キツネ 1997年 岐阜県 古山のあたりでは、夜になるとよく白きつねが出た。魚屋がある晩きつねに魚を分け与えた。家に帰ると財布には木の葉が溢れていたという。
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サイキボウムジナ 2001年 新潟県 魚屋がお寺の小僧に魚を売ったら、お金が木の葉だった。潟上のサイキ坊狢の仕業。
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キツネ 1971年 福島県 朝暗いうちに、交番の方に田植えに行ったら、ここらの得意の魚屋が魚の籠を下ろして這っていくのをみた。狐に馬鹿にされたのではないかというわけだ。しばらく行って、また戻ってきたけれど、そのときには魚はすっかりとられてしまっていた。あとで聞いたら、しょっちゅう狐に騙されて魚をとられてしまうので、こんども俺を馬鹿にするつもりだとおもい、狐の後を追い、戻ってきたら、魚をとられてしまっていたという。その後そこに大きな石があったので、そこに稲荷さまをたてた。それ以来はちっとも魚をとられなかった。
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キツネ 1938年 新潟県 お婆さんが魚を弁当のおかずに魚をもって醤油を売りに行った。魚ねらいの狐が化かし、婆さんは松の木相手に醤油を売り、木の葉のお金を受け取って少々離れた松の木を家だと思って足を洗っていたら、近所の百姓に背中を叩かれて目がさめた。
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キツネ 1999年 宮崎県 中鶴の若者が魚の商売の帰り、若くてきれいな娘と会った。お仙狐がばけていた。化かし道具の飯杓子と、金の玉を交換し、日置で仕入れた魚を全部取られた。
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タヌキ 1974年 和歌山県 魚屋が魚を買って山をかきわけて帰って来たら、体は傷だらけで、手には何もなかった。これも狸にだまされたのだという。
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キツネ 1990年 福島県 駄菓子を行商に行った人が、峠の上で商品全て売ったが、気がつくとお金はみんな木の葉だった。
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テング 1932年 愛知県 夜、男が峠で一服していると、鼻の高い、髪も髭も真っ白な老人が、羽の団扇をあおりながら段々と近づいて来た。天狗だと思い内心恐怖を覚えた男ではあったが、態度には出さず、冷静に対応した。すると、その度胸を買われて目のない魚をもらった。
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ハナ,バケモノ 1935年 熊本県 暗くなりかける頃、魚売りが夫婦坂で若い女に会った。女が煙草の火を欲しがるので、煙管を差し出すと、女の鼻がにゅーっと伸びた。驚いて魚笊を捨てて家に逃げ帰ると、嬶に化け物に会ったことを話した。すると嬶の鼻もにゅーっと高くなった。魚売りは驚いて気絶してしまい、気がつくと夫婦坂で倒れていて、夜が明けかかっていた。
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ゲンクロウイナリ,キツネ 1988年 奈良県 柳町の綿帽子屋に男が来て綿帽子を買い、「代金は月末、洞泉寺の源九郎稲荷に」と言って立ち去った。受取に行くと、社人は知らないという。問答していると、お狐さんが綿帽子を被って、眷族をズラリと連れて現れた。
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キツネ 2001年 青森県 ある夜、医者の家へ一人の使いの者が来て、赤ん坊がなかなか生まれなくて困っている者がいるから診てやって欲しいと頼まれた。赤ん坊が生まれると、お礼に包銭を渡されたが、翌朝見てみると、それは木の葉であった。
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リョウシノボウレイ 1982年 宮城県 漁師が難破して覚悟を決め、供養の金を胴巻に巻いたまま浜に打ち上げられた。見つけた人は金だけとって死体を海に打ち捨てた。金を取った人は金持ちになり、子どももできて幸せだったが、子どもがいなくなってしまった。回国様に聞くと恐山にいるという。行って寺の和尚に相談すると、「その子を呼んでやるがわしの衣の陰から出るな、決してすがるな」という。やがて子どもが来て和尚に「自分は漁師の亡霊の生まれ変わりだ」と言った。金を取った人が泣き崩れ、気がつくとそこは寺ではなく衣杉の下にうずくまっていた。その人は家には帰らなかった。
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ユウレイ,オンナ 1982年 新潟県 夜ふけの渡し場で、川向うから女の声で、オウイ、オウイと呼ぶ声がした。船頭がいってみると、人影は見えない。乗るように促すと舟が重くなり、誰かが乗ったようだった。川を渡ってから降りるようにいうと、舟が軽くなったような気がした。船頭が、こんな夜ふけに舟を出させておいて、あいさつもなくというと、首に縄をぶら下げ、目の玉のとび出た、まっさおな顔した女が長い髪を前にたらした姿で現れ、菩提寺へ行くといって草むらへ消えた。
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キツネ 1977年 和歌山県 昔、ある人が田辺まで行って魚を買って帰ってきたが、途中の峠で狐に憑かれて帰ってくることができずに尾根まで登ってしまった。村ではその人が帰ってこないので皆で探していたところ、峠から迷い歩いたところに点々と魚が落ちていたので見つけることができたという。
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キツネ 1989年 長野県 ある人が祭で売りに出そうといなり寿司や天ぷらを担いでいった。カザワリのお稲荷さんに行くつもりだったが、途中の岩の上にある荒神様で化かされた。売り尽くすと近所の人が「ここでは祭をしていない」と告げた。気づくと、木の葉っぱばかりがあったという。
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キツネ 1931年 奈良県 昔、柳3丁目の綿帽子屋にある男が綿帽子を買いにきた。言われたとおり、月末に源九郎稲荷社へ代金を取りに行ったが、社の人たちはそんなものは買っていないという。綿帽子屋と社の人が押し問答をしていると、お狐さんが眷属を連れてズラリとあらわれた。見ると、みんな綿帽子をかぶっていたという。
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キツネ 1974年 栃木県 ある男が暮の市から魚を買って買える途中に、商人に化けた狐に魚をとられた。気がつくとはっぱを握っていた。
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イソテング 2002年 愛知県 おじいさんが若かった頃、鳶ヶ崎に漁に行ったとき、今にも雨が降り出しそうな暗い夜だったが、面白いほど魚がとれ腰のびくはずっしりと重くなっていた。突然あたりが明るくなったので驚いて空を見上げると海田の海の方から大きな火の玉が2、3こちらに飛んできた。磯天狗と思いわらじを頭に載せ一心に念仏を唱えた。そのうち火の玉は南の方へ飛んでいったが、びくの魚はなくなっていた。
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キツネ 1973年 岩手県 ある人が魚を買いに行っての帰り、狐に化かされて買っていないと思わされ、また魚屋に戻ってしまった。
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キツネ 1983年 東京都 魚売りが残った魚をかついで山を歩いていると、狐に化かされて道がわからなくなり、一晩中山を歩いていた。最後には魚を全部とられてしまった。
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