テンニョ 1928年 鹿児島県 4年程前の朝早く、天女のように美しい裸の女が水浴びしているのを目撃したので、正体をつきとめようと川上へ移動したが、すでに女の姿はなかった。実は水神を祭っている娘であった。
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キツネ 1998年 奈良県 朝早く、年寄りが神社にお参りに行ったら、近所の娘がいた。日本髪を結い、絣の着物を着て、お歯黒をつけてお参りをして、ケタケタと笑っていた。実はその娘は本人ではなく、狐が化けていたのだった。
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ヌマノヌシ 1977年 福島県 炭焼きに行った美しい娘が、毎晩沼で水浴びをしていた。沼の主が娘に惚れ、あるとき娘の足を引っ張って持って行った。主が食ってしまったという。沼には何かしら主がいるというが、沼が乾いてしまったので、主は後ろの山を越えて行ってしまったという。
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バケモノ 1937年 福井県 おばさんが帰り道に、木の下にいる娘を見つけた。おやすみなさいと挨拶をすると、大きな声を出して娘がだんだん大きくなった。これば化物だと思って、念仏を唱えるとその娘は消えていなくなった。
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カミサン 1994年 鳥取県 ちよこさんという人が、水尻池の真ん中にいた神さんに呼ばれた。白い着物で烏帽子、船に4,5人乗っていた。呼ばれて行こうとすると、陸でお母さんが止める。迷ってフラフラして気を失い、近所の人が梅干の汁を顔にかけて、意識が戻った。
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サジカミミョウジン 1983年 東京都 子供たちが明神様の御神体を水に浮かべて遊んでいたのを、部落のおじさんが取り上げた。すると、2,3日後に熱病の病人が多数出た。水浴びしたかった明神様を取り上げてしまったのでこうなったという。御神体に水浴びさせると治った。
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カッパ,コウジン 1914年 佐賀県 商家の11、2歳の娘が寺子屋の帰りに隣家の童子に会い、観成院の前の川で遊ぼうと誘われた。一旦家に戻って出かけようとすると、親が用心の為に荒神様を拝ませ、額に竈の墨を塗った。約束した童子は娘の額を見て、もう一緒に泳ぎたくないといって立ち去ったという。童子は河童であった。
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カッパガミサマノミタラシイケ 1956年 宮城県 磯良神社,通称河童神様の御手洗池はどんな日照続きでも水の涸れることがなく,それが用水堀に続いていた。昔,近所の安彦甚之丞という者が,ある夏仲間と二人で用水堀をくぐって泳ぎ回っているといつのまにか水底から水の無い所に出た。そこには立派な家があり,窓から覗くと美しい娘が機織をしていた。「ここは人間の来る所ではない。早く帰りなさい。」「ここに来た事を三年経たぬうちは人に語るな。語れば必ず禍がある。」と言われたので,夢中で逃げ出すと何時の間にか元の用水堀に出ていた。一人はつい口を滑らせてしまい,原因不明の高熱で急死してしまったが,甚之丞はなかなか話さなかった。
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オバケ 1988年 茨城県 終戦前のこと。毎晩のようにお化けが出て着物を欲しがる。着物をやるとお化けは墓に帰る。おかしいと思って後をつけると、川を渡るとき尻はしょりをしたので、生きている人間が変装しているとわかった。
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オバケ 1974年 山梨県 寺下集落の庚申塔のある淵で水死した人がお化けになって出るという。
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シンリョウジョシショノカイダン 1971年 鹿児島県 診療所の支所で幽霊や化物が出ると言われていた。化物は女であったり、指のない人間であったりした。またある人が宿直の折、戸締りをして入れないようにしてある宿直室に入り込んで彼の頬を冷たい手で撫でたりもした。この人が神様に伺いを立てたら、以前に自殺した無免許医師が誰も祭ってくれないので、水が欲しくて現われたのだと言われたため懇ろに祭った。またのちに、僧侶の免許を持った出張所長が任命されてからは、宿直室に寝ていると畳がふわふわと持ち上がってドシーンと落ちたりした。古い書類を焼いている折、一緒に投げ込んだサイダー瓶が大きな爆発音とともに割れもせずに中学校のほうに飛んで行った。この中学校の宿直室では横に寝ると何者かに押さえつけられ、仰向けに寝ると押さえつけられない。のちに支所が出張所に変更されて移転してからはこのあたりで神主姿で白く百メートルぐらいの長い布を引きずった化物が目撃されたりもした。
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キツネ 1994年 鳥取県 ある人が化かされて、お湯のつもりで田んぼに入らされた。
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ムジナ 1996年 石川県 話者の知人が若い頃、仲人を頼まれてお嫁さんを迎えに行ったとき、藪からむじなが出てきて頭に葉っぱを乗せて、きれいな娘に化けた。知人は知らぬふりをして近づいて唐傘で殴ったら、娘はでっかいむじなに戻って死んだ。知人はむじなを担いで持って帰ってきた。
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リュウジン 1955年 山梨県 下女のお玉は長峯の池の主で竜神の化身だったという。毎朝池の水に下半身を浸して水浴していたが主家の主婦に叱責されて家を辞し、桶を地に伏して立ち去った。そこから清水が湧き出して止まることはなかったという。
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ヤマ ノ カミサマ 1960年 三重県 昔山奥に行った人が、河原で綺麗な着物を着て髪を洗っている女に出遭い、見たことを話すなと口止めされた。これが山の神様。
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ナガシズノイケ 1956年 宮城県 昭和28(1953)年2月28日長清水部落が大火によって全焼した。その前々日の夕暮時,部落の阿部某と子供三人が長清水池を通りかかると,沼のほとりを一尺位の人形のような美少女が一人歩いていたので不思議に思いながら通り過ぎた。後にそれを聞いた人々は,保呂羽神社の御本尊(観音様)が抜け出して大火を予告されたに違いないと噂し合った。
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マックロノオオキナニンゲン 1961年 長野県 話者は幼い頃母を亡くし、継母が来る事になって挨拶に行った帰り、真黒な大きな人間に会った。振り返ってみると消えてしまった。実母が心配して出て来たのだろうと人に言われた。話者の姪も話者の家に来て、月の夜水汲みに出て、真黒い大きな人間に会った。出会い頭に消えたという。
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カワウソ 1976年 新潟県 八田蟹集落のユウヤというところで、夜遅く、川うそが死人を洗っている姿に化けたのを見た人がいる。その人はそのあとすぐに死んでしまったと言う。
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ヒトダマ 1991年 石川県 風呂に行くとき、集会場のあったところで青い人魂を見た。地面から出て、空に浮いていた。人骨が残っていたらしい。
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オクリオオカミ 1973年 三重県 炭焼きに行った親子3人がしゃくなげの花を取りに行ったが、弟だけが帰ってこない。辺りを探すと犬のような足跡があり、おくりおおかみにやられたというので祈祷師に見てもらった。数日後、道端に座っているのを発見された。
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