アヤカシ 2002年 山口県 帆船で航海する時は、夜中沖間で灯火を見ることが多く、時にはこちらに走ってくることがある。これをアヤカシという。この時、船を避けずに突進すると消滅する。避けようとすると暗礁に乗り上げ難に遇う。また海上に多くの火があって多数のものが一団となり東西に走ることがあり、これは現今の漁業者も見たことがある者が多い。
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ヤカジ 1956年 東京都 ヤカジという、5丈余りあるものが山から出てくる。足元を見ても見えない。嵐のようなものである。
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ヒノタマ 1981年 愛知県 夜、浜辺へ出てきて大きな声で「かりやたろう」と叫ぶと火の玉が来る。初めは沖の方へ小さな火が見えるが、みるみる大きくなって真上に来たときには、風呂桶の様な大きさになり、ぐるぐる回りだす。出会って逃げ遅れた時は草履を頭にのせて這っておれば、帰っていく。
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アタマナシ 1936年 兵庫県 夜、漁に出ると、アタマナシという火が出る。日和の日は出ない。
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ウブメトリ 1976年 小雨降る闇夜に出る。出現する時は燐火を伴う。遠くから見れば鴎のようである。婦人の姿にもなり、人に会ったら子供を負わせようとする。逃げれば熱が出て死ぬこともある。背負うと害はない。人家に近くなると背負った子は消える。
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オオビタキ 1981年 香川県 妖怪オオビタキ、オビタキは夜中に大火をたく。えんまはんのような顔をしたものが頭巾をかぶって畳半畳ほどの火を4人で担いで走ってくるという。相撲取りの恰好をして山からナワスジを通って火を担ぎながら下りて来るともいう。
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ヨウカイ,モモムササビ 1974年 晩鳥、野禽ともいう。姿形は鼬鼠のようであり、昼は深山に隠れ夜になると現われる。人が持っている松明の火を吹き消す。
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ヒ 1977年 秋田県 夜、山の裾野に火が見えて、それが点滅しながら移動することがある。
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ヒトボシ 1973年 富山県 雨の降る夜に、ヒトボシという青い火が燃えながら走り、人影が近づくと消える。
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テンビ 1938年 熊本県 天火はほとんど得体の知れない怪火である。大きさは提灯ほどだが、人玉のように尾を引かない。屋根の上に落ちてくると、火事を起こすといわれている。
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オヤダマサマ 1943年 鹿児島県 オヤダマ様は11月28日の晩に来て、12月6日の月が出る頃に帰る。海に帰るので、6日の晩には磯へ行けない。オヤダマ様は人間の目には見えない。
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フナユウレイ 1983年 愛媛県 宮野の芳坊という青年が釣りに行った夜、数千という火の列が現れた。怪火は一団の大火となって千石船のヘサキにとまり、その船が漁船に接近した瞬間、大船は消えて大怪火も数千の怪火となって退いた。
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アヤカシ 1933年 九州北部 アヤカシは海幽霊などと同じようなものとして理解されている。杓子を求めたら杓子の底を抜いて貸さなければならないという話や、盥と水で供養すれば消えうせるという話がある。
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カワボタル 1938年 千葉県 夜中、二人が釣りに出たら、突然嵐のような天気になり、やがて周りは真っ暗になった。その時、水中より青い火がひらひらと燃え上がり、一人の舟の方に近づいてきた。目をつぶって念仏を唱えたら消えた。翌日、漁師に話を聞くと、このようなカワボタルが出るのは常のことであると分った。もし追い出そうとして叩いてしまったら、砕け散って舟に火をつける。単なる炎ではなく、油のようにぬるぬるして落ちないという。
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ノビ 1936年 高知県 野火は怪しい火のことで、傘ほどの大きさの火が砕けて数十の星になり、時には地上4、5尺の高さを数百間も走る。草履に唾を吐いたもので招くと、いきなり頭上にきて煌煌と空中を舞う。
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ミノムシ 1938年 新潟県 ミノムシは道の怪である。小雨の降る晩などに歩いていると、火が現れて蓑の端にくっつく。払えば払うほど全身を包むが、熱くはない。雨のしずくが、火の粉のように見えるのだという。
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アヤシビ,ウミユウレイ 1928年 広島県 夏から秋の夜にかけて、沖合の海上を怪火が走ることがある。
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(チイサイニンゲン),イタチ 1964年 福島県 ある夕方、井戸ばたで仕事をしていたら、かたわらに60センチメートルほどの人間が突然でてきた。たとえようもない見ぐさい(見苦しい)顔であった。「ぽこ、ぽこ」と青赤い火が2,3メートルも立ち上がってぽっと消える。いたちのしわざだという。
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ユウレイビ,フナユウレイ,ケチビ,ボーコ 1978年 高知県 海上に現れて遠近に位置を変えながら漂う幽霊火は、ケチビ、ボーコなどとも言われるが、これも舟幽霊と見做されることがある。
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ノリコシ 1997年 岩手県 ノリコシは影法師のような化け物である。最初は坊主頭で現れる。はっきりしないのでよく見ようとすると、その度にめきめきと大きくなり、頭の方から下へ下へと見下ろして行くと消えるという。土淵村の権蔵という鍛冶屋がある夜、師匠の所に帰ってくると、家の中にいる師匠の女房を覗き見している男がいて、近づいてみたらその男が後ずさりして雨打ち石まで退き、そして急に背が伸び始まった。屋根を乗り越して蔭の方へ消えたという。
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