リュウジン 1982年 京都府 大旱魃の時、長者屋敷の竜神井戸にもし水を授けてくれたら娘を嫁に差し上げますと祈ったところ、田畑に水が満ち、娘は竜神に嫁に行った。娘は夜井戸に来て頼めば欲しいものは何でも出してあげようといい、ある年皿を借りて一枚割れたまま返すと井戸からすすり泣きが聞こえ以後願いは聞き入れられなくなった。
類似事例 |
|
オカネウムムスメ 1956年 宮城県 昔、名鰭沼のふちに夫婦が住んでいた。子どもになかなか恵まれず、願かけて神に祈っていると、春の猫柳の芽がふくれる頃、嫁の腹が大きくなり、ついに女の子が生まれた。しかし片目片耳の子だったので、人目をさけてボロに包んで納屋においておいた。あるとき用事で、どうしても子を背負って町にいかなければならぬことになったので、慎重に包んで出ていった。町の用事がすんで帰るとき、石の上に子どもをおろして休んでいると、腰のまがった白髪の爺さんがきてボロをはがして子どもを見て「これはいい子だ。神様の授かりものだ。今にお金を生むから毎朝米一粒ずつつかませておけ」と言い残して消える。ためしに米一粒つかませるとお金を一つ産んだ。夫婦はしだいに金持ちになったが、慾の出た夫婦は「うんとつかませたらうんと生むだろう」と、ある日つかみきれないほど米をつかませると、子どもは死んでしまった。
類似事例 |
|
リュウグウ 1934年 鹿児島県 昔、貧乏な男が亀が子を産んでいるのを見つけ、亀の子を親亀の元に行かせてやった。男はその礼に亀にネインヤ(竜宮)につれていってもらい、神様の一人娘を嫁にもらった。その後、男は妻との約束を破り没落した。子供も、後妻をもらうといなくなってしまった。
類似事例 |
|
ダイジャ,アマゴイ 1944年 愛媛県 庄屋に一人娘があった。娘は蛇と通じ、大蛇のひいた白糸についていって瀧壺に入ってしまった。娘の親が娘を捜して瀧に入ると瀧の下には青畳が敷いてあり、娘と大蛇がいた。娘は蛇に連れられてここに来たためもう帰ることは出来ないといい證文を書いた。娘は、この證文を雨乞いの県画として瀧壺にかけると雨を降らすと約束した。その年は日照りであったが、瀧壺のまわりで祈願をすると、小さい蛇が降りてきて、雨が降ってきた。庄屋の家は絶えたが、この県画は残っており、神官が保存している。今でもこの瀧壺での祈願は有効的である。しかし、他村の人が行っても、蛇は出てこず鰻が出てきて雨を貰うことはできない。
類似事例 |
|
リュウ 1977年 熊本県 平家の水軍が軍船を造ったが、全く動かず進水できなかった。そこに近郷で評判の美女、油屋のお万が現れ、船台に油を注ぐと船は進水し、辺りは大嵐となった。嵐が止むと軍船もお万も消えた。お万の両親が、夢に現れたお万の言葉通りに3本の青竹を入江に浮かべると、水中から竜となったお万が現れ、天に昇った。
類似事例 |
|
アマ,オキナ,エビスサブロウ 2001年 京都府 左近丞夫婦がいた。貧苦にあえぐ妻は入水を口にするが、左近丞はなだめる。ある日左近丞は美しい尼に出会い、道案内をして10銭をもらう。妻と相談してそれで餅を買うことにする。妻が餅を買いに行くが、帰り道で翁に出会い、餅を所望される。妻は自分の分の餅を与えると、翁は恩をすぐ返すと約束して西へ向かう。その夜の夫婦の夢に貴人が現れて、妻の情で助かったことと、この家には貧乏神が多いので退治してやると告げる。夫婦が名を問うと「えびす三郎」と答える。目が覚めると枕元にえびすの像がある。その後妻は男児を出産する。
類似事例 |
|
ハナタレコゾウサマ 1934年 熊本県 毎日柴を売りに来た爺さんが、売れ残りの柴を橋の上から淵に投げ込んだところ、竜宮のお姫さんから、お礼にと鼻たれ小僧様を貰って戻り、家の神棚に上げてまつると、爺さんは長者になった。しかし、その小僧を追い出すと、小僧が門先で鼻をすすった途端、爺さんはもとの貧乏人になってしまった。
類似事例 |
|
