ワラビダイシ 1967年 茨城県 ワラビ大師というのは半兵衛の家で祭っているものである。昔、弘法大師がやって来て、おばあさんに1夜の宿をたのんだ。1夜泊った次の朝に、弘法大師は栗の木で自分の像を彫って毎月21日にはお参りするように頼んでいったので、それ以降、半兵衛の家ではこれを氏神として祭った。昔、1度この像を他家へ貸したことがあったが、両家に災いがかかったので、以降は貸さないという。
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ウシノコクマイリ 1972年 滋賀県 丑の刻参りは丑満時に、白装束で頭の上にロウソクを3本立てて、口にカミソリをくわえ、胸に鏡をあてて、下げ髪で氏神さんへ行き、太い木に人形を五寸釘で打ちつける。一晩に1本、48日間打たないといけない。最後の晩になると牛になった氏神さんが出て、諦めさせようとするが、それでも牛の背中を飛び越えて48本目の釘を打ち終わると願が叶い、のろった相手が死ぬという。誰かに見られると願が破れるので、丑の刻参りに会うと殺される。ある人が信楽の長野の宮で丑の刻参りを見て、探されたが見つからずに助かった。
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コウボウダイシ 1976年 京都府 年越しの夜に、ある家に乞食が1人一夜の宿を求めてきた。何もないが寝るだけならと言って、炉端に泊めてやった。翌日、乞食は一本の大きな金の棒になっていた。乞食は弘法大師だという。
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ヒル 1981年 和歌山県 弘法大師が回ってきて餅を乞うたが、そこの人は「餅をやるから口をあけろ」と言って弘法大師の口の中に火を投げ込んだ。以来そこでは正月に餅を搗くと蛭が出てくるといって、餅を搗かない。
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コウボウ,トウジ 1949年 岐阜県 冬至の日は、弘法が様々に姿を変えて村々をめぐり、田畑の成り物をとって貧しい人々に与える。その日、必ず雪が降り、その足跡をかくす。なお、弘法はスリコギ足であったともいう。そのため、アヅキガユをすり鉢に盛って、スリコギが隠れるようにして供える。
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ダイコクサマ,エビスサマ 1993年 岩手県 明治のこと。小菅家で紙漉き船の中から5㎜ほどの黄金色の大黒様と恵比寿様が出てきた。また土蔵を建てることにして木を切っていると、中から直径1㎝ほどの金の玉が出てきた。土蔵の大黒柱にお堂を建てて祀り、11月1日をお祝いの日とすると、家はたいへんに繁昌した。この日に3年続けてお参りした人には、ご開帳してくれる。ある人が「3年続けて行ったのに見られなかった」と文句を言ったので田植え時だが特別に開帳したら、その人は体が痛くなり、病院で見てもらったら肋骨にひびが入っていた。
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ダイシシンコウ,コウボウダイシ,デンギダイシ,シモツキダイシ,デンギダイシノアトカクシ,スリコギダイシ 1983年 岡山県 大師信仰の要素を供えてはいるものの直ちには弘法大師に結びつかないものとしては、デンギ大師や霜月大師などと呼ばれるものに関するものがある。旧11月23日の夜には必ず雪が降り、それはデンギ大師の跡かくしと言われる。デンギとはスリコギのことで、この夜にはそういう足をした大師がやって来て宿をこうのだが、その醜い足跡を隠す為に雪が降るのだと言われている。
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コウボウダイシ 1951年 兵庫県 旧暦11月23日はニジュウソウの日だが「スリコギカクシ」とも言う。この日、弘法大師がやってきて貧乏な老婆に宿を求めた。老婆は稲架に掛けてある大根のホシナを盗んで食べさせたが、老婆は足が踵だけのスリコギだった。それで大師が雪を降らせ足跡を隠した。
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ダイシシンコウ,コウボウダイシ,デンギダイシ,シモツキダイシ,デンギダイシノアトカクシ,スリコギダイシ 1983年 岡山県 大師信仰の要素を供えてはいるものの直ちには弘法大師に結びつかないものとしては、デンギ大師や霜月大師などと呼ばれるものに関するものがある。旧11月23日の夜には必ず雪が降り、それはデンギ大師の跡かくしと言われる。デンギとはスリコギのことである。この日には大師に宿を頼まれるが、食べ物がないからと言うと粟や大根を盗んで来いと言われ、足がデンギだからすぐ分かると言うと、ならばその足跡を隠させようということで雪を降らせたのだと伝えられている。
