イヌガミ 1922年 香川県 香川県池西村に犬神筋の家があり、近隣の人も追いかける。自分の家の下婢がやられたことがある。その病状は急性で、一種の癇癪であり、病人は正気だが熱は非常に高くて目の色は変になった。数日前に犬神筋の人と口論になり仲違いをしたという。犬神が憑くと握り飯を3つ作って病人の体をなで、その後その握り飯を犬神家の家の壁に投げつけると、その翌日には全快した。最初に犬神を作るには白犬を首だけ出して埋め、その前に茶碗に飯を盛って置き、命令に服従するならその飯を食わせて神に祀ることを誓い、最後に首を一刀で切るという。
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イヌガミ 1959年 広島県 犬神は土中に犬を生きたまま埋め、首だけを出し、食物を与えず、あがき悶えさせた後に首を斬りその首を祀るものである。
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イヌガミ 1951年 大分県 犬神持ちであるM家の隣家で細君が急に発熱した。祈祷師が「犬神が憑いた」というのでM家に抗議したが、逆に悪事を暴かれてしまった。そこで仕方なく、夜、M家裏の竹薮に小豆飯を一升分供えておいた。翌朝小豆飯は見えなくなっており、細君は快癒した。
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ヤマイヌ 1943年 長野県 山犬を拾って育てていたが、猟に出た夜にその山犬食われそうになり射殺して難を逃れた。その後3年、村では悪い病と凶事が続いたので、犬の祟りということになり、祖先が頭蓋を拾ってきて犬山之神として祀る事にした。
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(ケンコ) 1980年 高知県 土佐には犬蠱というものがある。これはある犬を鎖につないで食べ物を与えず、その空腹が極限に高まった時、わずかに口が届かない所に食べ物を置く。すると犬は首を伸ばすが、その首を切って祀ったものが犬蠱である。怨みある人に犬蠱に祈願すると必ず病気になり、薬も効かないという。
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イヌガミ 1955年 高知県 犬を土に埋めて首だけ出し、好物を前に置いておく。そして仇を討つように言い聞かせ、飢えてから殺し、神として祀ると犬神になる。女が嫁に行くと、犬神もついていく。
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イヌガミ,ネコガミ 1991年 愛媛県 犬神や猫神の家がある。犬猫を殺して埋め、それを祀って願いをかなえてもらう。
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イヌガミ 1975年 犬神というのは、その人が先代で犬を生きながら土中に埋め、呪を誦しておいた犬の念が憑いて煩うものである。犬を祭ればすぐに治る。くちなわも「とうしん」といい、おなじようなことをなす。田舎、西国辺りでは今でもある。
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イヌガミ 1951年 大分県 犬神持ちのC家は代々の庄屋で財産持ちでもある。犬神を憑けられた者は小豆飯を重箱に入れてC家の裏の藪に捨てるという。村内の縁組は難しく、敬遠されている。精神病の血統ではないが、2度ほど火事に遭ったことがあり、村人は犬神のたたりだと噂している。
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イヌガミ,イマガミ 1936年 長崎県 イマ神念じというものがある。某神官の話によると、犬を土中に首まで埋め、その前に食料をおき、1週間マブラセテ首を切る。するとその頭は食料に飛びついて食いつく。その霊を祀って念じ神とするという。イマ神念じが一時渡良浦にいたという話である。
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ヤマイヌ 1936年 岐阜県 人間の骨を喉に詰まらせ苦しんでいた山犬が八幡様にすがる。八幡様は今後村人に危害を加えないことと引き換えに助けてやる。それを聞いた村人たちは八幡様に山犬を狛犬として奉納した。
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イヌガミモチ 1922年 島根県 自分の郷里には今なお犬神の迷信があり、犬神持といわれる家が少なくない。犬神というのは猫によく似て口は耳まで裂け、目は虎のように鋭く、体には白と黒の斑がある。犬神持の家でお膳の底を叩いて、団扇をかざして床の上から見ると犬神が見られる。犬神持の家から何かを貰った時、惜しいという気持ちが少しでもかかっていれば犬神がついてきてとり憑く。犬神に取り憑かれたものは正気を失い、どこそこの犬神で何々が気に食わないなどという。犬神持といわれる家は財産家が多い。
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イヌガミ 1914年 徳島県 ある女が犬神に憑かれて病気になった。兄が犬神持ちの家に行くと、庭に箕が伏せてある臼があり、その中に犬が11匹いた。湯をかけて犬を殺すと、病気は徐々に平癒した。
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オニバアサン 1990年 千葉県 人骨山に住む鬼婆が節分の日ごとに人年貢(人身御供)を取りに来たので村人が難儀していた。旅の「六角」の助言で近江の国からドン太郎という犬を借りてきて、その犬の助けで鬼婆を退治した。
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インガミ 1977年 鹿児島県 インガミの祀り始めは、まず、空腹の犬を生き埋めにする。目の前に食物を置くと、犬は舌を出して食物を求めるので、その舌を切って壷に入れて拝む。あるいは食物を求めてのばした首を切り、その血で犬という字を書いて祀っているのだとか言う。
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イヌガミ 1936年 徳島県 病気に苦しむ婦人を祈祷したところ、犬神筋である隣家から来た犬神に憑かれていることがわかった。自家で拵えた食物や珍しい品を他家へ配らなかったために起こったことであった。
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イヌガミ 1956年 大分県 犬神は床下にいる。憑かれた場合、供物をととのえてけしかけた方の家の床下にもっていって埋める。
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オニオドリ,フルダヌキ 1916年 静岡県 昔、毎年祭りの夜に1人の処女を人身御供として白木の櫃に入れて神前に供えた。供えた娘は神の生贄になって帰ってこなかった。ある時、訪れた六部が怪物の仕業だろうと怪しみ、白木の櫃の中に犬を入れて供えた。果たして、古狸の仕業であり、古狸は犬に噛み殺されてしまったという。
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イヌガミ 1936年 徳島県 ある婆さんは外出時には空の飯櫃に蓋をするのが習慣であったが、実は櫃の中には豆粒大の白い小犬が入っていた。ある日これを見た嫁が驚き、櫃に熱湯を注いで小犬を殺してしまったが、同時刻に婆さんも卒倒して死んでしまった。人々が言うには、婆さんは自分の家が犬神筋だから、他家の人に小犬がとり憑いて迷惑をかけてはすまないと思ってそうしていたのに、嫁が知らずに小犬を殺してしまったから、婆さんも一緒に死んでしまったのだという。
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(イヌガミ) 1980年 岡山県 備前児島郡の農民は昔犬神を祀ろうと思ったが、犬を殺した場所のわずか数間離れたところには、五穀は実ることなく、また家を建てるとその家に怪事が絶えないという。
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