出て寝込んだ。弘法さんと呼ばれる祈祷師に見てもらったら、蛇の祟りだった。4・5日して、その人は死んでしまった。
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キツネ 1974年 京都府 孝菴維則という名医がある夜床につくと、フグの真子食って腹が痛いと呼ぶ声がするので、見ると狐であった。薬を調合して与えると静かになった。翌朝門前にまぐさが山と積まれていた。
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テン 1941年 新潟県 約束の時間に遅れた輪番を寺の貂が金槌のようなもので殴った。医者を呼んで治してもらうと、輪番は正気になった。
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キツネ 1985年 和歌山県 狐に憑かれた人がいたので、その人を部屋に閉じ込めておいて玉置山のお稲荷に参り、もらってきた御幣をもたせて治した。ある人が具合が悪くなって寝ていた。その家の人が側で寝ていたら、白い狐のようなものがいたので石をぶつけて殺したら、病んで寝ていた本人が、石をぶつけられて殺されてしまったと言ったことがあるという。
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テン 1941年 新潟県 住職が悪事を働いた貂を助けてやると、寺までついてきた。そのまま天井に住みつき、住職と寺を守るようになった。
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テン,タイショウ 1941年 新潟県 ある人が味噌を一舐めすると、その夜顔を引っ掛かれた。傷が治らないので住職に尋ねると、それはタイショウ(貂)に頼んでくれた。翌朝、住職の所に薬が置いてあり、それをつけると傷はすぐに治った。
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キツネ 1939年 京都府 夜、ある高名な医者のところへ狐がやってきて、妻が難産で苦しんでいるからたすけてくれと言う。医者は恐ろしくて頼みを聞かなかった。数日後、狐の親子が死んでいるのが見つかり、医者は祟りで没落した。
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オハルキツネ 1937年 福井県 夜中に医者が難産に呼ばれ、大屋敷で8人の子供を取り上げた。翌日にはお礼を届けに来たが狐だと分かっていた医者は、葉っぱだと思って外においてもらった。翌朝外に出ると、底には山積みの本物の金が置いてあった。
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テン,ウツクシイムスメ 1941年 新潟県 客が寺に泊まっていると、若い娘が何か用はないかと尋ねた。水を一杯貰って飲むと、娘の後をついていっているつもりが、いつのまにか蜘蛛の巣を被って物置の隅をうろうろしていた。これは寺の貂の仕業だろう。
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タヌキ 1934年 香川県 お金がなくて正月を越せない老夫婦に、情をもった狸が古い薬罐を教えてくれた。それが売れ正月を越せた。礼を言おうとしたが狸の姿は見えず、寺の者が見つけると頭が白く禿げて泣いていた。薬罐を買った人の家では、一夜の内にそれがなくなってしまった。
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キツネ,タヌキ 1998年 奈良県 朝方、おばあさんが小便に行ったら、狐か狸かの子が小便たごにはまっていた。お婆さんはお爺さんを起こして助けてくれるように言ったが、お爺さんは眠かったので断った。小便たごにはまった狐か狸かは、そのまま死んでしまった。その夜、その親がやって来て、夜が明けるまで戸を叩いた。翌朝田に行ってみると、苗がすべて引き抜かれていた。
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ヤマオトコ 2000年 静岡県 病人が出たので、ある男が医者を呼びに行った。ところが、男は途中で谷に落ちてしまった。そこに山男が現れ、背負って送ってくれた。男はお礼に酒を持っていった。
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テン,オオニュウドウ 1941年 新潟県 寺に貂がいたので、だれも金の催促には行かなかった。それを知らない者がやってきて、本道に泊まっていると、大入道が睨みつけた。驚いて住職の部屋に言ったが、天井裏で威嚇するので、滞在することができず、金も持ち帰らず帰って行った。
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ツバメ 1977年 医者が鉄の鍼を紛失した。あくる年のはじめ、大きな蛇が死んでいた。毎年、家に巣を作っている燕が、蛇に卵を盗られていたので、鍼を巣に隠しておいて、それで蛇をたおしたのであった。
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キツネノショカン 1976年 東京都 若年の頃、親類の家に同居していた。その家の小侍がある時外出して帰ってきたら、門から入りながら「清めろ清めろ」と言った。座敷に上がり主人に対面したいと言うので、主人が会ったところ、小侍は礼を申しながら、私は上方筋の狐であるが、この地へきたところ、くたびれたのでこの小侍の体を4,5日借用したいと言った。主人に問われるままに身の上を語った狐は、自分は善い狐だから出て行くときに小侍の疳の病を治すと言い、5日目の夜に書を残して翌朝出て行った。
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タヌキ,ムジナ 1933年 長野県 夕方、草取りから帰るとき、美しい娘に逢い「家に病人が出たのですぐ帰るように」と言われた。そこで慌てて帰ったらいつもと変わりなかった。狸か狢にだまされたものである。
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