キツネ 1960年 三重県 ある夜、便所に行ったら狐がいたので、頭を棒で叩いた。翌朝、すでに稲刈りをして積んでおいた稲の所に行ってみると、一夜のうちに狐の糞が1個ずつ盛られていた。
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タヌキ 1942年 不明 昔じさまが染屋をしていた頃、兄が弟に「明日こけとりに行こう」と誘った。その夜兄は幼児ができたので、弟子に「明日はいけない」と言いに行かせた。しかし、翌朝早く「こけとりに行こう」と戸をたたくものがいる。弟子に断りにやらせたのに、これは狸に違いないと思い、ふしの穴から覗いたら、たぬきが外でたたいていたので、ガラッと戸を開けてたぬきの行くほうへ走った。たぬきは大きな桶に入ったので、石を桶の中に放った。三日目に行ってみると大きな狸が死んでいた。
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キツネ 1939年 青森県 ある木挽きが、友人と狐穴を燻してつかまえた子狐を飼おうとしたが、殺してしまった。その木挽きは、毎夜、知らない声に誘われるようになった。家人は留めていたが、ある夜、隙を見て外出し、行方知れずになった。友人もいなくなっていた。翌々日、山で木挽きは首を吊っており、友人はそのそばでぼんやりしていた。傍には狐の座った跡が残っていた。
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キツネ 1991年 奈良県 昔、ある子供が学校に行く時に、いつも狐の巣をつついて悪戯をしていた。ある日のこと、その子が帰ってこなくなった。それでみんな大騒ぎをして、山へ探しに行った。缶を叩きながら名前を呼んで探した。そうしたら、穴に埋められて死んでいる姿で見つかった。
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キツネ 1954年 愛知県 三河岡崎付近で、ある少女が、夜に家の前で小便したところ、遊んでいた狐の子にかかったので、親狐が怒っていたという。巫女に祈祷してもらったので、少女の狐憑きらしき動作は治った。
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キツネツキ 1922年 岡山県 幼少の頃、落合村付近の某村に縁辺があり、そこに60前後の好人物な婆さんがいた。ある日婆さんが川に入り歩いていく。狐憑で、主人が引っ張ってきて寝かし、法印の錫杖を持ち出して念仏をやりだした。なぜ憑いたと問うと、食べ物がなくなり、婆さんが小便をかけたので憑いたという。揚げ豆腐、赤豆飯などを食べた後、婆さんは倒れ、狐は落ちた。
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キツネ,トウナイギツネ 1989年 鳥取県 戸上に藤内狐という狐がいた。ある夜、馬子がワラスボにご馳走を持って帰ると、馬子に化けた藤内狐が出て「小便してくるから待っててくれ」と言った。いつまでもチョロチョロと小便の音がしていて、朝になった。音は掛樋から出る水の音だった。ワラスボのご馳走は取られ、柴の葉が詰められていた。
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ロウギツネ 1939年 新潟県 鼠を毒殺して家の前において置くと、誤って子狐がそれを食べて死んでしまった。親狐は怒って、この家の3人の娘を次々発狂させて死に至らしめた。この家の両親が狐を訴えた翌日、狐の夫婦が自死していた。この両親は四国巡礼に旅だった。
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キツネ 1972年 千葉県 稲荷様の傍の神木に狐が住み着いたのに気付かず、その木を切り倒してしまって、狐は鋸にひかれて死んだ。その木には子狐が3匹いた。その後、その家の人は病気になり、死んでしまった。
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シロイイヌ 2001年 青森県 どれほど経っても犬が帰ってこないから迎えに行ったところ、死んでしまったと告げられた。爺さんはその死骸を引き取っていって家の栃の木の下に埋めたが、やがて木が大きくなりすぎてしまったので、これを伐って臼を作った。すると、その臼でついた餅が、大判小判となった。それを見た隣の爺さんも儲けようと思って臼を借りたが、ついた餅は犬や牛の糞になってしまった。怒った隣の爺さんは、この臼を割って燃やしてしまった。
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キツネ 1989年 長野県 ある人が飯田の方へ行ったとき、昼寝していた狐に石を投げたら当たった。狐は痛そうな泣き声を上げて山の方へ逃げた。帰路、狐の寝ていたところに来るとにわかに薄暗くなり、日が暮れた。困ったと思っていると、向こうから弔い行列が来る。怖くなって道端の木に登ると、木の回りを回って、根元に棺を置いて火を焚いて帰っていった。棺が焼け落ちると中から死人が出てきて、木を上ってきた。その人がてっぺんまで上ると枝が折れて落ちた。悲鳴を上げると、辺りは元通り明るく、その人は土手の下に落ちていた。
