テングミサキ 1983年 岡山県 近在に聞こえた旧家の主人が、ある日、近くの天狗松で羽を休めている大鷲を撃ったところ、手ごたえはあったのに、大鷲は飛び去ってしまった。この主人はその夜から高熱を出した為、拝んでもらったところ、その大鷲は天狗ミサキであったことが分かった。結局、この主人は発狂して死亡してしまい、家は途絶えた。
類似事例 |
|
キツネ 1982年 宮城県 田植えの済んだ田圃に悪戯をした狐が捕まり、殺すか殺すまいか議論になったが、助けることにした。田植えのしなおしを準備していた夜、狐が大勢来て夜の内に田植えが終わっていた。その後も狐がその田を世話してくれて、その年は豊作になった。それからその家では明神様として狐を祀り、田植えの日にはご馳走をあげている。
類似事例 |
|
ヘビ,ジャ 1959年 秋田県 山芋掘りに行った人が山で蛇を3匹殺した。夕方、家が揺さぶられたので、お婆さんが着物の袖からお日様を透かして覗くと、蛇の形が見え、それが家を取り巻いていた。殺した人が死んだので隣家に知らせに行くと、そこにも李の木から大きな蛇が下がっていた。託宣すると「1000匹子を産めばジャになって天に昇れるのに、3匹も殺されてしまったので憎い。親類全部殺してやる」と言うので、毎年7月24日に龍神を祭ると謝った。
類似事例 |
|
キジ,ダイジャ,〔ギョク〕 1941年 朝鮮 老夫婦が住んでおり、取ってきた雉を食べた。すると男の子が生まれたので「雉」と名付けた。ある日書堂の先生が不吉な夢を見たと言って、雉に短刀を持たせた。そして雉が山道を行くと、大蛇が雉を食べようとした。その大蛇は昔、老夫婦が食べた雉を食べ損なったという。雉は大蛇を短刀で退治し、何でも叶う玉を得た。そして老夫婦の家は栄えた。
類似事例 |
|
ヤマンバ 1989年 香川県 木こりが6人で山小屋に泊まっていると、山姥が入ってきて、次々と血を吸っていった。1人だけ起きていた男が斧を打ちこむと、山姥は血を流しながら逃げていった。翌日、血のあとをたどってみると、年を経たヒキガエルが死んでいた。
類似事例 |
|
シチニンミサキ,オンリョウ 1985年 愛媛県 鷹狩りの鷹を食べた一家七人が山之内の里人に訴えられ斬首された。その後、山之内の者が斬首の場所を通りかかると必ず何か災害を受けた。一家の怨霊の祟りとされ、七社権現として祀った。これも七人ミサキの一種である。
類似事例 |
|
ヒーヒーザル 1983年 三重県 毎年朝起きて屋根に御幣をさされた家は、娘を一人長持ちにいれてヒトメゴクウ(人身御供)にするならわしであった。ヒーヒーザルがこのヒトメゴクウを食うことになっていた。ある年ヒトメゴクウにあたった家の両親と娘に話を聴いた岩見重太郎が身代わりとなり、ヒーヒーザルを斬った。ヒーヒーザルを供養する祭りが行われるようになった。
類似事例 |
|
シマヘビ 1979年 徳島県 ある女性が田植えをしていたところ、シマヘビが出てきたので近くにいた男性に殺してもらった。女性は長く患い、太夫さんのところに行くと、殺した蛇が太夫さんにうつって、「丑年の人に頼んで殺してもらった」と言った。ことわりをすると、治った。田には一の宮という蛇を祀った神様があり、シマヘビはそのお使いだったという。
類似事例 |
|
キツネ 1981年 神奈川県 魚屋が新鮮な魚を持っていると狐がついてきて、家に住みついた。その後、魚屋の家は栄えるばかりで、狐は亀五郎いなりといって祀られるようになり、何か事がある時には夢知らせをしたという。
類似事例 |
|
カゼモチ 1965年 宮崎県 ヒジリ神という祈祷師たちは、カゼモチも落す。カゼモチは猫の子くらいの動物。それがいると家が繁栄する。
類似事例 |
|
オオカミ 1992年 宮崎県 猟師が狼を飼いならして獲物を取らせる。その獲物が1000匹または999匹に達すると、狼は飼い主の猟師に襲い掛かってくるという。その狼を殺して祀ったのが、オカメコウザキである。
