タチ 1977年 高知県 天の神の祭のときに太刀の舞をして臼に太刀を当てると、火が出て火事になったことがある。またこの太刀を盗んで行ったところ、その家のいろりのズサイのコザルに火が移って燃えたので、恐れて返したという。
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ムケンノカネ 1961年 山梨県 昔、富士川の洪水が田原港の深町辺に押し入ったとき、むけんの鐘が鳴り響いた。これは、急場に処して禱れば、激流の川瀬さえかえるというのものだ。しかし、この鐘で人を救えば身が亡ぶという。伊藤家の主じはその金を打ち続けて濁流の川瀬を廻らして危機を救った。果して宗家は亡びて今は寂しく屋敷のみが残されている。
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シロキジュバンヲキタルオトコ 1975年 庭の蘭の葉の間から火が上ったのをある武士が見た。その人は家中の者に暫く私に刀剣を渡すなと言いつけまた庭を見た。すると白襦袢の男がやりを持って入ってきた。刀を求めたが家中の者は渡さなかった。今一度見ると男も火も消えていた。隣家の者が乱心した。
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カワカミサマ 1956年 東京都 昔流人が屋敷に火をつけようとした時、カワカミサマが風を送って火を消してくれた。
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テングンサン 1978年 岐阜県 炭焼きをしていた男がてんぐんさんに九州の山に連れて行かれて剣術の稽古をした。ある日念仏を唱えたら「そんな弱虫は帰れ」と言われて、送られた。そのとき手にさせられた漆塗りの4尺棒がその家にあったが、火事で焼けてしまった。
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カワカミサマ 1956年 東京都 火事があった時、カワカミサマが起こしてくれて、火難をまぬがれた。
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ヒケシジゾウ 1936年 島根県 火事になったとき、見知らぬ坊さんが鎮火の手伝いをした。村人は喜んで何方様かと尋ねると、火消し地蔵であると答えた。
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ジゾウ,ヒノタマ 2001年 奈良県 ある日、藤助という人が犬を連れて山に猟に入っていた。暗くなって、火の玉のような光が2つ見えた。目の玉みたいな光っているとこを打ったが、鉄砲から火が出て、小屋のところまで来て倒れた。そこへ藤助地蔵が建てたられた。昭和44年、藤助の家を子孫が建て直したとき、藁屋根の土の中から真っ黒けになった火縄銃が見つかった。
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ヨウトウ,ハイラズノマ 1985年 愛媛県 入らずの間に火を切る妖刀がある家がある。
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レイケン,カミナリ 1975年 謙信秘蔵の太刀が3振りあった。その内の竹股兼光という刀の元の持ち主が、山中を通っていると、雷が落ちてきそうな様子だったので、刀を頭上にかざし目を塞いでいたところ、しばらくすると空が晴れた。太刀や頭・衣服は血に染まっており、雷は落ちたものの、太刀の威徳で無事だったものと思われる。
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ネコマタ,オンネン 1943年 山形県 東の山にねこまたが出て困っていたので、隼助という男が先祖伝来の名刀正宗を携えて退治に行き、これを仕留めた。その後、ねこまたの怨念で家内には災難ばかり起こった。刀を東山に向けて、屋根の棟に立てておくと、それ以来何の祟りもなくなった。
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ヘビ 1981年 長野県 いけんたの沼の主の蛇が深見の池へ行くことになった。嫁様の姿で子供を連れて下条まで来て、下条新田のおじいまに送ってくれと頼んだ。おじいまは池までお供をして、お礼に金の扇子を貰った。家が火事になったので、今はその扇子は残っていない。
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テング 1936年 福井県 いい手の筋をした久左衛門という男のところへ、天狗が手の筋を借りにきた。天狗は、貸しに来たお礼に、豆1粒を置いていった。ある年、大火事が起こって近隣は燃えたが、久左衛門の家だけは燃えなかった。
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ガグレ 1992年 宮崎県 文政年間のこと。鹿児島藩士の上村休助が湯谷が淵でガグレを射止めたところ、高熱を発して修験者に祈祷してもらうことになった。そのときのガグレの手が家宝として伝わる。ガグレには神通力があるので、戦闘中にこの手をみせると死者も生き返って戦うという。
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ブツゾウ,コゾウ 1979年 岩手県 柳玄寺にある仏像はもと松崎村中井家の本尊だった。ある年中井家の隣家より出火した時、何処からともなく1人の小僧が現れこれを消し止めた。無事を感謝し御本尊に合掌すると本尊の手が黒焦げになっていたという。また田植えで人手が無く困っている時にも1人の小僧が現れ手伝ってくれたが、その足跡を追って行くとこの仏像の仕業だったという。
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ヤマワロ 1953年 熊本県 第二次世界大戦中、八代郡の山中に米軍機が墜落した。この警戒にあたった住民たちの焚火の中にヤマワロが現れたという。
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トオリアクマ,ジャキ 1977年 ある時帰宅して居間から庭を見ていたら、蘭から炎が3尺程上がった。気分が悪いので刀から離れ寝ていると髪を振り乱した白襦袢の男が槍を持って壁を乗り越え入ってきた。睨んでいると半刻程過ぎて炎も男も消えた。すると隣家の主が狂乱した。
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カタナ 1996年 石川県 吉田家の近くの杉林は、昔は吉田家のオセト(後庭)で、刀が埋められていると言い、隣ムラから見ると夜何かがピカッと光るという。なぜ埋められているかはわからない。
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マジナイ 1978年 ある武士の蔵書家が、蔵書箱ごとに春画を1冊づつ入れていた。理由を尋ねたら火災よけのまじないだということだった。
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キジムン 1968年 沖縄県 昔キジムンと仲良くなった若者がいた。若者の家のウスクの木にキジムンが住んでいた。キジムンに火を貸したり、一緒に漁に出かけるなどしていたが、いやになり、キジムンの住むウスクの木を焼いてしまった。その時に一緒にキジムンの盲目の子も焼いてしまった。キジムンは去って行った。数年後に若者が旅行中にあるウスクの木の下でウスクの木とキジムンの子供を焼いたことを話すと、キジムンがウスクの木から飛び出してきて「敵を討ってやる」と去って行った。若者が家に帰ると家は焼け、妻子も焼け死んでいた。
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