ミコ 1967年 福島県 死んだ人をおろして話をしてみたいと思えば、年齢と男女の別を巫女に話す。巫女が祈祷の文句を唱えると、たちまち仏がつく。死んだ夫ならその口ぶりで話すという。話の下手な巫女でも仏が乗り移ると別人のように次々とことばを述べる。終わるとあくびをして正気にかえる。あとで聞いても何を話したのか覚えていない。熟練した巫女には亡者の姿まで見えると思われていた。
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ユウレイ 1979年 岐阜県 子どもを残して死んだ母親が、夜中幽霊になって出て仏壇にお参りする音が聞えた。音がするから開けてみても誰もいなかった。
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(ゾクシン) 1982年 新潟県 家人が死んだ後、身に近い人が「口よせ」をする。アガタ、マンチ、ワカドノといった巫女から仏をおろしてもらって死後の様子や息のある中にいいたかったこと、気にかけていたことを聞いてもらう。
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ユウレイ 1961年 東京都 難産で死んだ女房をそのまま葬ったところ、毎晩幽霊になって夫の枕元に子を産ませてくれと泣いて出た。そこで産婆を呼び、左刃の鎌で腹を裂き赤ん坊を取りだして母に抱かせて丁重に葬ったという。
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コドモ,タマシイ 1937年 新潟県 死んだ婆さんが野原に行くと、そこに子供が出てきて、自分の墓に花を供えて欲しいという。婆さんはその後蘇生し、この子供のことを話すと、昔若くして死んだ子供がいることを知り、以来その供養をするようになった。
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ウブメ 1933年 熊本県 母胎諸共死亡した妊婦は、ウブメに変化すると信じられている。ある婦人が墓地の側を通りかかると赤ん坊を抱いた女が暫くでいいからこの子を預かってくれと赤ん坊を渡す。確かに抱いたと思うと、不思議な事に先ごろ胎児を宿して死んだ婦人の墓石に抱きついている。妊婦が死んだときは、胎児を取り出して葬らなければいけない。どうしてもできないときは、藁人形を妊婦の背に括り付けて葬る。
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シンダコ 1935年 奈良県 子どもが死んで、母が仏壇の上に、カマボコを置いていた。死んだ子が来ていると、子どもが言うので拝むとカマボコだった。
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ユウレイアメ 1952年 三重県 ある女性が、菓子屋の閉店頃に飴を買いに来た。売上げ箱には樒の葉が入っているので不思議に思い女性をつけると、寺の中に入っていった。妊娠した女が死んでいて棺の中では赤ちゃんが飴をなめていた。
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コドモ 1968年 佐賀県 妊娠したまま死んだ人があると、子供が腹の中でいつまでも泣くといって、腹を割いて子供を出し、麦を水で浸した物を腹に替わりに入れて葬らなくてはいけない。
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ユウレイ 1941年 岩手県 赤ん坊を胎内に留めたまま母は死んでしまったが、その墓から赤ん坊の泣き声がするので、ある人が掘り返してみると男の子が生まれており、その子は後に僧になった。(類話あり)
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(ゾクシン),ユウレイ 1935年 島根県 妊産婦が亡くなったときには子供を背負わせて埋葬しないと、幽霊になって現れて「子を負わせてくれ」とすがりついてくるという。
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ボウレイ 1974年 東京都 角田川のほとりにある子の墓で母親が念仏すると子の亡霊に会うことが出来た。母は妙亀という尼になり傍らの庵に住んだ。故にこの地を妙亀山という。
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(ホトケオロシ),(シリョウ) 2000年 香川県 民間の口寄せ巫女が依頼者の求めに応じて死者の霊を呼び出し、その心境を死者に代わって口語ることを仏おろしという。拝む人はホウニンサンとか御祈祷師と呼ぶ。御幣をぶら下げて家の中を浄め、位牌には御幣をつけたサカキを立てる。錫杖のようなものを振って拝むと、「水が欲しい」という。言い終わると、がっくりと肩を落としてまた拝む。
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ヒトダマ 1992年 宮崎県 人が死んだとき、近親者に仏前の鐘が鳴るような音が聞こえることがある。人魂が挨拶に来ている。人魂はただちに寺へも挨拶に行き、お寺の鐘をかすかに鳴らすので、僧は檀家の不幸を知るという。
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シノシラセ 1981年 山形県 人が死んだとき、男は寺の本堂に、女は台所に呼びに来るといわれる。
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ユウレイ 1930年 愛媛県 夜毎に飴を買いに来る女がいる。後をつけると墓地で消えた。その新しい墓から嬰児の泣声がしたので墓を掘り返すと、棺桶の中で赤ん坊が死んだ女に抱かれていた。和尚はその子を拾い上げ、母親の菩提を弔わせるために僧にした。後に名僧になった。
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ユウレイ 1976年 高知県 妊娠中に死んだ妊婦には鎌を片手に持って開腹の後に埋葬しなくてはならない。そのまま埋めると子供が産まれ、母は幽霊になって店に乳を買いに来る。
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オジゾウサン 1974年 滋賀県 臨月の妻を持った男が、地蔵のそばで休んでいると、今夜お産があって、産まれた子は三歳で死ぬ、と言う会話を聞いた。妻はその夜出産しており、その子は三歳で死んだ。
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(シリョクノカイフク) 2004年 京都府 ある貧女が我が子を捨てる。子は高僧に拾われて僧となり,父母を探すため四天王寺で連日説法を行った。ついに僧は盲目となっていた母と再会し,母のため三宝諸天に祈祷を捧げる。すると母の目が元のように開いた。
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(コソダテユウレイ) 1965年 高知県 妊婦が死んだときには、胎児を取り出して別々に埋葬する。昔、毎晩女が菓子を買いに来るのであとをつけると、墓のところで消えた。墓を掘り返すと、赤子が生れて泣いていた。こういうことがないように「身二つにして埋めにゃあかん」という。
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