類似事例 |
|
ミシゲー・マジムン,ナビゲー・マジムン 1931年 沖縄県 農夫が夜道で牛を見つけた。引き連れて牛屋に入れて、餌のサトウキビの葉をやると、なかなかに食べた。翌朝、牛屋を見てみると、堆く積み上げられた葉があって、その上にミシゲーが乗っていた。
類似事例 |
|
オサキギツネ 1983年 東京都 オサキギツネはネズミに違いない。豆腐屋にいるオサキギツネは近所の蚕を集めてくる。見に行ってみると、多きなネズミが歩いていた。オサキギツネはその家の守り神で身上をふやしてくれるが、滅びはじめるとどこかへ行ってしまう。
類似事例 |
|
トミヤ、ヘビ 1956年 宮城県 昔、富谷の長者の娘へ夜な夜な通う美しい若殿があって娘はみもちになる。ある日娘が蛇に呑まれかけている蛙を助けてやると、その蛙が恩返しのため易者に化けて娘を訪ね、「毎夜通ってくる男は蛇だから、今夜来たら着物の裾に針を刺しておけ」と教える。娘は易者に教えられたとおり針を刺し、翌朝糸を手繰ると、近くの山の大杉のゴラ穴に入った。そのとき杉の木にとまっていた1羽の鴻の鳥が穴から蛇を引き出して十切れに噛みちぎって殺した。村の人は祟られないように一切れずつ十の宮を作って祀り、これを十宮と称したのがのちに富谷となった。娘は身重を恥じて川へ身投げして死ぬ。今も娘の名をとってそこをおまさ渕という。
類似事例 |
|
ダイジャ,ツバサミヤライ 1983年 富山県 鎌倉のある男の家は昔、繭を担ぐ人たちの列がシチベエ坂まで続くほどの大きな家だったが、蚕棚に大蛇がついているのを見つけ、主人がカマで殺して焼いてしまった。その大蛇はツバサミヤライという長さ2丈、胴回り2尺のもの。それ以来だんだん傾いてきた。今は家に大蛇の額が飾ってある。
類似事例 |
|
ヨモジガエリ,ヨミジガエリ,イキカエリ 1982年 新潟県 村のゴンゾウという家で、7つの男の子が死んで葬式の準備をしていたところ、ヨモジガエリして水をねだった。その子にどこまで行って来たかと聞いたら、川のところまで行き、そこを渡ってきたという。その川は三途の川で、渡ればヨモジガエリをしてもまた死ぬものだという。その子は3月ほど生きていたがまた死んでしまった。
類似事例 |
|
ダイジャ 1979年 茨城県 開墾しようとした土地には昔から住む大蛇がいたので、始める前に大蛇退散の祈祷をした。工事終了後の田植えの頃、大蛇が現れ、その姿を見た村人は死んでいった。人々は神社を建て竜神社と名付けて大蛇を祀った。
類似事例 |
|
キツネ 1988年 奈良県 惣五郎と言う人が三反御作(3反歩ある大きな田)を植えた帰り、溺死した子狐を見つけ葬った。その夜戸を叩く者がおり、「お田引いた惣五郎さん、三反御作みな引いた」と5,6人の声がした。翌朝見ると植えた苗はみな引き抜かれ、狐の屍骸が掘り起されていた。親狐が思い違いをしていると思い、狐のいそうなところを釈明して歩いたら、その夜に伊勢音頭の音がして「お田引いてすまなんだ、三反御作また植えた」と声がした。翌朝、家の前には大きな鏡餅が置いてあり、田はもとどおり植えてあった。
類似事例 |
|
オシドリ 1976年 栃木県 殺生を好んで鷹を使うものがいた。ある時鷹狩りの帰りに鴛の雄を捕まえ餌袋に入れて帰った。その夜、夢にうつくしい女房が現れ、夫を殺したと嘆いた。そのようなことはしていないと否定したが、女房は和歌を詠んでふっと立ち上がった。それを見ると鴛の雌であった。驚いて哀れに思っていると朝になり、昨日の雄と嘴を食い合って死んでいる雌がいた。これを見て発心し出家した。
類似事例 |
|
コウヅル,ツル 1937年 和歌山県 元諏訪明神の社にコウヅル(鶴)が樹上に巣をかけて卵をかえしたが、その卵を食べた人の家運は傾いた。
類似事例 |
|