サカナ 1929年 大分県 昔ヒロトという所の人が黒太郎淵で大きな魚を獲った。網に入れたまま持ち帰ろうとしたら、淵から呼びかける声があり、網の中に魚が答えたので、その人は網を松に懸けて逃げ帰った。
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ケンムン 1981年 鹿児島県 伯父と一緒に投げ網をしに行った。伯父が水でボトボトという音を聞き、魚がたくさんいると思って網を投げると、ケンムンに網ごととられてしまった。
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ヒョウスボ 1965年 宮崎県 川で漁をしていたらヒョウスボが網にかかったので、「網を三つ切って出て行ってくれ」と頼んだら、そうして出て行ったという。
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ヤマテング 1936年 山の神の類が夜網を打つ人にシラセをする。網を打つと遠くでも網を打つ音がする、投網を投げたらたちまちボロボロになって跳ね上げられ天狗が笑う声がした、大石が水に落ちる音がしたのに波がまったく立たない、大坊主が夜焚きの火の向こうに現れ睨む、などである。
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イケ 1933年 神奈川県 剣明神の前にある池の魚をとると必ず病にかかるという。漁夫がある時網を入れてたくさん魚をとっていたが、まもなくひどい熱病にかかり、1週間ほどして死んでしまった。
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(ゾクシン) 1960年 愛媛県 旧盆の16日に網を引くことを嫌うので、今もあまり網を引かないようにしているという。
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タヌキ 1992年 奈良県 ある人が夜に網を持って魚を捕りに行った。そうしたら帰りに狸が若い男に化けて現れて格闘した。気がついたら魚はみんな取られてしまい、着ていた半纏もぼろぼろになった。そんなことが2回ほどあったという。
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カイギョ,ヤマメ 1934年 静岡県 明治34年の夏、淵に1尋もある奇怪な大魚が泳いでいた。網を投げると網がズタズタにされるので鎌に長い柄をつけて突き刺して捕らえた。大きさは4尺に近く、暗灰色で虹色の斑点があった。怪魚の正体はヤマメのずば抜けて大きなものであった。
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ウオ,コノハ 1947年 山梨県 薄月夜に夜網で魚を採っていると面白い程採れた。石につまずいて肩から外れて拡がった網にも魚が入るほどだった。はっと正気に戻ってビクを見ると、木の葉が沢山詰まっていた。
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オオキナイシ,エビス 1984年 鹿児島県 明治以前のある時、地引網を引いていると網に大きな石が入っていた。沖に捨てても網を引くたびに入っているので不思議に思い、浜に砂を盛り石を立てたら大漁になった。これをエビス神として境界に祀った。
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イケノヌシ,(ダイジャ) 1987年 山口県 池の主が娘に化けて、対岸の蛇の池へ、漁師に頼んで渡してもらった。お礼に「一度だけ網を落とせ」と言った。あまりに大漁だったので、漁師が二回目を入れてみたが、蛇などが入っていて、魚は一匹もいなかった。
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サカナ 1991年 鹿児島県 海に魚が海面をもりあげるほど大量にいた。網をなげてみると小魚1匹かかっていなかった。
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ヘビノイケ 1987年 山口県 「蛇の池」という池で魚を獲ろうと思って網を入れて置いて、朝行ってみたら上にあげられていた。
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キツネ 1987年 奈良県 魚を買って帰る途中、狐が魚を盗むために変な所に連れて行ってしまうという。魚を取られて、気がつくと井戸や谷にいるのだという。
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テング,カミカクシ 1915年 奈良県 昔から1月1日に天狗と盃をする家がある。18年ほど前、その家の次男がある日網をもって魚を捕りに行ったまま帰って来なくなった。探してみると、木の上に網が掛かっていたが本人はいない。探しあぐねていると7日目に帰ってきた。天狗と遊びに行ってきたのだと言ったそうである。
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オサカカンノン 1989年 長野県 魚を捕る人がフナを捕っていると、十一面観音が網に引っかかった。それが今の小坂の観音像である。
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カワテング 1973年 山梨県 儀兵衛というじい様が精進湖へ網打ちに行き、投網をすると、何か大物がかかったような手応えがあった。網を上げようとしても上がらず、かえって湖の中に引き込まれて行く。じい様は怖くなり網を放り出して逃げ帰り、翌朝行って見ると網は湖端に残っているが、底が破れて大きな穴があいていた。川天狗の仕業ではないかという。
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カッパ,ガラッパ 1971年 鹿児島県 ガラッパを獲った話がある。魚を獲る麻の網にかかったのだという。
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キツネ 1983年 東京都 魚売りが残った魚をかついで山を歩いていると、狐に化かされて道がわからなくなり、一晩中山を歩いていた。最後には魚を全部とられてしまった。
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リュウグウサン 1976年 長崎県 海で四足の魚が何度も同じ船の網にかかった。その猟師が病気になったので四足の魚を祀ると治った。ゆえに竜宮さんとして崇める。
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サカナ 1974年 東京都 新安楽寺で神前の池魚を捕った者が発熱して死んだ。網を曳いていた若者も急に発狂して神前の魚を捕る事が憎いなどと罵った。
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