カッパ 1929年 長崎県 ある夏、庄屋の田に全く水が入らなくなった。庄屋が夢で「河童がおまえの娘を欲しがっている」と言われた。庄屋は悩んだが、このことを娘に話すと娘は承諾した。有間川に入った娘は河童に会い、田に水を入れるように頼み、私の命である瓢箪を沈めることができたら嫁に行くと言って、瓢箪を川に投げ入れた。それから川には瓢箪が沈んでは浮きしていた。
類似事例 |
|
エイ 1978年 沖縄県 あるとき、マサリヤという男が浜辺で釣りをしているとエイという大魚がかかった。たちまちエイは美女となり、マサリヤと契りを交わし子どもも生れた。ある日、マサリヤが浜辺を歩いていると子どもが現れて、エイのいる竜宮へとマサリヤを誘った。竜宮からの帰りに美酒がいくらでも出てくるルリ壺を貰った。マサリヤはこの壺を誰にも見せないようにしていたが、豊かになり心がおごると多くの人に見せてしまった。すると、ルリ壺は白鳥となり、東へと飛び立ち宮国のシカブヤーという家の庭木にとまった。家の主人の夢に白髪の老人が現れ、旧9月の乙卯に物忌みをして白鳥を祀れば世果報を与えると告げた。
類似事例 |
|
ヘビトカエル 1956年 宮城県 薬売りがある晩、田んぼ道を急いでいると、1匹の大蛇がビッキ(蛙)を今にも呑もうとしていたので、「そのビッキを逃がしてやったら俺のオガダ(嫁)にしてやる」というと蛇はビッキを放した。3日ほどあと、17,8の美しい娘が薬売りの寝所に来て「あなたのオガダになるから側に寝させてくれ」と裸になって床に入ってきた。次の晩から毎晩同じ時間にやってきて、だんだん薬売りはやせていった。ご祈祷しても治らず困っていたところ、ある夜少し年取った女がきて、「わたしは助けてもらったビッキだが、今夜あの娘がきたら、今自分は病気で苦しい、それを治すために辰巳の方角の山にある大きな木のワシの卵をとってきてくれ、と言え」と話して去る。薬売りがそのとおりに言うと、娘は蛇となり木に登り卵をとろうとしたが、枝が折れて下に落ちていくところを大ワシが飛んできて蛇の目をついて殺した。それで薬売りの病気は治ったが、蛇は執念深いものだということだ。
類似事例 |
|
ウマノアンジ,ウマニャーズ,スジ 1978年 沖縄県 昔、砂川に住むサアネという少年がミナクサという海岸で竜宮から使わされてきたというウマノアンジ(ウマニャーズともいう)という美女と出会った。ウマノアンジは最初に出会った男の妻になるようにと竜王から命じられており、サアネに妻にしてくれと頼んだ。サアネは最初は逃げ回ったが、説き伏せられ夫婦となった。ウマノアンジはいくら取り出しても米が減らない布袋を持っており、それによってサアネは長者となり子どもも何人か生れた。あるとき、サアネは布袋の中を見てはならぬと言われていたが、留守の間に調べて中身が空であることを知った。それを知ったウマノアンジはスジという大魚となり、ミナシゴの浜から海に飛び込み竜宮へと帰って行った。ウマノアンジは竜宮へと帰る際に、津波除けの呪文を砂川の人々に教えた。人びとはその教えのとおりに旧3月初酉の日にナーパイという神事を行っている。
類似事例 |
|
ロクブ,ヤマノカミ,ハクバニノッタカミ 1950年 山梨県 六部が山の神の処で寝ていると、白馬に乗った神がやってくる夢を見た。白馬に乗った神は山の神に、楽ジンと乞食に子供が産まれたので、それぞれ竹やりと米一石五斗を与えたと言った。朝起きてみるとその通りになっていた。成長した乞食の娘は楽ジンの子と一緒になり3年楽に暮らしたが、娘は乞食の子であるとして離縁され、奉公に出、その後別の楽ジンのもとへ嫁に行った。しかし元夫の楽ジンはその後落ちぶれた。
類似事例 |
|
ニチレンショウニン,イシイモイド 1977年 神奈川県 昔、1人の女が井戸端で芋を洗っていたところ、みすぼらしい旅の僧がそれを恵んで欲しいといってきたが、女はそれを聞き入れなかった。すると、帰ってこの芋を火にかけても半煮えで石のようにかたいままであったため、女は芋を捨ててしまった。芋は井戸に落ちて芽を出し大きな葉をつけた。女はそれを自分のものだと言って掘ったのだが、芋は1つも出てこなかった。それ以来、井戸からは清水が湧き出してこなくなってしまった。
