テング 1956年 茨城県 幼い頃、炭焼きの父のところへ遊びに行って泊まった。夕方、父が「天狗が遊びに来ることになっている」と言われ、9時頃になると赤い顔で鼻が突き出た大天狗が山小屋の入口から入ってきた。
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テング 1986年 石川県 山中の炭焼き小屋にある晩天狗が来て、屋根を取り払ってしまった。寝ていて星空が見えた。翌朝、元通りになっていた。
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テング 1972年 千葉県 山の中に炭焼きに行き、仮小屋で婆さんが一服していたら、カヤ屋根の間から小さい手が出てきて「オコワ」と言った。「そんな小さい手じゃおえないから、大きい手を出せ」と言ったら、びっくりするほど大きな手が出てきた。天狗の仕業。
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テング 1980年 神奈川県 老人が15,6才のころ、炭焼きに山に入ると、ゴーゴーと強い風が吹いてきて、夜が染まるにつれてひどくなった。天狗に一人ぼっちどうし仲良くしようというと吹き荒れていた風がふとやんだ。
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テングサマ 1956年 山梨県 炭焼きに行くと天狗様が出ることがある。夜、山に小屋掛けをしていて、木を伐る音がしたら、勇気を持って怖がらずに「承知している」と言えば出て来ぬが、怖がっていると出て来る。
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テングサマ 1951年 新潟県 炭焼の小屋に一人きりでいると小屋の上の大木が地響きを立てて倒れ、もう少しで死ぬところだった。木は朽ちてもおらず、風も全く無い夜だった。天狗様の悪戯だという。
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テングサン 1963年 岡山県 話者の身内の炭焼きの爺さんが、夜明けの1時間半くらい前に窯に行ったら、宙からザランザランと音がした。上を見たが何も居なかった。天狗さんだろう。
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テング 1973年 三重県,滋賀県 三重県と滋賀県の県境の山に天狗が住んでいた。月夜の晩に炭焼きに行くと、天狗の笛や歌が聞こえてくる。鉄砲を撃ちに行った人が夜、炭小屋に泊まったところ、澄んだ声でオーイと呼ばれた。その人が相手になっていると、突然山が荒れて小石が落ちてきたりした。若者が肩を組み念仏などを唱えていると、小屋が揺れて大木が折れた。翌朝、外には小石も落ちていなければ木も折れていなかった。
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テング 1922年 岩手県 炭焼きをしていた子供が、大檜のところで白髪の老人に連れ去られ、岩屋に住むようになった。食べたことも無いようなおいしいものが出てきたりしたが、両親が祈願をこめた八幡神社のお告げには天狗も逆らえず、子供を返した。
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オモイ,バケモノ,ロウジン 1973年 山梨県 炭焼きが大和田山の山小屋に泊まり、串にさした餅を焼いていると見知らぬ老人が一人入ってきて向こう側に座った。そして隙を伺っては餅を取って食うなどした。炭焼きが考えることを次々と言い当てるが、炭焼きが薪の棒をひざに当ててくじくと節のかけらが化け物(老人)の目にあたった。化物は「思うことより思わぬことのほうが怖い」といって逃げた。
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ダイジャ 1987年 徳島県 おじいさんが炭焼きをしていると、木がバサバサと倒れるので、うさぎが来たと思って鎌を構えて待っていた。直径15センチの樫の木がバタバタと倒れ、大きなうさぎだと身構えると、直径25センチ大の蛇だった。しばらくにらみ合い、かまを振り上げてにらみつけると逃げていった。小屋に帰ったおじいさんの顔は土色になっていた。
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テング 1993年 福井県 大きな岩石があり、ここの天狗がいると恐れられていた。ある日この近くで三左衛門という人が炭を焼き始めた。天狗が現れ「ここはわしの庭だから、すぐ帰れ。笛を吹き、太鼓が鳴ったら下山しろ」という。無視していると数日後に天狗が現れ「もう一度合図するので、帰れ」という。風が強くなり、雨も降り出したので下山した。あまりの大嵐となり、三左衛門の家は倒れた。
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テング 1980年 和歌山県 柏の木のある家で働いていた男衆が夜寝ていると、天狗がやって来て柏の木をゆするので怖がったという。
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テング 1975年 岡山県 山の天狗は子天狗に、「小炭焼きには手を出すな。朝には木を切り倒して,焼いて、晩には背負って帰る。火を負って歩く。恐ろしいぞ」と警めたという。
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ワラウコエ,テングノタカワライ 1982年 新潟県 村の衆と一緒に奥山へ炭焼きに行ったとき、夜なかにアハハハハと大きな声で笑う声がした。これを天狗の高笑いといい、気味が悪くてふるえあがった。
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タヌキ 1986年 埼玉県 名栗村の炭焼きのじい様が夜に寝酒を飲んでいると、墨染めの衣を着た坊さんが尋ねてきたので、ご馳走した。それが何回か続くようになったのでじい様は怪しみ、焼き団子を進ぜようと言って火箸でいろりの灰の中から石をつまみ出し、坊さんの衣にくるんだ。すると坊さんは「あっちっち」と言って外へ飛び出して行った。次の日、山道に古狸がやけどをして死んでいた。
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テング 1955年 静岡県 天狗岩の近くで炭焼きをしていたら、笛太鼓でジャンジャカジャンジャカ賑やかにやる音だけ聞こえた。姿は見えなかった。天狗さんの仕業。
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(タヌキ) 1977年 和歌山県 岩の瀬を通ろうとすると、狸が餅を投げてきたが、嘘だった。炭焼きする人がはいとこに行くと、木を放ってきたが、音だけであった。かま出しをしていると、えぶりつかみに来たという。姿は見えないけれど、引っ張られる気がしたという。
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テング 1979年 滋賀県 甲賀郡土山町の黒滝部落では、村人は1年を通して山仕事、特に炭焼きをして暮らしていた。ある時炭小屋で仕事をしていると、昼間から太鼓の賑やかな音が聞こえてきた。いっこうに止む気配はなく、誰かが天狗の仕業だと言いだした。その翌日も太鼓の音がしたが、音がする方に煙草の吸殻を投げると、忽ちその音が止んだ。天狗は煙草好きだと話題になった。
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タヌキ 1991年 愛媛県 炭焼きがお宮祭りの帰り、酒に酔って炭焼き釜へ寄ったら狸に引かれて、田んぼに入って稲を踏んで回ったりわけのわからないことを言ったりして、気づいたら夜明けになっていた。
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