オオゴエ 1955年 秋田県 爺が山で木を伐っていると「だんだー木を伐るのは」という声が聞え、爺が「ニシイサラサラトンピンパラリのプー」と屁をやるとお礼に軽いつづらをもらい、金や宝物が入っていた。隣のスクスクバンバが真似をして重いつづらをもらったが、あけるとビッキ、イモリ、蛇などばかりが出てきた。
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セミ 1971年 鳥取県 セミの鳴く声のなかに「バーン、バーン、婆あの尻いひっ付くぞ」と言う声があるので、「ひっ付かばひっ付け」とかえしたところ、お婆さんのお尻にお金がついていた。隣の欲張りな爺婆がまねしてみたが、赤土や松やになどがついていた。
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コエ,ムカゴ 1953年 広島県 爺が山に行くと「取付こうか引っつこうか」という声がするので、「とっつかばとっつけ、引っつかば引っつけ」と返事をすると、体中にむかごがついてきたので、近所の人を呼んでむかご飯を炊いて食べた。
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コエ 1953年 鳥取県 「とりつけえ、ひつけえ」という声がして、答えると幸運がおとずれた。
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コエ,ジイ 1953年 大分県 良い爺が山に行くと「取付こうか引っつこうか」という声がするので、「とっつかばとっつけ、引っつかば引っつけ」と返事をすると、金がとんできて体中について長者になった。隣の爺が真似して松脂がつき、婆がかざした手燭の火が燃え移って大火傷をしたという話も多く、良い爺には饅頭・羊羹・大判小判がつき、悪い爺には蛇・蛭・蜂・むかでなどがついて食い殺してしまったという話もある。
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アネサマ,ヒョウタン,キン 1953年 ある爺が鹿小屋を作ってシシボイをした。ある夜、ひどく騒ぐ音がする。爺が合いをとると、返事をする。さらに一層騒ぐので見ると向かいの山の峰に美しい姉様が立って、両脇に美しい瓢箪を抱いていた。姉様は向こうから「おひょうらんこ…」というので、爺が早く来ておぶされというと、姉様と瓢箪が背中におぶさったと思うとすぐ消えて、背に金の塊がのっていた。爺は長者になった。
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コエ 1953年 大阪府 「ヒッツクヒッツク」という声にこたえると幸運が訪れた。
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キツネ 1988年 愛知県 ある古老が、夕方、大足から原田に帰る途中に大門田の林を通ると、大きなお婆さんの格好をしたキツネが子どもを背負って山の方から「お父さんが迎えに来るでなぁ」と言いながら来た。古老がこんばんはと挨拶をすると、キツネは軽くうなずいたという。
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キツネ 1975年 福島県 ある家の婆様が狐に憑かれていなくなった。爺様が山に向けて鉄砲を撃ったら叫び声が聞こえたのでそちらを探すと、竹やぶに婆様が倒れていた。裸足で、服はボロボロになっていた。
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オニ 1952年 三重県 鬼が崖から落ちてきた。みんな怖がっていたが、娘が介抱してやった。鬼は感謝して娘に小槌をあげた。娘がその小槌でカボチャを叩くと、中からずっとほしかったおじいさんとおばあさんが出てきた。
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トリノミジイ 1955年 新潟県 爺さんが「綾ちぅちぅ錦さらさら、ごよの松、たからぴんぴらぴいん」となく鳥を飲み込むと、爺さんの腹の中で「綾ちぅちぅ錦さらさら、ごよの松、たからぴんぴらぴいん」と鳴いた。
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トランボ 1966年 山形県 爺さんは町に買い物に行く途中、全てのお金と引き換えにとらんぼ(ばった)の命を助けた。とらんぼは美しい娘の姿となって爺さんを家に招き、豪勢に振るまった。爺さんは娘の言に従い、土産の箱は軽いのを選んだが、ぼろぼろの頭巾が入っているだけだった。
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ヒダリメッコ 1956年 宮城県 箆岳山みたいなところに老夫婦が住んでいた。あるとき爺が今日は遅くなると行って町に出かけた。晩方になって意外と早く爺が帰ってきたので、爺の顔を見ると左目っこの爺が右目っこになっていた。「狸が化けたか」と気をつけて、爺の好物の南ばん大根を作ったが、爺はその焼き大根を食べようとしないので怪しむと、狸は思い切って食べてむせた。婆はおかしさをこらえ、大きな叺を持ってきて、早くこの中に入れと狸に言う。さらに「おじんつぁんは隙間があると寝付かれないから、いつもぐるぐる縄を巻かせるが」とうそをつき、狸をぐるぐる巻きにする。狸を言いくるめて寝たふりをさせ、そのうち八つ下りになって本当の左目っこの爺が帰ってきたので、婆は今日のことを語った。爺はびっくりしたが、やがて「ばんさまのおかげで狸汁食うにええ」と喜んだという。
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キツネ 1998年 奈良県 墓の中で何かがむくっと立ち上がった。狐か狸かが騙しているのかと思い、手に持っていた傘で殴った。そうしたら、小便をしているお婆さんだった。後で饅頭を買ってお婆さんに持って行った。
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キツネノヨメイリ,キツネノチョウチン 1989年 長野県 ある老人が町からの帰りに山道を通っていると、きつねの尻尾のある花嫁とそのお供を見つけた。それを見て笑うと、2人はちょうちんを放り出して逃げ出してしまった。老人は珍しいと思って狐のちょうちんを持ち帰った。するとその夜きつねが訪ねてきて「ちょうちんがないと娘の嫁入りに困る」と訴えた。老人は哀れに思ってちょうちんを返してやった。夜になると、素晴らしいちょうちんが並んでいた。明くる日の晩には、きつねがご馳走を持ってきたという。
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ヒョットコ 1979年 鳥取県 お爺さんとお婆さんが、子供が欲しいと願かけすると、大晦日の晩にひょっとこづらのみっともない男の子をもらう。子をかわいがるお爺さんには福がきて、かわいがらないお婆さんには福がこなかった。お婆さんが逆恨みしてその子を追い出すと、家はさびれていった。
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バケモノ 1960年 福島県 山の上から「ぶっつありてい!!」と叫ぶものがあるという話を聞いたものが、それを捕まえに行った。暗い影のようなものが背中にぶつかった。毛がふさふさしていて四本脚の化け物で、箱に詰めて湯を入れ、翌朝開けると金がいっぱい入っていた。
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オニ 1934年 熊本県 昔、貧乏な年寄りがいた。見知らん婆さんがきて1杯しか飯を食わないので嫁にしてくれと言った。その婆さんは1表の握り飯を食べていた。口は耳まで裂け、頭には角の生えた鬼だった。爺さんは天から降りてきた縄をつかんで助かり、鬼が掴んだときには縄が切れ、玉蜀黍の畑の上に落ちた。その血がかかったために、玉蜀黍の根は赤い。
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テング 1972年 千葉県 山の中に炭焼きに行き、仮小屋で婆さんが一服していたら、カヤ屋根の間から小さい手が出てきて「オコワ」と言った。「そんな小さい手じゃおえないから、大きい手を出せ」と言ったら、びっくりするほど大きな手が出てきた。天狗の仕業。
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キツネ 1952年 畑の中を肥を担いだ男が同じところを往復していた。それを見て狐にたぶらかされていると思った爺さんが、狐を見つけて石を投げつけると、狐は逃げ、男も飛び上がって尻餅をつき、やっと正気に戻った。
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