類似事例 |
|
ベンザイテン,ヘビ 1935年 昔、ある弁才天の神官の家にひとりの娘がいた。近所の百姓が多忙の時期には娘の手を借りることもあった。ある時百姓が養蚕のために手が不足したのでその娘を頼みにいくと、神官の家に出産があり手がいるので娘を借りることができなかった。しかし百姓が家に帰るとその娘が来ており、都合がついたという。それから娘は毎日その百姓の手伝いをした。仕事に区切りがついたので、娘を返すため神官の家まで送ると、娘はお参りをさせてくださいと言って神社に入ったきり帰ってこない。神官の家を訪れると娘はちゃんといて、手伝いには行っていないという。そこで百姓と神官が弁才天の前まで行くとその娘そっくりの頭を持った蛇がいた。神官が礼を述べると蛇は姿を消した。
類似事例 |
|
ヘビニョウボウ 1968年 愛媛県 大晦日に、男が幸木の売れ残りを海中に捨てた。後、娘が訪ねてきたので夫婦になった。子供が生まれ、島原の殿様が妻を乳母に差し出せと言う。妻は竜宮から来た者だと告げて男に玉を渡し、子供に与えるよう言って去る。玉を殿様に取り上げられ、海岸を歩いていると女が竜宮界の3つの玉だという血筋の玉をくれるが、それも取り上げられる。男が村を去ると、島原城下は崩れたという。
類似事例 |
|
ジゾウ 1941年 愛媛県 オロを売りに行った爺は六地蔵が雨でびしょびしょになっているのを見て、五つの笠を買ってあげたが、一つ足りなかったので、一体の地蔵を家まで持って帰り祭った。そしたら、この地蔵が米を尻から米を出すようになり、爺は毎日それを食べたが、婆は米をもっと出させようとしたら出なくなり、やがてその地蔵が家を去ったという。
類似事例 |
|
オニ 1955年 青森県 老夫婦が願を掛け、一寸太郎を授かる。「竜王になるので船をくれ」というので椀の蓋に針を添え、川に流した。漁師に拾われた後、長者の依頼で鬼退治をする。両目をつぶして鬼退治を果たし、沢山の褒美を爺婆のところに持ち帰り、一生安楽に暮らした。
類似事例 |
|
オンナ 1953年 福島県 ある男が丑の刻参りの満願の日、山道で乱し髪の女に会い、赤子を抱いてくれと頼まれた。抱いてやると、髪を梳き終わった女は、「種銭さえ残しておけばいくら使ってもなくならない」お金を差し出し姿を消した。これがオボダキ幽霊で、男は大変な金持ちになった。
類似事例 |
|
コウノイケ 1956年 宮城県 昔、一郎二郎三五郎という者が、沼で草を刈っていると二十歳ばかりの美しい娘が出てきて「わたしは大阪の鴻の池の者で、わけあって3年前にここにきた。向こうの様子が知りたいのであなたが上方詣りに行くついでに向こうにいる妹にこの手紙を持っていってくれまいか」と言ったのでひきうけた。娘はお礼に「毎朝米一粒入れてかき回すと昨日使っただけのお金が出てくる」どんぶりをくれた。一郎二郎三五郎は鴻の池(淋しい山の中の沼で故郷のと似ていた)に着いて、娘に言われたとおりポンポンポンと手を3べん打つと、故郷で会った娘と瓜二つの美しい娘が出てきた。一郎二郎三五郎が手紙を渡すとたいそう喜び、すぐに返事を書き「姉に届けてください」と頼み、馬をくれた。故郷に帰り、また沼にいって娘に妹の手紙を渡すと娘は非常に喜んで「あのどんぶりを大切にしてくださいね」と言うと消えていった。ある日隣の慾深かがが(母)がとっていき、一度に米をどっさり入れたので、どんぶりが割れて、二度と金が出なくなってしまった。
類似事例 |
|
リュウトウカンノン,ゴシンスイ 1976年 愛知県 奥田字日沢の地、1アール程の林に囲まれた静かな田んぼのほとりに粗末な社と小屋があってのぼりが多くたっている。その小屋に竜頭観音の額と由来をしるしたものがある。神代国造りの時、美津波能女之命が竜に乗って天より下り少彦名命の病気を治した。その場所に水が湧き、後に病で苦しむ人皇20代允恭天にもその御神水は効果があり病気が全快された。今も万病に効くが特に婦人病によいとされ水を瓶につめて持ち帰る信者が多い。
類似事例 |
|