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キツネ 1991年 奈良県 ある晩遅くのこと、お産が重くて苦しんでいるというので、産婦人科のお医者さんを呼びに来た人がいた。お医者さんは山道を歩いて行き、お産を済ませると、ご馳走をもてなされ、たくさんのお札をもらった。翌日、お医者さんが便所に行ったら、杉の葉ばかりの大便が出た。実は狐のお産だったのである。
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タヌキ 1992年 奈良県 畑を荒らす猪を見張るために、小屋を作って毎晩泊まっていた。そうしたら、狸が名前を呼び戸を叩いて訪ねてきた。毎晩続くので、狸が騙そうとしていると考え、ある晩狸の手を鉈で切った。翌朝、落ちた血を伝っていったら、狸が死んでいた。それからその家は貧乏になり、狸の祟りだと言われた。
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キツネ 1988年 奈良県 惣五郎と言う人が三反御作(3反歩ある大きな田)を植えた帰り、溺死した子狐を見つけ葬った。その夜戸を叩く者がおり、「お田引いた惣五郎さん、三反御作みな引いた」と5,6人の声がした。翌朝見ると植えた苗はみな引き抜かれ、狐の屍骸が掘り起されていた。親狐が思い違いをしていると思い、狐のいそうなところを釈明して歩いたら、その夜に伊勢音頭の音がして「お田引いてすまなんだ、三反御作また植えた」と声がした。翌朝、家の前には大きな鏡餅が置いてあり、田はもとどおり植えてあった。
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キツネ 1988年 静岡県 爺さんがきれいな娘を舟に乗せた。爺さんにはその正体がおべんじょという狐であるとわかったため、青松葉をいぶした。狐がもう化かさないと約束したので放してやった。しかし毎晩石を投げるので、ことわりに行った。すると狐が祟って、近くで生まれた子供が3人亡くなった。
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キツネ 1937年 新潟県 迎えに出てはならないツゲトの帰りを、爺さんが迎えに出た。手を引いて家に辿り着くと、すぐに眠ってしまった。翌朝目を覚ますと、そこは野原であった。悪い狐に騙されたのだろう。
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キツネ 1998年 奈良県 墓の中で何かがむくっと立ち上がった。狐か狸かが騙しているのかと思い、手に持っていた傘で殴った。そうしたら、小便をしているお婆さんだった。後で饅頭を買ってお婆さんに持って行った。
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キツネ 1988年 茨城県 1人暮らしのお爺さんが家に帰ると、死んだはずのお婆さんが囲炉裏端に座って股を広げ、字を書いて話をしていた。驚いて近所に助けを求め、近所の人が覗き込むと狐が飛び出してきた。狐が2匹折り重なって化けていて、下の狐の口が股座に見えていた。
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サルノヨメゴ 1956年 宮城県 昔、ある家に娘が3人いた。ある年の日照りに、どこの田にも水がなくて困っていると、1匹の猿が来て、「あんたの田に水をいれてやるから、娘を誰か1人くれ」というので父が承知すると、猿は忽ち水をためる。父が猿との約束を心配していると、末の娘が快諾して猿の嫁となる。2,3日後、猿と娘がお舅礼に来る途中、藤の木の前で、父にこの藤の花をとっていきたいと娘が言う。猿は木に登ってとろうとし、娘がもっと先というのにつられ、先まで行った。するとからまった藤のつるが木からはなれて猿は川の中に落ち、娘は無事家に帰ってきた。
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キツネ 1972年 千葉県 いたずら小僧をお使いに出した。小僧は川原で昼寝していた狐を脅かしたら、川に落ちた。その帰り道突然暗くなり、近くに民家の明かりが見えた。そこに行くとお婆さんと寝ているお爺さんがいたので、ロウソクをねだると、お婆さんは、ロウソクをとりに行っている間、お爺さんに返事をしてくれと言う。お爺さんが「ばばあいたかな」と呼ぶのに答えていたが、だんだん大声になるので、驚いて逃げ出した。すると川に落ちてしまった。気付くとまだ昼間で、狐に仕返しされていた。
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