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オダイシサマ 1985年 愛媛県 年に一回、床の間に臼を置いておくと、夜、お大師さまが来て、臼の目切りをしてくれる。
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コウボウダイシ 1934年 広島県 弘法大師が、雪の夜に癩病の病人の姿で宿を乞い、大根蕪の入った汁が食いたいといって、自ら雪の中野菜を盗みに出た。主人が雪に足跡がついて露見するというと、呪文を唱えて、おおいに雪を降らし足跡を隠した。
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コウボウダイシ 1989年 長野県 11月23日はタイシッコーといい、大師様を祀っている。ある時、弘法大師が乞食の身なりで一夜の宿を乞うたが、泊める者がなかった。村外れの貧乏で足が不自由な老婆が泊めたが、家に食べるものがないので隣家の稲を盗んで粥を作った。雪の中に足跡が残ったので、大師は雪を降らせてそれを消した。以来、この日の晩は少しでも雪が降るという。
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ダイシサマ 1982年 新潟県 11月23日は大師講の日である。大師様が中国から小豆を盗んできたところ、それを発見され、ヌルデの大木の3ツ又に隠れ、難を避けた。そのためにヌルデの箸を使い、小豆はわらじの中や耳の穴に隠して持ち帰ったという。その折に塩たき釜の中に片足を踏み落とし、火傷をしたために片足が不自由になったため、大師の歩いた跡が分かるので、この日は雪が降ってそれを隠してしまう。
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コウボウダイシ,ヤニモモ 1948年 兵庫県 昔、弘法大師がきたとき桃を一つほしがったが、あまりにみなりがいやしかったので婆さんは返事すらしなかった。それ以来、ここではいくら桃を作っても「やに桃」しかできなくなったという。
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クリ,サンドグリ,コウボウダイシ 1956年 宮城県 内井氏宅の南斜面にある大木の栗。秋になると間をおいて三回実が落ちる。弘法大師が行脚にきたとき、一人の老婆が貧しいながらも手厚くもてなしたので、お礼に大師が植えてくれたといわれている。
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ダイシサマ 1982年 新潟県 11月23日は大師講の日である。大師様が中国から小豆を盗んできたところ、それを発見され、ヌルデの大木の3ツ又に隠れ、難を避けた。そのためにヌルデの箸を使い、小豆はわらじの中や耳の穴に隠して持ち帰ったという。その折に塩たき釜の中に片足を踏み落とし、火傷をしたために片足が不自由になった。
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コウボウ,トウジ 1949年 岐阜県 弘法が旅をしていて、ある婆の家に宿を乞いた。この際、今宵より3日のうちに雪が降るからハザの稲を取っておけといったので、媼はハザの稲をとってきて焚いてもてなした。今でも冬至の日から3日の間には必ず雪が降る。弘法は今も旅をしているという。
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メヒトツコゾウ 1979年 静岡県 師走八日の夜に赤飯の握り飯を焼かないと、目一つ小僧が家の中に入ってくるという。目一つ小僧は頭のてっぺんに大きな穴があり、そこに人間など色々な者を入れて取って行き、山に待つ子どもの元へ運び帰るという。
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コウボウダイシ,オニ 1930年 岡山県 昔、この辺りに鬼が住んでいた。弘法大師が通りかかったとき、鬼が退去を拒んだ。そこで大師は鬼に小さな木像を与えた。しかし鬼は木像の有難味が分からず、転がしていた。その木像を盗んだ者がおり、船で去ろうとしたが動かず、木像を海に捨てて去った。鬼はこの話を聞いて木像の尊さを知り、海中から拾い上げて祀った。
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ムカエビ 1939年 長野県 13日の夜も白樺の皮を焚いて仏様をお迎えする。焚く場所は数多くは門口であるが、村や同じ村でも字によって一定していない。お迎えするときには「お盆さんお盆さん、このあかりでおいでなして。」「ボンサマボンサマ、このあかりで来とくれ」「ぢいさんまあさんこのあかりで、ござれござれ」となどと唱える。
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