ハチノタロウ 1930年 岩手県 「七つ森」と呼ばれる山脈の主峰は、鹿角の山男と言われる巨人、八の太郎が雫石盆地をせき止めて雫石川の水をここに溜め、湖を作ろうとして背負いかけたという伝説がある。これを止めようとした岩手山(おやま)の権現と戦になり、7日7夜の大合戦の後、八の太郎は負け、秋田へ逃げ去ったといわれている。この八の太郎が煙草の吸殻を落とした場所に水や「七つ田」ができたとも言われている。
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ヤマノカミ,ウジガミ 1940年 和歌山県 ある人が山の木を大小関係なく切り倒していると、夜中に大風のような音をたてて小屋に山の神が近づいてきた。白髪頭を振り乱して戸を開け、その人を殺そうとしたとき、氏神が来てとりなしをしてくれたので何とか助かった。それが11月7日、山の神の木数えの日だったという。
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ダイジャ,カマ 1981年 長野県 作男が丸山の森でもや刈りをしていると、睡魔に襲われ、眠ってしまった。目を覚ますと大蛇が男を呑もうとしていた。そのとき手にしていた鎌がひとりでに大蛇に切りかかり、大蛇は消えうせた。その鎌を祀ったのが山の神様という祠。
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ヤマノカミサマ,テング 1985年 福島県 毎年、元旦・2月17日・10月17日は山の神が里にお出ましになる日だという。山の神は男性で天狗であるという。この日には山で仕事をしている人々が親分の家に集まって餅を搗いてお酒を飲んだ。この日は山に入って災難にあったら山の神様のおとがめがあったという。
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ヒトコトヌシ 1976年 奈良県 役小角が山神たちを使って、金峰山と葛城山の間に石橋を架けようとした。しかし作業ははかどらなかったので、役小角が理由を聞いたところ、一言主が自分の醜い容貌を気にして夜にしか働かないためであるという。役小角は怒って一言主を呪縛して深谷に繋いだという。
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ヤマオトコ 1960年 三重県 昔、大西喜作という男が田で山男と会い、勝負を持ちかけられた。山の神様の鶏が鳴いたので山男は逃げ出した。その場所に地蔵様を祀った。
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トヨサブロウ,ドヨウサブロウ,カンサブロウ 1981年 山梨県 七夕に農家では、家ごとに麦稈で馬を作り瓜や十六豆の架に掛ける風がある。この馬に乗って天から豊三郎(土用三郎)と寒三郎が降りて来て、架の下で農作物の豊凶について話し合うので、昔の人はこの日に畠に入ることを厳しく禁じていた。また雨が3粒でも降れば豊作だと伝えている。
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タテガミノハエタオオキナヘビ 1976年 沖縄県 ある男が、七割の田の中で、1匹のたてがみの生えた大きな蛇が龍となって昇天するのを見た。龍は男に、見たことを人に話さぬように頼み、龍胆(龍糞)の宝物を与えた。以来、七割の田は、いかなる干魃の時にも豊作で、男は大福長者となったが、約束を忘れて人に話すようになると、不作がちになったという。
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ヤマノカミ,ヤマガミ 1973年 愛媛県 山の神は怒りやすく祟りが強い。また山姥は山の神で、豊作をもたらす神であると伝える所もある。
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ヤマノカミ 1986年 埼玉県 秩父郡東秩父村との境の峠に山の神が祀られていた。ある時峠の方にあった天狗松という巨木を伐り倒そうとしたが、伐っても松は倒れなかった。そこで休んでいると、突然上から巨木が倒れてきて大怪我をした。皆は山の神の祟りだとして、地元に勧請して山の神講を行うようになった。
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オオヒラノイッポンアシ,ヤマオトコ,シラヒゲドウジ 1991年 静岡県 角右衛門と助右衛門が山奥で「逃げよ逃げよ」と声を聞いた。見ると白髯の大男が樅の木の枝で煙草を吸っている。山男の白髯童子だ、今の声は産土神だ、と思って逃げた。3日後、角右衛門は味噌作りの最中声をかけられ、表を見ると脛から上が見えないほどの大男が見えた。気になって助右衛門を訪ねたら寝込んでいた。助右衛門はまもなく死んだ。この山男は大平の一本足ともよばれている。
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カネンヌシ 1939年 熊本県 肥後の天草島では大晦日の真夜中、金ン主という妖怪が出る。金ン主と力比べをして勝つと、大金持ちになるという。金ン主は武士の姿で現れるともいう。
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キョジン 1929年 青森県 岩木山の巨人は手長足長の巨大な姿をしていると思われており、マダの皮を剥いで生活している。時には、人々の手助けをして、大木を引き上げたり、寺社の建設に力を貸してくれるという。
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フタゴヤマデンセツ,キョジン,ツチクレ 1928年 山岳伝説には、双子山伝説という類のものがある。それは、巨人が両畚を担いできて、そこから落ちた二つの土の塊が山となったというものである。
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オニ,ホウキ 1941年 朝鮮 村人で四方山話をしている中で、鬼は強くて負け嫌いという話になった。すると鬼が現れて相撲をとろうと言った。相手になった村人は力持ちで、鬼を倒すことができた。何度も負けた鬼は姿を消した。翌日その場所を見ると箒が転がっていて、鬼は箒が化けたに違いないということになった。それ以来、頭の近くに箒を置いて寝ると、恐ろしい鬼の夢を見ると言われている。
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(ゾクシン) 1975年 愛知県 山の神に関する俗信。カシの木の古いカブタには、山の神がいるといわれている。山の神は春には田に降りてきて田の神になり、冬には山に登るといわれている。山の神は女神であり、怒りやすくてけちだといわれている、など。
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ノウシン,タノカミ 1948年 春、2月8日ごろに来臨した田の神は一度帰り、秋の刈り上げの時期にまたやってくる。刈り上げのあとは山の神になるといわれている。1年に3度くるという説もある。
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テングノキタオシ,タイボクニオノヲアテルオト,キノタオレルオト 1982年 新潟県 木挽の三吉という人が、夜なかに台島から藤沢へ帰るとき、山中で大木に斧をあてる音が、カーン、カーン、カーンとだんだん大きくなって聞こえてきた。やがて、メリメリ、ドーンと木の倒れる音がした。不気味だったので、そのほうへ行ってみたが、木などは倒れていなかった。昔から天狗の木倒しといっていた。
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テングサマ 1995年 島根県 横道のある猟師は、山で山伏が振る鈴と金の常箸を拾って以来、天狗さまを尊び、毎日山に行った。山ン婆が飯を炊くので山へ行ってはならない2月9日も、猟師は天狗山に行った。大きな猿のような爺を打つと下へ落ちていったが、それは天狗さまだった。その後、大雪の晩に、猟師は行方がわからなくなり、天狗山の奥深くで、大怪我をして見つかった。
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オニ,カミ 1913年 秋田県 昔、神山の奥に住む鬼が毎年現れて田畑を荒らした。村人は困り、もし一夜のうちに100段の石段を作れなければ、以後、姿を現さないと鬼に約束させた。ある夜、鬼が石段をつくり、あと1つで100段というところで一番鶏が鳴いたので、鬼は姿を隠してしまった。それから豊年満作が続いたので、山の頂に祠を建て、鬼を神として祀った。不浄の女が3段以上この石段を上ると石になるといわれている。祭礼の日には、村人が餅を供えにいく。
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