ボダイジュノタタリ 1988年 茨城県 平将門の乱で敗れた武将のお姫様が奥州に逃げる途中で死んでしまい、7人の家来もそこで切腹した。親鸞上人が哀れがり、そこにぼだい樹を植えた。それが話者の家のぼだい樹で、枝を折ると災難があると言う。ある人がぼだい樹から蜂の巣をとったら、話者の妹がひきつけをおこした。行者にお祓いしてもらったら治った。
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キツネ 1971年 岐阜県 ある娘が腰元奉公をしていて殿様のお手つきとなり、刀を拝領して杉平集落に下がってきて、刀を洞に隠した。その後、キツネに憑かれた人が「刀がある」といって探したところ、この刀が出てきた。
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ユウレイ 1990年 長野県 仏を粗末に扱っていると、幽霊になって出てくるという。手足のない姿で、柳の木の下に出るという。
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(ゾクシン) 1978年 石川県 よそから来た人を粗末に扱うと、出世できないといわれている。
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エンコウ 1938年 島根県 えんこうの体は刀でも切れない。けれども、麻がらを削って突き刺せば通るという。
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カタナ,アラヒトガミ 1977年 山形県 刀が祟るので埋めて祠を作り、現人神として祀った。
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コアラシイナリ 1989年 長野県 小嵐稲荷にお参りに来た若者たちがお神酒を一杯飲んで酔っぱらい、供えてあった刀で木を伐っては山を下りた。迷うような道ではなかったのに道に迷ったので、神様の物を持ち出したせいだと刀を置くとぱっと降りてきた。後から山を登った神主は道の途中に落ちている刀を不審に思いながら、元のところに置きに行ったという。
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タヌキ 1930年 兵庫県 ある郷士が夜に菱池峠にかかると、ひとりの美人がニヤニヤ笑っていた。狸に違いないと思い、刀で斬りまくった。家に帰り刀を見るとボロボロになっていた。不思議に思い峠に行くと、大石に刀傷があった。
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シンケン,キズイ 1974年 奥州塩釜明神のお供えを粗末に扱ったところ、たちまち盲目になった。
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(ゾクシン),ネコ 1933年 愛媛県 人が死ぬと北枕に寝かせて、死体の上に刀を置く。もし刀を置かずして猫が跨げば、死人は忽ち這い出す。
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テング 1938年 福井県 武士が夜通ると、天狗に呼び止められた。毎晩邪魔をするといって天狗が刀を振り回したので、武士も勝負をした。武士が勝ち、天狗の刀を取ったという。その刀は今でも家の家宝になっている。
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ヘビ,カタナ 1965年 岩手県 坂上田村麻呂が刀を置いていった家がある。その刀を盗人が持ち出し、泉で水を飲もうとして傍らに置いたところ、蛇に見えたのでそこに置いていった。家の人が通りかかると、家宝の刀だったので持ち帰った。その泉を「のまねいみず」という。その刀の錆びを白紙でふき取り、その紙を水にとかして飲むと水あたりや咳に効き目があるという。
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シロサル 1973年 羽州に山役所という処があり、ここを預かる大山十郎という人は、文政元年6月に先祖伝来の刀に風を当てていた。そこに3尺ほどの白い猿が1匹やってきて、その刀を奪って逃げた。十郎と供の者は後を追ったが、山中に入って見失った。翌日大勢で山に分け入ると、白猿は刀を腰に帯び、刀を抜いて人々と闘ったが、白猿の身には少しの傷も付かないかった。鉄砲すらその体を通らなかったという。
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カタナカケノマツ 1979年 岐阜県 話者の曽祖父が刀掛け松の下に刀が2本あったので拾って帰ったら、夜になると切り合いの音を出したので恐ろしくなり、元のところに返したという。
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ネコ,カタナ 1940年 秋田県 死んだ人に刀を飾っておかないと、猫が憑いて生き返る。
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カタナカケノマツ 1979年 岐阜県 昔、浄流寺の裏山で戦いがあった。ある人がその山の刀掛け松で刀を2本を拾って帰ったら、夜になると切り合いをはじめたので恐ろしくなり、元のところに返した。
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カメノゴトキモノ 1978年 敬公が御在世の時、ある人が病気で死にそうになったが、腹中で何かが動くので刀で刺した。やがてその人は死んだが、火葬にすると刀傷のある亀のようなものが火中から這い出てきたので打ち殺した。
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カタナ,ハンニャノフダ 1972年 岐阜県 横蔵寺の大般若のお札は霊験あらたかなので戸口に祀る。昔、ボロボロの鍔を付けた刀を持った侍がいた。この侍が寝ているところを蛇が向かってきた。もう1人の侍がそれを見ていたところ、刀がシューッと音を立てて抜け、蛇を近寄らせなかった。目撃した侍は寝ていた侍を起こし、刀を取り替えてもらった。刀屋に見せたところ、刀はボロボロの古いものだったが、般若のお札が貼ってあった。そのおかげで蛇に飲まれずにすんだのだという。
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ヘビノアナ 1941年 福井県 蛇の住む穴に刀を落とした武士が、穴に入っていくと宮殿があった。大将に取り押さえられた武士が観世音を頼むと、大将たちがひれ伏して刀を返した。何とか外に出ることのできた武士は、神社に刀を納めて剣の神とした。
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ヘビ,ヤトノカミ 1988年 茨城県 継体天皇の代に、箭括麻多智(ヤハズノマタチ)という人が、蛇である夜刀の神を追い払って田を作った。その夜刀の神を祀ったのが夜刀神社で、ご神体は角のある蛇神(蝮)。蛇が祟った家は必ず滅び、蛇を頭だけに切っても、その頭は死なずに仇を取ると言うので、祀っている。
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バケジゾウ 1932年 三重県 長い刀をさして夜歩きをする息子を心配して、母親が地蔵に祈願をしていた。地蔵が「刀が一寸長い」と言うので、母親は息子に意見して刀を縮めさせた。息子が夜遊びをしていたら、怪異があったので斬りつけたら、地蔵が袈裟がけに切られていた。
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